Twitterフォロワー数10.5万人を誇る「くつざわ」さん。彼女が絶大な信頼を寄せるマネージャーがKOHさんだ。LINE既読スルーは当たり前、「自分で考えてください」と突き放すことも。なのに、なぜこんなにも信頼される?
全3回の連載でお送りいたします。
[1]「楽しさ」が報酬
[2]僕の使命は、ダメ人間「くつざわ」の自立
[3]いつかヤツが僕のもとを去る、その日のために
僕はタイ在住で、リモートワークでマネージャーをやっていて。「どうやっているのか?」と聞かれることもあるのですが、基本的にはテレビ電話やLINEでほぼ毎日やりとりしています。
基本的に「サポートする」という意識は全くない。くつざわのためにも、僕のためにもならないんですよね。ちょっと冷たく聞こえるかもしれませんが、よく伝えているのは、「自分で考えてください」ということ。
彼女は分からないことがあったら、なんでもLINEで聞いてくるタイプです。検索すれば、分かるようなことなのに、調べない。末っ子気質で、ただの「怠慢」ですね。
誰かに聞くことは、その場しのぎでしかないと思うんです。これは、くつざわにもよく伝えているのが、「知らない街を歩くときに、人に案内されて後ろをついていっても、道を覚えない」って。
裏を返せば、自分で道を調べたり、地図を片手に人に聞いたりして、苦労しながら歩いた道って、2回目は地図を見なくても歩けるようになりますよね。
くつざわは、20歳の大学生。社会人経験はないし、分からないこともたくさんある。だけど、僕が「大学生」として彼女に接していたら、大学生にしかなりませんよね。だから、年齢も、性別も、あえて意識していません。年上と年下でもなく、ひとりの人間として向き合う。
だから最近は、8割くらい返信しない。「既読無視する」って彼女は不満を言ってますけど、「なぜ返信してもらえないのか」を、自分で考えはじめるじゃないですか。
それに、僕自身も面倒くさい(笑)。同じ道を何回も案内しなきゃいけない。目標は僕がいなくなることです。くつざわが自立して、マネージャーがいなくてもいい状態になることを目指しています。
“人間として成長すべき機会を与えてくれる、人生のマネジメントをしてくれています。「君は人としてまだ何もできない」とよく言われるので、たぶん間違いないです。
(くつざわさんのnoteより引用)
支えない事が、1番支えになるんじゃないかなと思っています。
マネージャーと名乗ってはいますが、僕とくつざわの間にはなんの契約も、給与も発生していません。一言でいえば、ボランティア。
被災地とかのボランティアもしたんですけど、ボランティアをしなくてもいい環境になることが1番いいことなんですよね。
もしかしたら、くつざわは一緒にいて欲しいのかもしれないんですけど、僕は全然一緒にいたくないです。要はマネージャーを辞めたい。僕が辞める事が自立であって、ゴール。彼女にマネージャーとして関わり始める前から、辞めることを念頭においていました。
ただ残念ながら、全く目処は立っていませんね(笑)いまだに、くつざわは検索したら分かるようなことを聞いてきますし...。
少しずつ僕の仕事は減らしていて、今は当初の半分くらいになっています。どんどんアウトソースしていますし、彼女が自分で考えて進められるように環境を整えています。
取材 / 文 = 野村愛
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