2021.09.13
ダメ学生だった僕が、松山太河さんに拾ってもらうまで。Twitterで人生が一変した話|平田智基

ダメ学生だった僕が、松山太河さんに拾ってもらうまで。Twitterで人生が一変した話|平田智基

松山太河さん率いるVC「East Ventures」で働く平田智基さん。社会人2年目、スタートアップ向けメディア『スタタイ』を運営する24歳だ。「もともとVCとは無縁のダメ学生だった」という平田さん。大学時代はサークルに没頭。就活はせず、留年も…そんな彼の人生を変えたのはTwitterだった!?

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▼全2本立てでお送りいたします。
前編:ダメ学生だった僕が、松山太河さんに拾ってもらうまで。Twitterで人生が一変した話
後編:ガチでスタートアップの役に立つメディアを。平田智基が『スタタイ』に込めた想い

典型的な「モラトリアム学生」だった。

East Venturesで働いている平田さんですが、もともとスタートアップやVCには興味があったのでしょうか?

それでいうと「ベンチャー界隈で働きたい」とは漠然と考えていたのですが、「どうしてもVCに入りたい」みたいなことは無くて。

学生時代にインターンも経験していないですし、スタートアップやVCに関わってきたわけではありませんでした。

アルバイトもスペイン料理屋さんでホールスタッフ。いわゆる普通の文系大学生って感じでしたね。

大学時代は、どんな学生だったのでしょうか?

典型的なダメ学生だったと思います(笑)大学には5年半もいたんですよね。

みんなが就活を頑張ってやっている時も、何となくその波に流されるのが嫌でまったくやる気になれませんでした。

「学生時代にがんばってきたこと」とか「志望動機」とか聞かれますけど、遊びに遊んだ学生生活で語れるものなんてなかったですし、でもウソはつきたくないしな...と就活もろくにしていませんでした。

かといって起業する感じでもなく、インターンにも参加せず。サークルに行ったり、友達と朝までゲームしたり、ただのモラトリアムみたいな感じで、完全にこじらせていましたね。

そこからどういった経緯でEast Venturesに?

少し変わったルートになると思うのですが…直接、East Venturesの代表である松山太河さんにTwitter経由でDMしたのがきっかけでした。

…お恥ずかしい話、当時、太河さんの偉大さをあまりわかっておらず、Twitterで相互フォローになっている方で上から順番に「すごそうな人」をリストアップして、最初に上がったのが太河さんで。拙い文章で「働かせてほしい」とDMを送りました。今だったら逆にできることじゃないかもしれません。

そんな僕にも丁寧に返信をくださって「今から話せますか?」と、15分くらいZoomでお話できることに。

大学は同志社なので関西に住んでいたのですが、そこから「いつから東京に来れますか?」と。

こうして採用が決まり、3月1日から東京で働いていたのですが…1ヶ月もしないうちに大学から「単位を落としてるよ」と電話があり、さらに半年留年する事態になってしまいました。

関西に帰るのか、東京から同志社に通うのか....どうしようかと悩んでいるうちに、たまたま新型コロナの影響でその学期のみリモート講義にシフトしたため、奇跡的に東京で働きながら同志社の授業を受けることができました。

そんなどうしようもない自分を拾ってくれた太河さんと、East Venturesには本当に感謝しかないですね。

当然、採用基準もあるわけで、誰でも良かったわけではないですね。なぜ、松山さんと直接お話でき、働けることになったのでしょう。

本当のところはご本人に確認してみないとわからないのですが、Twitterでの発信は加点というか、見てもらえたところの一つだとは思っています。

大学5年生の夏くらいから、Twitterで情報発信を始めていました。右も左も分からないなりに、決算情報をツイートしたりとか、海外のニュースをいち早くツイートするとかしていました。Twitterでの情報発信はずっと続けていて、太河さんとお話したタイミングではフォロワー数9,000人くらいには増やせていました。

正直、それまで飽き性で何も続かなかったのですが、Twitterだけはやれたんですよね。そこが人生の大きなターニングポイントだったと思います。

試行錯誤して学んだ「Twitter運用のノウハウ」

なぜ、Twitterでの情報発信をやろうと思ったのでしょうか?

大学って、就活しなかったり、留年したりすると、遊んでくれる同級生がどんどんいなくなって暇になるんですよね(笑)

まさにそのタイミングで「バフェット・コード」という企業分析ツールの公式Twitterを運営されている方から「5万円をプレゼントする&Twitter運用のノウハウを教えます」という告知があったんですよね。

メンター陣にはバフェット・コードさん以外にも現役の公認会計士の方などもいて、Twitter運用の過程で会計などの知識も身につけられそうな雰囲気がありました。

「そんなおいしい話があるのか?」と思いもしましたが、ちょうどその時期、影響力のある方たちによる「私がお金をあげます。さらにノウハウも教えます」みたいな企画がTwitterで流行っていたんですよね。

就活はしてなかったですが、いずれにしてもビジネスの世界で生きていくんだろうなとは思っていたので、会計などの知識は身に付けて損はないなと思って。

僕のTwitterのプロフィールにも書いているのですが、「バフェット•コード」のギルド1期生の募集で参加することにしました。

その「バフェット・コードギルド」では実際どんなことをやっていたのでしょうか?

当時は3人のメンターがおり、いつでも相談ができるSlackコミュティのような形式で運営されていました。

ただ、当然そこに参加するだけでTwitterのフォロワーが増えたり、役立つツイートができるわけではありません。

自分で調べたり、工夫したり、時折フィードバックをもらいながら、ツイートをしていくのですが、すべてのツイートがSlackに自動連携されているのでどんなツイートをしたのかがすぐにグループに伝わるようになっていて。あんなに緊張感を持ちながらツイートをするのは人生で初めての経験でした(笑)。

また、ギルドに参加している他のメンバーのコミット具合も見える環境だったので、「絶対負けたくない、自分もがんばろう」と思えたのも飽き性な僕がTwitterでの情報発信を続けられた理由の1つだったと思います。

今となってはギルドも期を重ね、5期生まで参加しています。メンター陣もどんどん豪華になっており、ファンドマネージャーやエンジニア、弁護士まで在籍しているので、参加は簡単ではないかもしれませんが、学生にとっては貴重な環境になっていると思います。

これは余談ですが、…じつはClubhouseが流行っている頃に、バフェット・コードさんと太河さんがお話する機会がありました。「平田くん本人は聞きづらいだろうから聞くのですが、なんで太河さんは平田くんを採用したんですか?」と聞いてくださったことがあって。

太河さんも「バフェット・コード」ギルドの学生だということは知ってくれていて、「ギルドのなかでも分析の精度が高く、キャッチアップするのが早い」と話してくださったのは、すごくうれしかったですね。太河さんとバフェット・コードさんに人生を変えてもらったと思っています。

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「中国企業手帳」と「四季報写経」をひたすらに。

そこからEast Venturesで働きはじめるわけですが、スタートアップ向けの『スタタイ』をはじめる前に『中国企業手帳』も運営されていましたよね。あれはどういった経緯で?

中国企業って百度(バイドゥ)、アリババ、テンセントくらいしか知らなかったんですよね。なので、自分が勉強するついでにツイートしていく、みんなが知らないけどおもしろい中国企業のビジネスを紹介していくアカウントがあれば伸びそうだなと考えてやっていました。

2020年12月頃からはじめて、2021年2月頃、けんすうさんがTwitterとLINEのオープンチャットで紹介してくださったりもして、順調に4,000名くらいまでフォロワーを増やすことができました。

中国企業手帳とは...【日本一わかりやすく中国企業を解説】中国企業に詳しくなりたい方向けのアカウント。「BATしか知らなかった昔の自分に捧げる」をコンセプトに、#中国企業手帳 で中国上場企業の事業内容・業績を紹介。ときどき中華スタートアップ事情やマクロ情報も発信する。

その他にも、分析や調査のチカラをつけるためにやられたことなどありますか?

それでいうと『手っ取り早く企業に広く詳しくなる方法』というnoteを書いたのですが、シンプルにいえば「四季報を写経する」ということはずっとやっていました。日本企業からはじめて、中国企業でもやるようにしていて。その結果を、先ほどの「中国企業手帳」と、もうひとつ「企業ライブラリー(旧決算カレンダー)*」というTwitterアカウントにまとめ直して発信していく。これは半年くらい続けたことですね。

※企業ライブラリー(旧決算カレンダー)*は、現在は別の方に譲渡されている。

「四季報写経」は初めて聞きました。若手VCのみなさんは当たり前にやられていることなのでしょうか?

あまりやっている人はいないかもしれません。仕事に直結して役立つわけでもないですし。それでいうと、どんどん起業家や起業を考えている人と会ってネットワークを広げたほうが成果にはつながると思います。

ただ、四季報に書かれているような情報は当然、基本的な知識として知っておかないと話にならないのかなと。それこそ太河さんとお話するときなんかにも、上場企業の名前とか、時価総額とか、バンバン出てきますし。

ただ、危機感から写経をやったわけでもないんですよね。もともとやられている方がいてマネしたのと「この情報があったらみんなあったら喜びそう」「面白いから知ってほしい」みたいなシンプルなモチベーションでまとめ直してツイートするのが楽しかったんです。

そもそも情報にしても何にしても、ひとりで独占するのはあまり好きじゃないのかもしれません。いい情報を見つけたら共有したい。むしろ共有する前提じゃないと、自身の情報収集に身が入らない。知ってもらう過程で、自分も学べるのが好き。あと「良い情報を手に入れたけど中身は内緒」みたいなツイートってムカっとしますし(笑)

今やっている『スタタイ』だと翻訳記事も多いのですが、自分はネイティブでも何でもないので、翻訳は正直大変なんですよ(笑)これが自分一人のためだったら何百記事も読めない。そこにあるのはやっぱり「これは誰かの役に立つぞ」「おもしろいから知ってほしい」というシンプルな思いだけですね。

>>>後編:ガチでスタートアップの役に立つメディアを。平田智基が『スタタイ』に込めた想い


文 = 白石勝也
取材 = 野村愛


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