2014.09.09
テクノロジーでファッション業界にイノベーションを|日本初のファッションハッカソンイベントレポート

テクノロジーでファッション業界にイノベーションを|日本初のファッションハッカソンイベントレポート

ファッションアプリiQONを手掛けるVASILYと『エル(ELLE)』などを発刊するハースト婦人画報社が主催となって行なわれた日本初のファッションハッカソンイベントレポート。「ファッション×○○でイノベーションを起こす」をテーマに全16チームが2日間でプロトタイプを完成させた。

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ファッション×IT=イノベーション

WEB・ITとは異なる業界を巻き込んだハッカソンイベントが次々と開催されている中、「ファッション×ITテクノロジー=イノベーション」をコンセプトにした日本初のハッカソン『THE FASHION HACK in TOKYO』が9月6,7日、ファッションアプリiQONを手掛けるVASILYと『エル(ELLE)』『メンズクラブ』などを発刊するハースト婦人画報社で共催された。

集まったのは全16チーム。限られた開発時間で、WEB、アプリ、ハードウェアなど多岐にわたるプロダクトのプロトタイプ作成までこぎつけた。


ファッションハッカソン


ファッションハッカソン

THE FASHION HACK in TOKYO 受賞チーム・作品紹介

BEST FASHION HACK AWARD(最優秀賞):
MiMic-写真からオススメ!!ゆるやかコスプレを楽しめる!!
チーム『ハッカソンモンスター(ノ´∀`)ノ』

ファッションハッカソン_BEST FASHION HACK AWARD


BEST FASHION HACK AWARDを獲得したのは【ファッション×ゆるやかコスプレ】をコンセプトにしたチーム『ハッカソンモンスター(ノ´∀`)ノ』。コスプレ支援アプリ『MiMic』はスマートフォンのカメラで撮影した写真から色や商品タグを取得。ECサイト内のオススメのファッションアイテムをレコメンドすることで、コスプレ要素を含んだ新しい服選びができる。デモではStarbucksのカップを撮影すると、ブランドカラーであるグリーンの商品やロゴから関連のある商品がレコメンドされた。

審査員の中でも満場一致で選ばれたというMiMic。素晴らしいアイデア・コンセプトを、完成度の高いプロダクトに落とし込んだことが最大の評価点とされた。


DIGITAL INNOVATION AWARD:
HUNT
チーム『dots』

ファッションハッカソン_DIGITAL INNOVATION AWARD


【ファッション×一目惚れ】をコンセプトにしたチーム『dots』がDIGITAL INNOVATION AWARDを受賞。HUNTは街で一目惚れしたファッションアイテムを捕まえる(HUNTする)アプリ。ユーザーは自分のコーディネートをアプリに事前登録する。同じアプリを使っているユーザーが半径40m以内に入ると、アプリ内で近くにいるユーザーのアイテムを表示し、アイテムの購買ができる。

「街中で素敵なファッションを捕まえる」というアイデア、iBeaconなど新しい技術を積極的に採用している点を評価された。


FASHION INNOVATION AWARD:
bonjour~なんでこれが欲しいってわかったの?~
チーム『getPartee(ゲットパーティー)』

ファッションハッカソン_FASHION INNOVATION AWARD


【ファッション×レコメンデーション】をテーマにしたチーム『getPartee(ゲットパーティー)』がFASHION INNOVATION AWARDを受賞。男性がファッションについて本気で向き合うときは異性へのプレゼントを贈る時と考えた同チームは、2択形式の質問(予算、性別、ELLE派か、交際期間など)を答えることでプレゼント用のアイテムとその関連記事をレコメンド表示するbonjourを開発した。

iQONのAPIを活用することで、女性向けのファッションアプリを男性でも使えるようにするアイデア、UI面などのサービス完成度が高く評価された。

「ファッション×IT」にはまだまだ無限の可能性がある

最後に閉会の言葉として、審査員を務めたVASILY CEO金山裕樹氏、ハースト婦人画報社 CEO Yves Bougon氏からイベントの感想が述べられた。


様々なモノがネット化していく中で、これまでファッションだけがITから取り残されている印象が強かった。「衣食住」というようにファッションは人間にとって欠かせないもの。ファションをより便利に、身近にすることで人々の生活がより豊かになっていくきっかけにできたらと思い企画した。まさにその意図通りのイベントとなり、一筋の光が見えた。(金山氏)

実際のところ、「ファッションハッカソン」がどんなものになるかイメージがつかなかったが、いろんなアイデア・プロダクトが出てとても刺激になった。出版・ファッション業界は女性比率が高いが、男性が多いエンジニアのアイデアや視点がとても参考になった。モノを作れるエンジニアはすごい。来年以降もぜひ開催したいし、海外でもやってみたい。(イヴ・ブゴン氏)


Yves Bougon&Yuki Kanayama

左:VASILY CEO金山裕樹氏 右:ハースト婦人画報社 CEO Yves Bougon氏


ハースト婦人画報社が以前から親交のあったVASILYに声がけしたことから共催に至ったという今回のファッションハッカソン。WEB業界のスタートアップと老舗ファッション誌を持つ出版企業が手を組み開催したこと自体、チャレンジングな試みだったのではないだろうか。

イベントはGoogle+のコミュニティ[THE FASHION HACK IN TOKYO―Google+]、Twitterのハッシュタグ#TheFashionHackが活用され、主催者側・参加者同士で密に情報の発信・共有がされた。

「ファッション」というテーマらしく、女性のみで構成されたチームが複数参加していたり、WEB、アプリ、ハードウェアとプロダクトの幅が広いといったオリジナリティが随所で垣間見えた。また、初めてのハッカソン開催ながら、VASILY社のエンジニア・クリエイター、ハースト婦人画報社のスタッフの多くがイベントに協力し、スムーズに進行されこともあって、参加者の満足度が非常に高いイベントだった。


ファッションハッカソン 集合写真


[取材・文] 松尾彰大



編集 = 松尾彰大


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