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「生き方にあわせて、働き方を決める」―プログラマ限定シェアハウスで暮らす人々の選択。

2012-06-20

「生き方にあわせて、働き方を決める」―プログラマ限定シェアハウスで暮らす人々の選択。

日本でもシェアハウスという生活スタイルが一般的になってきているが、中にはとてもコンセプチュアルなシェアハウスもある。今回取材した《PGHouse》もそう。名前の通り、自らWEBサービスを作りたいプログラマのためのシェアハウスだ。そこに暮らす人たちは“生き方”と“働き方”を同じ次元で考えているという。

21世紀に誕生したプログラミング版トキワ荘《PGHouse》。

ミーティング風景B

まず前提として、このシェアハウスで暮らしているのはWEBサービス開発への並々ならぬ情熱を持った人ばかりである。

何しろ、《PGHouse》の入居条件は甘くない。希望者は、まず自分のプログラミング歴や入居の目的、作りたいWEBサービスの概要など、履歴書さながらの所定項目を埋めて提出する必要がある。簡単なプログラミングのテストもあれば、定期的に開催されるミートアップに参加し、目標や志を周囲に語る必要もある。

こうして選ばれた本気のプログラマだけが、《PGHouse》に集まってくるというわけだ。取材に伺った日も、リビングで新しいWEBサービス開発に向けたミーティングの真っ最中。一区切りつくのを待って、代表の小原さんと住人の金城さん、佐藤さんにお話を伺った。

寝食と同じレベルに、プログラミングがある環境。

小原さん

小原憲太郎さん

小原 「そもそも僕はプログラマではないんです。WEBサービスの企画の仕事をやっていたんですが、昨年退職し、独学でプログラムを学び始めました。ですが右も左も分からない。これは人に教えてもらったほうが早いなと思ったとき、僕一人じゃなくみんなで学び合える場所があったらもっと成長できるんじゃないかと考えたのが立ち上げのきっかけです。同じような志をもった人たちだったら、何か特別なセミナー等に参加しなくても、同じ家の中で生活しながら学び合えるんじゃないかと。

コワーキングスペースという選択肢もあるとは思うのですが、単なる“電源カフェ”のような場所だと、学び合いの相乗効果は生まれませんよね。

僕自身“腹の据わった場所”と表現しているのですが、やっぱり良いコミュニティというのは、まずオーナーがいて、オーナーが集めた人がいて。そしてその人たちの個性が、そのまま場の個性になっているような空間だと思うんです。

自分でコミュニティをつくるなら、その場にいる誰ひとりとしてお客さんじゃない場所というか、“人と人”“人と場所”が強い粘着質でつながっている空間にしようと」

金城さん

金城辰一郎さん

金城 「僕も3ヶ月前に会社を辞めて自分でWEBサービスを作ろうと考えていたので、家の中に共用のリビングがあって、そこで同じようにプログラミングをしている人たちがいる《PGHouse》の環境は理想的でした。それに“人”も良かった。みんな勉強することに貪欲なんです。プログラミングに限らず、学んできたものをこの場でみんなでシェアできるのも貴重だと思っています。

僕はまだまだプログラミングを勉強している段階なんですけど、周りに同じような仲間や上級者がいるのはとてもありがたいです。実は昨日Facebookログインのコードを書こうとしていて、2時間かけても分からないところがあって。普通ならそこで挫折しちゃうと思うんですけど、別の住人が助けてくれて無事に解決できました。カフェやコワーキングスペースで一人で作業していても、こういうシナジーは生まれないですからね」

佐藤さん

佐藤正志さん

佐藤 「僕の場合、プログラマとしてのキャリアは長く、スキル的にもある程度伸びきった感があるんです。じゃあ次は、自分が学んできたものを若い人に与えていこうと。

でも、そういう場ってなかなかつくれないんですよ。例えば学校でセミナーをやるといっても、時間の制約が必ず出てくるので、どうしてもある程度のところまでしか進めないんです。 そういう意味で《PGHouse》のように生活の場でプログラムをやるというのはすごく良い。誰かが行き詰まっていたらメシ食いながら説明することもできるし、世間話の流れからそのままコードを書き始めることもできる。寝食と同じレベルに、プログラムがあることに魅力を感じていますね」

今、「生き方」と「働き方」が近づいてきている。

壁のメモ


金城 「WEBやプログラミングという共通の軸を持った人が集まっているので、共通のテーマで議論したり、共同でサービスを企画できるのは嬉しいですね。僕の中ではもう仕事とプライベートの区別はなくなっていて。WEBやプログラミングが生活の中に入り込んできているし、それが仕事にもなっている感じです」

ミーティング正面

佐藤 「僕は自分で会社をやっているのですが、会社はもっと生活と一体になって、家族や友人を巻き込んでいく存在であるべきじゃないかと思ってるんです。

これまで仕事とプライベートは区別して当然という考え方が普通だったと思うんですが、分けるから軋轢が生じる。会社ではこう言われているけど、家庭ではこう言われて、友達にはこう言われて…それに合わせて自分の顔を変えないといけない。それって、実はものすごいストレスだと思うんですよね。

原始時代、人間が狩りをしている時って、家族や仲間と一緒に計画たてて一緒にやってたわけですよね。仕事と家族と友人が全部一緒になっている状態って、実は良かったんじゃないかな」

小原 「いま“生き方”と“働き方”がどんどん近づいてきている感じがするんです。《PGHouse》はまさにそのひとつのあり方で、これからは“自分のライフスタイルをベースにして働き方を考える”のが当たり前な世の中になっていくのかもしれませんね」

屋上

なんと屋上まで。高いビルが少なく、広々としてとても眺めがいい。
《PGHouse》 〒154-0022 東京都世田谷区梅丘2丁目23-20 (Facebookページ)




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