Tokyo Work Design Week 2014 連載イベントレポート第1弾。エバーノート流のシリコンバレーワークスタイルとは?『働かないで、働く。』という一見矛盾するテーマを基に語られたエバーノートが実践する新時代の働き方を書き起こし形式でご紹介します。
【登壇者】
Evernote Japan Director of Marketing & Communications
上野 美香
Evernote Japan Partnership Manager
今村 泰彦
今村:
本日はお越しいただき誠にありがとうございます。TWDW2014・2日目、「働かないで、働く。 ー For Your Life's Workー」というテーマでゲストを招いて、オーディエンスの方も参加いただきながらセッションを行なっていきたいと思います。
上野:
セッションに入る前に、私たちエバーノートという会社や働き方をちょっとだけ紹介をさせてください。シリコンバレーのIT企業ってどんなふうに働いているんだ?って、興味ある人もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
エバーノートは、創業してから6年目になりまして、全世界に1億人を超えるユーザーがいます。いま世界に11拠点、アジアとヨーロッパ、アメリカ、南米に展開しています。
エバーノートは3つの製品を扱っています。ひとつは個人ユーザー向けのエバーノート。無料とプレミアムという有料会員があります。それから、エバーノートビジネスというのは、企業向けアカウントですね。企業とかチームで使う場合のエバーノートです。そして、3つ目は物販です。エバーノートはクラウドサービスを提供する、ばりばりインターネット企業なんですけど、実際のモノを作って販売してます。スキャナーなど、デジタル化する分かりやすいものから、カバンや、面白いものだと靴下だって売ってたりします。
これらは「日頃の生活をよりよくする」っていうキーワードで作っているんです。エバーノートの特徴は、デジタルとアナログを対極で考えるのではなく、常にどちらも良いところをとって、それを融合して使っていこう、と考えていることです。
そして最近、「Your Life's Work」というスローガンを新たに設定しました。日本語で「仕事」っていうと、会社でやるものっていうイメージが強いと思います。しかし英語の「Work」にはもっと広い意味があるんです。「人生の中で成し遂げたい何か」と捉えていただければいいなと思います。働く全ての人、例えば子育てしてるお母さんもそうですし、学生さん、ボランティアをやってる方も含まれます。
上野:
ここからはエバーノートにおける、仕事をする環境、どんなところで働いて、どんなふうに仕事をしているのかっていうお話をさせていただきます。
これは、アメリカ本社の写真です。毎週木曜日にやってる全社ミーティングなんですけど、日本でいう全社ミーティングっていうと、皆さんイスにすわって、カチっと集まってされている方も多いかと思います。しかし、シリコンバレーの場合、立ちながら階段の真ん中にいたりと、ラフに集まってやります。全社に伝えるべきものを中心にお話して、時には新入社員を紹介したりもするし、各国でやってることを共有したりします。早いときは15分くらいで終わるときもあるんですけど、必ず30分以内に終わるようになっていますね。
よく取材していただいて、注目される点を挙げてみました。
・世界のどこのオフィスで働いてもよい
・休暇日数に制限なし
・必要な備品は自動販売機
・月一回のハウスクリーニング
・電気自動車のリース
・Work From Home
世界のどこのオフィスでも働いてよいっていうルールは文字通り、基本的にどこのオフィスに行ってもいいんです。チームのメンバーや上長と話をして、1週間なり2週間なり、ここのオフィス、例えばデトロイトシティのエンジニアがスイスにいって働きたいですというのをきちんと話して、仕事のメドが立てば、じゃあそこでやりましょうって。
今村:
これ、交通費も負担してくれるんだよね。
上野:
滞在費も。
今村:
すごいでしょ?だから知らない外国人が、オフィスにいくと突然、堂々と座ってるんですよね(笑)。
上野:
今週も日本にエンジニアが来ています。春とか秋は特に大人気で。
今村:
下手すると5人位一気に来てるときあるよね。「オフィスに入りきらないよ」って(笑)。
上野:
これもよく注目していただくんですが、休暇日数に制限がないんです。
そして、必要な備品は自動販売機にだいたい用意されています。例えばマウス、ケーブル、キーボードなどなど。それから月1回のハウスクリーニング。これは希望すればクリーニングがきてくれます。
これらの制度の裏にある考えとは、メンバーにより有意義に時間を使ってもらいたいということなんです。会社が負担できる範囲内で、メンバーが無駄なことではなく、もっと仕事に時間を費やせるように、という理念で作られたものなんですね。
最後はWork From Home。今村さんから説明いただけますか?
今村:
「今日はWFH」というメールは、「会社には出社しません」という意味です。普通の感覚でいうと、遊んでんじゃないの?って思う方もいらっしゃると思うんですけど、ちゃんと働いてるんですね。
特にエンジニアにとって、家のほうが集中できるという日があるんです。そんなときは「WFH」というメールを1本送るだけでOK、誰も何も言いません。そこは信頼関係ですよね。
上野:
つまり在宅勤務ですね。日本のオフィスのお話をすると、まだメンバーが12,3人しかいないのでマンションの1室のような非常に小さなオフィスです。
ある日、アメリカから来たメンバーはソファベッドが気に入ってゴロゴロしながら開発をし始めたんですよ。靴脱ぐのは日本オフィスだけなんで、「これはアメリカでも導入すべきだ!」ってずっと言いながら帰ってきました(笑)。
それと、よくパーティをしますね。何か新しいタイミングや誰かを迎える時。日本だったらお花見の季節にパートナーさんも呼んでやったりしました。
今村:
あと、フライデービアという制度がありまして。金曜日遅くまで働いてると、なんか空気よまねえなみたいな感じになるんですよ(笑)。金曜日は5時位すぎると飲んでもいいぞっていう空気がどことなくただよってきて、それを言い訳に人を呼び込んでピザとってパーティするみたいなことを結構頻繁にやってますね。
上野:
金曜日じゃなくても飲みたい時は、お仕事はしてても飲みたくなるじゃないですか。5時前でもオフショットとかあけて、1瓶さすがに多いので、コップに入れて、今村さんとかに「はい、一緒に飲もう」って言って飲んじゃいます。夕方から、皆を引き込んで(笑)。
今村:
ね、働かないで働く感じしてきたでしょ?(笑)そういう意味です。
上野:
というわけで、エバーノートの紹介はここまでです。
ここからは、今日はステキなゲストをお二方お招きして、私たちのキャリアやバックグラウンド、働き方を紹介していきたいと思います。
(登壇者の各セッションは随時アップ予定)
編集 = 松尾彰大
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