2019年11月12日と11月13日に開催される『プロダクトマネージャーカンファレンス 2019』。実行委員である丹野瑞紀さんに、カンファレンスの見どころについて伺った。
「このカンファレンスが、日本らしいプロダクトマネジメントのあり方をみんなで作っていく場となったら嬉しい」
こう語ってくれたのが、『プロダクトマネージャーカンファレンス 2019』実行委員である丹野瑞紀さん(メルペイ)だ。
とくに今回、海外から豪華ゲストの参加も発表されている。たとえば、PMのバイブル『INSPIRED』著者、Marty Caganのキートークも予定されている。
「プロダクトマネジメントの全体像から含め、最先端のプロダクトマネジメントの状況を知ることができるはず」
さらに『Zoom Video』のHarry D. Moseley、『TransferWise』のKaarel Kudduも来日。それぞれについて丹野さんはこう解説してくれた。
「ビデオ会議システムという成熟した市場でイノベーションを起こす『Zoom Video』の話も、多くの日本企業にとって参考になりそうですよね。また、『TransferWise』は異なる商習慣を持つ様々な国で利用される国際送金サービスです。シリコンバレーで活躍する数少ない日本人PMの一人、Smuleの曽根原 春樹さんも登壇します。グローバルな市場に向けたプロダクトの開発に携わる方々にとって、かなり貴重な話が聞けるのではないかと思っています」
さらにカンファレンス全体、「より学びを掘り下げていくために」といった視点で、実行委員である丹野さんにお話を伺った。
2017年、2018年とPMカンファレンスをレポートしてきたキャリアハック。2019年に予定されているセッション・登壇者を見てみると、さらに多岐にわたる領域の方々が名を連ねているように思う。まずはその背景について丹野さんに伺った。
とくにここ数年、あらゆるモノが、ソフトウェアによって付加価値がつくられる時代になってますよね。
例えば、『MaaS』はすごく顕著。自動車を例にとっても、すでにハードウェア単体のプロダクトではありません。人材においても、これまでソフトウェアの世界で活躍していた方々が自動車業界をはじめ、これまで「ハードウェア」とされてきた領域で必要とされています。
ただ、それぞれの分野を横断し、活躍する人材はまだ多くありません。融合が進んでいないどころか、衝突が起こっているケースもある。いかに越境し、融合できるか。広い領域の視点、知見を手に出来るよう、多彩なセッションを開催できればいいですね。
自動車といえば、今回「日産自動車のコネクティドカー担当PM」である海老澤 雅之さんの登壇も予定されている。
海老澤さんに登壇をオファーさせていただいたのは、とくに日本の産業において大きな影響力のある「自動車」に関連した領域のプロダクトマネジメントについてお話をいただきたい、と考えたからです。
特にインターネットの世界だと「とりあえず最小限の機能セットのプロダクトを作ってリリースしてみる」が当たり前ですよね。けれど、ハードウェアが絡んでくると、なかなかそうもいかない。プロダクトの作り方もどんどん変わってくる。
ハードウェアで伝統を作ってきた企業の中で、どのようにソフトウェアで価値を示すか。いかにコミュニケーションを図り、良いプロダクトを作っていくのか。こういった視点が得られるのではないかと、私個人としてもお話が聞いてみたいと思いました。
当然、セッションの内容は登壇者の方がプロダクトマネジメントのあり方を自由に語っていただくので、実際そういったお話になるかどうかは現時点ではわかりません。ただ、ソフトウェア、ハードウェア、いずれのPMにとっても参考になると思います。
もうひとつ、個人的に注目しているのがPMのキャリアに関するセッションです。
今回は複数のセッションでPMの採用や育成、キャリアパスをテーマにしたセッションが行われる予定です。カンファレンスは今回4回目を迎えます。第一回目を開催した2016年と比べて、プロダクトマネージャーという役割は格段の差で広く認知されたと感じています。
一方で、マネジメントする側の観点でいうと社内でどうやってPMを増やしていくのか、PMを自身の観点でいうと自身のキャリアをどう開発していくのか、という点については多くの人がまだ暗中模索している状態です。
ソフトウェア産業以外でもPMが必要とされるようになってきたなかで、「PMの人材戦略」「PMのキャリア」というテーマについて皆さんと改めて考えていきけたらうれしいです。
もうひとつ、PMとして注目したいキーワードが「デザイン経営」だろう。今回、デザイン関連のセッションも複数予定されている。
プロダクトマネージャーは、幅広い分野について知見を持っておくべき、これは自明ですよね。マーケット、開発プロセス…そしてもうひとつ。特に近年重要とされているのが「UXデザイン」です。
サービスがコモディティ化した先は「UX」の勝負になっていく。これは広く言われていること。ただ、「PM」と「UXデザイナー」の関係性や、それぞれがどう機能したときに理想のプロダクトが開発できるのか、もっと議論が必要だと考えています。
そういった観点でいうと、2019年のプロダクトマネージャーカンファレンスでは、デザイン会社Basecampの代表でありdelyのCXOでもある坪田 朋さんや元FOLIOのCDOである一般社団法人デザインシップの広野 萌さん。また、Google認定デザインスプリントマスターである佐藤 伸哉さんなども登壇予定ですので、ぜひ注目していただきたいですね。
もちろん今回、丹野さん伺えたのはカンファレンスのごく一部について。セッションはもちろん、ブース出展やネットワーキングなど、PMにとって学びをアップデートさせる機会が目白押し。最後に丹野さんより、カンファレンス参加者に向けてメッセージをいただいた。
自分に合ったPM像を見つけ、学んでいく。もちろんこういった場でもあるのですが、「プロダクトマネジメント」はどう発展していくべきか、といって視点を持って臨むことで、さらに学びが大きなものになるのではないでしょうか。
私を含め、実行委員は全員が様々な形でプロダクト開発に関わっています。プロダクトマネジメントに携わる多くの方々に集まっていただき、意見を交わしたい。さらに世の中での認知を広げていければ嬉しいです。
ぜひみなさんと一緒に、プロダクトマネージャーが活躍しやすい土壌を作っていきたいですね。
■開催日時
11月12日 (火) : 10:00 ~ 20:00 (9:00 開場 ※ネットワーキング含む)
11月13日 (水) : 10:00 ~ 17:50 (9:00 開場)
■開催場所
ベルサール渋谷ファースト
〒150-0011 東京都渋谷区東1丁目2−20 住友不動産渋谷ファーストタワーB1・2F
■リンク
公式HP : https://2019.pmconf.jp/
公式ハッシュタグ : #pmconfjp
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