2019.09.05
ダメ人間「くつざわ」の自立が、僕の使命

ダメ人間「くつざわ」の自立が、僕の使命

Twitterフォロワー数10.5万人を誇る「くつざわ」さん。彼女が絶大な信頼を寄せるマネージャーがKOHさんだ。LINE既読スルーは当たり前、「自分で考えてください」と突き放すことも。なのに、なぜこんなにも信頼される?

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全3回の連載でお送りいたします。
[1]「楽しさ」が報酬
[2]僕の使命は、ダメ人間「くつざわ」の自立
[3]いつかヤツが僕のもとを去る、その日のために

>>> 最初から読む[1]「楽しさ」が報酬

怠慢な「くつざわ」に、優しさはいらない

僕はタイ在住で、リモートワークでマネージャーをやっていて。「どうやっているのか?」と聞かれることもあるのですが、基本的にはテレビ電話やLINEでほぼ毎日やりとりしています。

基本的に「サポートする」という意識は全くない。くつざわのためにも、僕のためにもならないんですよね。ちょっと冷たく聞こえるかもしれませんが、よく伝えているのは、「自分で考えてください」ということ。

彼女は分からないことがあったら、なんでもLINEで聞いてくるタイプです。検索すれば、分かるようなことなのに、調べない。末っ子気質で、ただの「怠慢」ですね。

誰かに聞くことは、その場しのぎでしかないと思うんです。これは、くつざわにもよく伝えているのが、「知らない街を歩くときに、人に案内されて後ろをついていっても、道を覚えない」って。

裏を返せば、自分で道を調べたり、地図を片手に人に聞いたりして、苦労しながら歩いた道って、2回目は地図を見なくても歩けるようになりますよね。

くつざわは、20歳の大学生。社会人経験はないし、分からないこともたくさんある。だけど、僕が「大学生」として彼女に接していたら、大学生にしかなりませんよね。だから、年齢も、性別も、あえて意識していません。年上と年下でもなく、ひとりの人間として向き合う。

だから最近は、8割くらい返信しない。「既読無視する」って彼女は不満を言ってますけど、「なぜ返信してもらえないのか」を、自分で考えはじめるじゃないですか。

それに、僕自身も面倒くさい(笑)。同じ道を何回も案内しなきゃいけない。目標は僕がいなくなることです。くつざわが自立して、マネージャーがいなくてもいい状態になることを目指しています。

“人間として成長すべき機会を与えてくれる、人生のマネジメントをしてくれています。「君は人としてまだ何もできない」とよく言われるので、たぶん間違いないです。
(くつざわさんのnoteより引用)

+++

「支えないこと」が、一番の支えになる

支えない事が、1番支えになるんじゃないかなと思っています。

マネージャーと名乗ってはいますが、僕とくつざわの間にはなんの契約も、給与も発生していません。一言でいえば、ボランティア。

被災地とかのボランティアもしたんですけど、ボランティアをしなくてもいい環境になることが1番いいことなんですよね。

もしかしたら、くつざわは一緒にいて欲しいのかもしれないんですけど、僕は全然一緒にいたくないです。要はマネージャーを辞めたい。僕が辞める事が自立であって、ゴール。彼女にマネージャーとして関わり始める前から、辞めることを念頭においていました。

ただ残念ながら、全く目処は立っていませんね(笑)いまだに、くつざわは検索したら分かるようなことを聞いてきますし...。

少しずつ僕の仕事は減らしていて、今は当初の半分くらいになっています。どんどんアウトソースしていますし、彼女が自分で考えて進められるように環境を整えています。

[3]飛び立て、くつざわ! >>>

<<<[1]「楽しさ」が報酬


取材 / 文 = 野村愛


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