2019.11.28
1日1個は施策案を出す、ボロクソに言われても続ける。エウレカ 金田悠希がPM1年目にやったコト

1日1個は施策案を出す、ボロクソに言われても続ける。エウレカ 金田悠希がPM1年目にやったコト

会員数500万人から、約2年で会員数1000万人へ!「Pairs」の成長をリードしてきたPM 金田悠希さん(32歳)。現在は執行役員として事業戦略にもコミットする。そんな彼が「PM1年目から心がけてきたこと」とは?

0 0 8 2

全2本立てでお届けします。
[1]1日1個は施策案を出す、ボロクソに言われても続ける。エウレカ 金田悠希がPM1年目にやったコト
[2]若手PMに捧ぐ!チームを迷走させないロードマップの描き方|エウレカ 金田悠希(※11月29日公開予定)

四六時中、プロダクトのことを考えた新人時代

ー 金田さんの「PM1年目」ですが、どのような業務を担当されていたのでしょうか。

最初はプロダクトマネージャーのアシスタントとして、雑用に追われる日々を過ごしていました。会議の議事録をつくったり、データを集計したり。

ただ、当時から心がけていたのは、「プロダクトを伸ばすためになんでもやる!」という責任感を持つことですね。誰よりもユーザーについて考えること、そしてプロダクトを進化させるためになにができるかを考えることです。

具体的に取り組んでいたのは、毎日施策案を出し続けること。どんなに忙しくても業務の隙間時間や寝る前に時間を必ず確保して、施策案を最低一つは出すようにしていました。

そして、考えた案はプロダクトマネージャーにぶつけて、フィードバックをもらいにいく。

「筋が悪い」とか「全然的外れだね」とか、ボロクソにいわれていたと思います。 でも、最初は的外れでもいい。効率の良さを抜きにして、とにかく量を出す。その先に少しずつ「これは良いんだ」という糸口を掴めるようになってくるはず。


「僕も一緒に仕事をしていて楽しいなと思うPMは、プロダクトに対する責任感を持てている人ですね。たとえ特別なテクニカルスキルがなくても、四六時中考え続けられるマインドがあると成長スピードが早い気がします」

「ただのイイ奴」からの卒業

ー 責任感を持つことは、今日からすぐに意識できそうですね。その他、新人時代に経験しておいたよかったこと、学んだことがあれば教えてください。

はじめてPMを担当したときの失敗経験は、「捨てる勇気」を学んだ貴重な機会だったなと思います。

当時ゲームアプリの開発に携わっていて、一緒にやっていたプロデューサーがアイデアマンでめちゃくちゃ発散思考の人だったんです。「これもやりたい」「あれもやりたい」と、出てくるアイデアをすべて盛り込んだのですが...。つくる機能が多すぎて開発スケジュールは延び延びに。そうして完成したアプリだったのですが、結局売上が伴わず即クローズしてしまいました。

一番の問題は「全部を盛り込むことが正しい」と思っていたこと。「ただの良いヤツ」だったんですよね。コアな体験を定義し、そこにフォーカスして徹底的に作り込むことが、PMの大事な役割なのだと気付かされました。

もし、当時の自分にアドバイスできるとしたら、「捨てる勇気を持て」といいたいですね。

BacklogのROI(Return on Investment = 投資対効果)を最大化させるために機能を絞り込むべき。他のアイデアは捨てようと伝えたいです。

「5分の口頭説明」をめんどくさがらない

ー様々なステークホルダーがいるなかで、意思決定をしてもうまく伝わらないというのも新米PMがつまづくポイントですよね。

そうですね。これはよく社内のメンバーにも伝えていることなのですが、「資料を作って共有すれば伝わる」というのは幻想だということです。

たとえば、チームの朝礼で共有した資料の内容を5分くらいで説明したり。Slackでメンバーに依頼を投げるだけじゃなくて、直接声を掛けて状況を聞きにいってみたり。コミュニケーションはしすぎるくらいでちょうど良い。要するに、「楽をしない」ことですね。

そういった意味だと、プロダクトの仮説検証においても「楽をしない」ことは常に心がけていて。社内で大切にする言葉として「Get Out of the Building」という言葉があって、一人で考えていても答えは出ない、課題や仮説をユーザーにぶつけにいこうという意味が込められています。

ユーザーのリアクションをみて見えてくるものの方が圧倒的に多い。楽をしないことが、仮説検証のスピードをあげていくことにつながると思います。

まずは「チームに足りないスキル」を補う

ーPMが大事にするべきスタンスや考え方について伺えてきました。テクニカルスキルに関しては、どこから習得していくとよいでしょうか?

あくまでも僕の考えですけれど、一緒に仕事するPMが苦手なことで、自分が得意なことをやったら良いと思いますね。好き嫌いとか得意不得意とか言わずに、自分が「チームにおいて誰かの苦手なところを補完する」という考えを持つということかもしれません。

新米を卒業してPMとして全体を見る立場になると、ファイナンス担当やマーケッターとのコミュニケーションが増え、必然的にグロースとかビジネスに時間を使うことになってきます。

なので最初は、プロジェクトマネジメントであったり、開発とデザインの調整をしっかりできるようになると信頼を得られる気がします。自分のターンが来た時に、グロースやビジネスを伸ばしていくとスキルの幅も広がるのでおすすめですね。

>>>[2]若手PMに捧ぐ!チームを迷走させないロードマップの描き方|エウレカ 金田悠希



取材 / 文 = 野村愛


関連記事

特集記事

お問い合わせ
取材のご依頼やサイトに関する
お問い合わせはこちらから