2013.11.06
企業の文化づくりがCTOに求められる!?―Fringe81 東山友氏のCTO論。

企業の文化づくりがCTOに求められる!?―Fringe81 東山友氏のCTO論。

「CTOとは何か」を問うシリーズ企画。今回、伺ったのはアドテクノロジー業界で成長を続けるFringe81。「事業推進力」と「企業文化の醸成」というキーワードをあげたのはCTO 東山友さん。アドテク分野で、第一線を走るCTO像に迫った。

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アドテク分野で、第一線を走る企業のCTOとは。

「CTOとは?その役割とは?」という問いの答えを見つけるべく、様々な企業のCTOにインタビューを行なっているCAREER HACK。今回登場するのは、アドテク(広告配信システムの開発・運用)業界で成長を続けるFringe81だ。

創業期から技術部門を指揮しているのが、CTOの東山友さん。まずは彼のプロフィールについてお伝えしておこう。

7年ほど、ソフトハウスで様々なシステム開発に従事した後、「インターネットビジネスに携わりたい」という思いからネットエイジ社(現ユナイテッド株式会社)に転職。RSS広告事業など、アドテク分野のイロハを習得し、同社からスピンアウトするかたちで創業したFringe81に参画。技術部門の責任者として活躍し、現在は執行役員とCTOの役職を兼ねている。

アドテクノロジー分野で、第一線を走る企業のCTO像に迫った。

あらゆる手段を行使し、事業を推進できるか。

― 東山さんはCTOに求められるスキル・役割をどう考えていますか?


スキル面で言えば、技術力、マネジメント力、採用力、問題発見力…○○力とつくものはひと通り身につけておく必要がありますね。そういったスキルの土壌がある上で、CTOとして重要な役割は、技術面から事業を推し進めて実現させていくことだと思います。

実現したいシステム・サービスを、実現したい形、スピード、タイミングで提供し、事業として成立させる。例えば、目的を達成するために必要なときに必要なリソースを準備することですね。Fringe81の開発チームはエンジニア・デザイナー合わせて10名程度なのですが、開発がヤマを迎える時期には、予め3か月前から計画を練り外部から一時的にお手伝いいただける体制を準備/構築したりしています。

実現手段として、自分の持っているスキルを行使できるか。あくまでも手段として技術、マネジメントなどのスキルを自分の中に高いレベルで持っておかなくてはいけません。



― 技術面でのスキルの高さ、幅の広さについてはいかがでしょうか?


僕の考えでは、どちらかと言えば、オールラウンダーですね。不得意な分野を持つのは、CTOとしてはツライと思います。


― それはなぜでしょう。


CTOは技術責任者として、大小に関わらず様々な意思決定を行ないます。それも動きが早いアドテク業界であれば、正確さと同時に速さも重要になってくる。そんな状況で、決定を下す知識、経験がなければ的確な判断は出せませんから。

仕組み化、習慣、文化形成。

また、いままさに取り組んでいることは、Fringe81の中に習慣化する文化を作っていくこと。その中の一つが勉強会であったりナレッジ化であったりします。

私が無くしたいのは、エンジニアの感じる“やらされ感”です。勉強会をやるために資料作りにすごく時間をかけて、休日出社するなんて、本末転倒だと思います。「やりたくてやる!」そこが本質にあって勉強会という手段を使う。業務中にこっそりやりたくてやってる方がまだ面白い。そのために、学び・発信し・共有する文化を根付かせています。

ただ、文化というのは一朝一夕で成り立つものではないですよね。技術でも、ビジネスで使えるレベルは3日で習得できるものではないし、次々に新しい技術も生まれます。まず習慣となる仕組みを作る、その習慣が時間をかけて文化になっていくと思います。



― 文化のもととなる仕組みのポイントは?


エンジニアの苦痛になることを避けること。できるだけ業務内で完結するよう、上に立っている人間が仕組みとして取り入れるんです。

いまでは、Qiitaにてブログ形式で技術情報を記述したり、FacebookページでFringeneerを立ち上げ、社内外に発信しています。

ただ外にだすのが目的ではなく、あくまで習慣化するための仕組み・手段の一つ。10人それぞれ勉強したり、インプットするより、お互いがアウトプットとして組織に共有すれば組織全体のレベルが一気に数倍底上げされる。

上に立つものとして備えるべき人間力。

― CTOに向いている人が持つ素質・素養という観点でいうと、どんな要素が思い浮かびますか?


なんだろう…。稚拙な言葉かもしれないですが、人間力…隙のない人格を持っている人でしょうか。CTOだから、という話ではないですが、どんなスキルを持っている人でも、部下から「え?この人が上司?」って見做されたらどうしようもないですよね。

背中で見せる、じゃないですけど人間的な器の大きさって結構重要な気がします。

― 仰るとおりですね。それでは、質問を変えて。アドテク業界のCTOは今後どんなことに挑戦したいと考えているのでしょうか。


広告ってみんな嫌がるじゃないですか(笑)そういう概念を払拭したいという思いはありますね。ユーザーにとって価値の高い広告を、素早く、正確に、安全に表示させる。

ユーザーにも広告の出稿者にも、よりよいシステムをCTOとして今後も追求していきたいです。

(つづく)▼Fringe81 CTO 東山友さんへのインタビュー第2弾
0.00X秒を争う!アドテクでしか感じられないエンジニアの感じる“スリル”とは?

[取材・文] 松尾彰大


編集 = 松尾彰大


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