2019.11.29
若手PMに捧ぐ!チームを迷走させないロードマップの描き方|エウレカ 金田悠希

若手PMに捧ぐ!チームを迷走させないロードマップの描き方|エウレカ 金田悠希

駆け出しPM必見!チームを迷走させないロードマップの作り方をお届け。解説してくれたのは執行役員 VP of Pairs Japanであり、マッチングアプリ「Pairs」のプロダクトマネージャーをつとめる金田悠希さん。「プロダクトの本質からブラさず、ロードマップを組む」その描き方とは?

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全2本立てでお届けします。
[1]1日1個は施策案を出す、ボロクソに言われても続ける。エウレカ 金田悠希がPM1年目にやったコト
[2]若手PMに捧ぐ!チームを迷走させないロードマップの描き方|エウレカ 金田悠希

数字の整合性よりも、みんなの「腹落ち感」を大切に。

ー 駆け出しPMのつまづきポイントが「ロードマップ」づくり。金田さんは普段どのようなことを心がけていますか?

プロダクトの方向性に対して、社内外問わずみんなが「ワクワクする姿が想像できること」を重視するようにしています。

たとえば、目標を共有したときに、チームメンバーのテンションが上がるかどうか。ユーザーを含め、社外の人もPairsを応援したくなるかどうか。言い換えれば、「納得感」や「腹落ち感」ですね。

もちろん定量的なデータやKPIも大切。ただ、とくにプロダクトの成長フェーズにおいては、どれだけロジックを詰めても、その数字が「正しいか、正しくないか」とか「結果が出るかどうか」はやってみないとわからない部分も大きい。

たとえば結果がついてこなかったとき、「そもそもなんでこの数字を追っているんだろう?」と疑問は浮かんでくるもの。定量的な価値だけではなく、「こういう価値を出すために向かっているんだ」というものがあれば、メンバーは日々試行錯誤して走り続けられる。

しかも、数字だけみてロードマップを組むと、A/Bテストの繰り返しになりがちになるんですよね。たしかにフォームは綺麗になって、コンバージョンレートが上がるかもしれない。でも、「その先に何があるんだっけ?」という問いが同時に必要だと思うんです。ユーザーの体験はどう変わるのか。社会がどう変わっていくのか。そういった問いに対して答えられなければ、数字の改善が目的になり、プロダクトの本質からブレてしまいます。

スティーブ・ジョブズがiPhone作る時に、表立ってロジックしてみんなを説得する必要はなかったと思うんです。本人の中でiPhoneのビジョンが見えていて、iPhoneを提供すると世界はこういう風に変わるというストーリーがあったはず。スティーブ・ジョブズに横並ぶわけじゃないですけど、彼のように「想像力」を働かせて、大きなストーリーを描くことがPMにとって大事なのではないかと考えています。

+++

PMがひとりよがりでストーリーを描くと失敗する

ー「想像力」を働かせて、大きなストーリーを描く…そのためには何をしたらいいでしょうか?

まずは、いろいろな立場の人とのディスカッションが重要だと思いますね。CEO、マーケティング、カスタマーサポート、開発...それぞれの視点で描いている「ストーリー」があるはず。一人一人と対話して、紡いでいくことが大事だと思います。

僕の考えをぶつけた時に何が返ってくるのかもそうだし、彼らがどんな意見をぶつけ返しててくるのかも理解してプロダクトのストーリーも合わせて編集していく。独りよがりで決めることで良かったことは一度もないです。いろんな視点の人と対話していった方が、ストーリーの精度も高く、パワフルな戦略になっていく。

そのストーリーもアップデートしていくことが大切です。ストーリーと一言でいっても色んな粒度があって。フワっとした事を描いた時に、現場に落として今の戦略と繋がるのか?データとリンクして正しいのか?日々検証していくイメージです。

たとえば、「Pairs」にAという新機能を入れたら良くなりそうというストーリーが思い浮かんで、社内の誰と話しても良さそう!となっても、最終的には実装する前にユーザーにぶつけて判断する。ユーザー5人に使ってもらったら、みんな使いづらくて駄目でしたって事って意外とあったりするんですよ。

そういうことを日々やっていくと、ストーリーもアップデートされていく。仮説を描いて試したら違ったから、また戻して。意外なところで結果がでたからこっちの方面なのかなと修正するパターンもありますし、回描いた物を日々更新していく作業に近いですね。

ストーリーは逐一資料化。月イチでプレゼンする。

あと、ストーリーをメンバーにシェアしていくためにも、書類化したりプレゼンして伝える機会をつくるように心がけています。

最初4人だと気持ちの共有は楽なんですけれど、8人とか10人超えたりすると、僕の考えを全員に思ってもらうって大変になってきてしまう。

eurekaに入って親会社である「Match Group」の人と話をしているときに気づいたのが、資料化することの大切さ。来年のPairsのユーザーエクスペリエンスは何をテーマにしているのを自分の頭に思い浮かべるだけじゃなくて、PowerPointとかに、彼らは落としていたんですよ。

たしかに自分の考えていることは話さないと伝わらないし、話しても伝わらないこともある。今では月1回、Pairsに関わっている全員を集めて、必ず自分の考えを資料に落としてプレゼンするようにしています。

ーものすごくタフな作業の連続が求められるんですね・・・。

正直…毎月憂鬱なんですよ。資料作るの大変なんで(笑)ただ、大変ではありますが、必ずやったほうがいいと私は思っています。

やっぱり資料にしていくと、自分の考えの甘い部分に気づく。資料に落とせない所は、自分の考えが纏まっていない部分。実際、1つ1つ資料にストックするようになってから、色んな人とコミュニケーションし易くなったり、資料を見ておいてということも増えてきたりしました。

何より自分の考えが整理されて人に話すときにダイナミックに説明できることが大きかったと思います。

社外は多少、誤魔化しが効くんですけどね…(笑)社内の方が余程、誤魔化しが効かない。ちょっとした矛盾点とか、自信なさそうにしていると、社内のメンバーには伝わってしまう。だからこそ、どれだけ自分への甘えを捨てられるか。ここが勝負なのかもしれないです。

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<<<[1]1日1個は施策案を出す、ボロクソに言われても続ける。エウレカ 金田悠希がPM1年目にやったコト



取材 / 文 = 野村愛


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