2019.12.16
請求書が即日お金に?全フリーランスの味方、『yup先払い』の衝撃

請求書が即日お金に?全フリーランスの味方、『yup先払い』の衝撃

入金前の請求書を登録するだけで、報酬を即日受け取れる『yup(ヤップ)先払い』。フリーランスが抱えるお金の悩みを解決するフィンテックサービスだ。開発者の阪井優さんに、勝ちどころを聞いた。

63 11 5 0

[1]請求書が即日お金に?全フリーランスの味方、『yup先払い』の衝撃
[2]ドタンバで共同創業者にフラれた!普通の会社員だったぼくが、初めての起業で学んだこと

『yup先払い』ってどんなサービス?
・フリーランサー向け即日報酬支払いサービス
・全業種で利用OK
・請求書を登録したら最短「60分」で審査完了
・事業計画書などは不要
・初期費用、月額費用0円
・わかりやすいUI/UX

フリーランスの救世主となるか。『yup先払い』の勝算

「興味のある仕事を相談されたけど、入金が1〜2ヶ月後だから受けられない」
「大きな案件を受けられるようもっと備品を仕入れたいけど、翌々月まで入金がない…」

フリーランスとして働く人なら、一度は資金繰りに悩んだことがあるかもしれない。筆者である私もフリーで活動しているため、「仕事はしているのにお金がない」という状況に頭を抱えたことが、何度もある。

『yup先払い』は、そんなフリーランスを悩ますお金の問題を解決するサービスだ。

取引先に送った請求書をアップロードするだけで、最短即日で報酬の受け取りが可能。

「今年2019年9月にローンチし、ありがたいことに、すでに請求金額にして1億円の申し込みをいただいています。もちろん、サービスを利用していることが取引先に知られることはありません。安心して使ってもらえたらうれしいですね」

こう語るのは、仕掛け人の阪井優さん。

『yup先払い』は、フリーランスの救世主となるか。サービスの仕組みや特徴を徹底解説してもらった。

初期費用、月額費用は0円。手数料は現在10%だが、利用実績に応じて7%、5%、3%と下げていくことも検討しているそうだ。また、金融系サービスの難しいイメージを払拭するため、親しみやすいデザインを起用。弁護士と相談し、利用規約などもかみ砕いた表現にしているという。

目の当たりにした、フリーランサーの苦しみ

――私自身フリーランスで活動していることもあり、非常に有難いサービスだなと感じました。

ありがとうございます!日本の商習慣では、どうしても発注側の立場が強く、請けた側は報酬の受け取りまでに30〜90日ほど待たされることが当たり前にあって。資金繰りに悩まれているフリーランスの方がすごく多いんです。

以前、モデルの仕事をしている友人から「雑誌や出版の仕事って本が発売されてから3ヶ月しないと入金がないんだよね」と聞いたことがあって。衝撃でした。売れっ子で仕事は入ってくるのに、資金が手元にないから不自由を強いられている。これっておかしいよなと。

また、ネットでアパレル販売をしていた個人事業主の友人からは、「需要はあるんだけど、入金が先だから仕入れられない。銀行からお金を借りればいいんだけど、審査が通らないからどうしよう」と相談を受けたこともありました。

個人で事業を営んでいるとなると、どうしても信用の問題がつきまとってしまう。軌道に乗りはじめているのに証明ができず資金調達できないというのも、大きな機会損失ですよね。

いま、世の中は「個の時代」とも言われていて。フリーランスや副業の人口が増えているのに、こういった課題は解決されずに残ったままです。

ここを『yup先払い』で、なんとか解決できたらと思っています。

金融庁との連携で、強固な「信用」を

――ただ……「お金を借りるサービス」ともとれますよね。なかには、「怪しい」と感じる人もいるのではないかなと。

「金融サービス」なので、やはり利用をためらう方は一定数いらっしゃると思います。「貸金業じゃないか」というご指摘も、中にはありました。

ただ、そこは金融庁さんと定期的なディスカッションを繰り返し、「貸金業ではない」という公式回答をいただけるよう連携しています。

またFinTech協会にも所属し、日本を代表する大手企業との活発な交流活動も行なっているんです。地道ではありますが、安心して利用いただけるよう信頼を築いていければと思っています。

『yup先払い』は、売掛債権を買い取って売掛債権の回収を行なうサービス。これはフィンテックの一つである「ファクタリング」というサービスに該当するのですが、日本ではまだまだ認知が少なく。

というのも、これまでのファクタリングサービスは面談が必須だったり、初回手数料が30%だったり、審査に1週間かかったり、3期分の確定申告書類の提出を求められたり……利用のハードルがすごく高かったんですね。それこそ、怪しい業者が運営しているサービスとかもあって。

本来ファクタリングは、資金繰りに悩む経営者にとって非常に魅力的なサービス。実際、アメリカでは使い勝手の良いサービスとして個人事業主やフリーランス、中小企業などを中心に利用されているんです。

なので『yup』では、利用ハードルを下げるために決算書も確定申告書類も、面談も不要にしています。独自の与信ロジックをもとに、60分以内に審査を実行。サービスを利用していることを、取引先に知られる心配もありません。

日本におけるファクタリングの認知向上とイメージアップに少しでも貢献できたらうれしいですね。また、日本国内にはまだまだファクタリング領域のプレイヤーが少ないので、そこを突き詰めていくことで商機もあるのではないかなと思っています。

【プロフィール】阪井 優(さかい ゆう) 1989年、大阪府生まれ。大阪教育大学卒業後、NTTドコモに新卒入社。heyグループコイニーを経て、2019年2月にyupを創業。同年9月に、フリーランス向け報酬即日払いサービス『yup先払い』のβ版をローンチ。11月に開催された「TechCrunch Tokyo2019」では、スタートアップバトルに130社応募の中からファイナリストに選ばれた。

全フリーランスのパートナーに 

――最後に、yupを通じて実現したいことを教えてください。

 最終的に僕が目指しているのは、スモールビジネスを営む人たちがお金や煩雑な事務手続きを気にせず、商売に全力で専念できる環境をつくること。名刺の裏にも「商売をカッコよく、楽しく、前進させる」って書かせてもらっているんですけど、それが実現できたら一番いいですね。

日本にはスモールビジネスをされている人たちがたくさんいますが、儲かっているのに手元に現金がなくて黒字倒産する企業が後を絶ちません。

とくにフリーランスの場合、大きい会社と取引をしていたとしても、支払いの交渉がしづらい立場にある。支払いが遅延したり、そもそも聞いていた金額と違ったり、ひどい場合だと「成果物のクオリティが低いからお支払いできません」というケースもあったり。パワハラなどの問題も山積している状況があります。

僕自身も起業するにあたっていろんな金融機関さんに借り入れの申請をしたんですけど、なかなか審査が通らなくて。手続きも煩雑だったりで、本当に大変でした。

僕は自分の意思で起業という道を選びましたけど、会社を経営していると資金繰りのことで「面倒だな」とか「大変だな」と思うことも当然あります。そんな僕自身や周囲のスモールビジネスを営む人たちが楽になるようなサービスを提供していきたいですね。

今回リリースした先払いサービスは、あくまでそのうちの一つ。ゆくゆくはフリーランスの方の「パートナー」になれるよう、あらゆる側面からフリーランスの課題にアプローチしていければと思います。

>>>[2]ドタンバで共同創業者にフラれた!普通の会社員だったぼくが、初めての起業で学んだこと


編集 = 長谷川純菜
取材 / 文 = 田尻亨太


関連記事

特集記事

リモートワーク時代の戦い方

新型コロナウイルスの影響によって進むリモートワーク。とくにテック企業でいち早く導入され、日々アップデートされている。リモートワークが当たり前となるなかで、いかに働き方を変え、さらに組織として戦っていくか。各社の取り組み、工夫、リモートワークのやり方などに迫ります。

AFTER 2020

時代は平成から令和へ。そして訪れる「2020年以降」の世界。2020年からの「10年」をいかに生きていくか。より具体的に起こすべきアクションのヒントを探る連載企画です。お話を伺うのは、常に時代・社会の変化を捉え、スタートアップと共に"一歩先”を見据えて歩まれてきた投資家のみなさんや、未来を切り拓く有志者のみなさん。それぞれが抱く「これから10年間で現実的に起こり得ること」と「新しい生き方」の思索に

お問い合わせ
取材のご依頼やサイトに関する
お問い合わせはこちらから