2020年4月1日、Zoomで「#所属のない入社式」というユニークなイベントが開催された。フリーのライター、フォトグラファーをはじめ、起業家、学生クリエイター、副業しているママさんなど「所属をもたない人たち」が約25名が参加。そこに込められた思いとは? 主催元『SHE』小池彩加さんに伺った。
全2本立てでお送りいたします。
【1】 4月1日、フリーランスも参加できる「みんなの入社式」をやろう。新スタートを応援する『SHE』の思い
【2】オンラインイベントの始め方、ポイントは? 女性向けキャリアスクール運営『SHE』の場合
ミレニアル女性向けキャリアスクール「SHElikes」を運営する『SHE』。
Webデザイン・ブランディングをはじめ「UI/UXデザイン」「カメラ・写真」「Illustrator」といったスキルを学ぶ場を提供。さらに、そういったスキルを活かして働くことをサポートしている。
2020年3月以降は、新型コロナウイルスによるイベント自粛を受け、イベントのオンライン化を推進。
そんな『SHE』が2020年4月1日実施したのが「所属をもたない人たち」のためのオンライン入社式だ。
『SHE』PRブランディングマネージャーの小池彩加さんに、イベントに込めた思いを伺った。
Zoomを活用した「#所属のない入社式」、ユニークな取り組みですね!趣旨について教えて下さい。
ありがとうございます!このイベントは年齢・職業・場所や性別問わず「とにかく何か新しいスタートをきりたい」という方のためのもので。たとえばフリーランスや起業したばかりの人、主婦の方など、所属は関係なく集まって、自分の夢を宣言したり、未来について話し合ったりすることを目的にしています。
たとえば会社員だったら「入社式」があって、新入社員はピカピカのスーツを着て同じ場所に集う。一緒に頑張る同期もできますよね。
ただ、所属がない人達ってなかなかそういった機会がないと思っていて。フリーランスをはじめ、所属する会社や部署をもたない方達の「入社式」を作りたい。そういった思いから2019年にはじまり、今回が2回目の開催となりました。
特に今年は新型コロナウイルスの影響もあって、生き方や「所属」への不安が増している人も多いタイミング。入社初日から在宅勤務になってしまった新社会人の方も多いと聞いて、オンラインで開催ができないか、ということで急遽開催を決定、準備をしました。
Zoomでの開催ははじめてだったのですが、約25名の方にご参加いただくことができました。中には、京都をはじめ遠方からご参加いただいた方も。物理的な距離は関係なくコミュニケーションが取れたので、オンラインイベントの可能性も感じることができました。
そもそもなぜ「#所属のない入社式」をやろうと思ったんでしょうか?
背景には「会社に属する」という形だけではなく、もっと言えば、年齢やキャリア問わず、「一緒にがんばる同期」をつくれたらいいな、という思いもありました。
特に今なら、オンライン上でもつながりを作ることはできますよね。たとえば、Twitterでつながったり。「note読みました!」と連絡を取りあったり。もしかしたら、自分がつらいときも、「同期」が応援団になってくれるかもしれません。
それに、オンライン上で発信することで、それを見た人が「あの人がんばってるな」「自分もがんばらなきゃ!」と刺激を感じてくれるかもしれない。
実際に顔をあわせることはないかもしれないけれど、横のつながりを作って仲間を増やしていく。そういうキッカケづくりができないか、と考えています。
「#所属のない入社式」には、どんな方が何を求めて参加されたのでしょうか?
普段は個人で活動をされているフリーランスの方の参加が多かったです。たとえばフォトグラファーや、ライターの方。また、独立されていたり「いつか生まれた地元に貢献できるように」「自分のアパレルブランドを立ち上げたい」と準備されている方もいます。
フリーランスの方の中には「孤独や不安を感じる」という方も少なくなくて。特にこういった状況だとなおさらですよね。
そういった中、「#所属のない入社式」で同じような環境の方とつながれたことで「自分の決断に自信を持てた」「会社で働くことだけが正解ではないのかも、という気付きがあった」という声もいただいています。
私も取材のため「#所属のない入社式」に参加したのですが、参加者さん同士の交流が生まれていたところが印象的でした!たとえば、他の参加者の発言に積極的にリアクションをしたり。とても皆さん初対面とは思えませんでした。
そうなんです、たとえば「#所属のない入社式」の最中には、Zoomのチャット機能を使って、参加者さん同士がやり取りをしている場面もありました。
「すてきな夢ですね!」という感想を伝えたり、Twitterやインスタグラムのアカウントを交換していたり。終わった後も、Twitter上で「先ほど#所属のない入社式に参加した○○です!」と参加者さん同士が繋がりを作っている場面も。
また「#所属のない入社式」が終わった数時間後には、noteに参加レポートをまとめてくださった方も何人かいて。「いろいろな背景・職種の方の話を聞いて、"所属していないと環境が得られない"と思っていた私の固定観念が崩れました」という嬉しい感想もありました。
これがキッカケとなって、より深いつながりになったらいいなと思っていて。最終的には、それぞれの強みを活かして一緒に仕事をしたり。そんな風に発展していったらすごく嬉しいです。
取材 / 文 = 平野潤
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