2014.10.03
地方移住はハッピーなのか?「移住フェス」にて、地方でのリアルライフを確かめる。

地方移住はハッピーなのか?「移住フェス」にて、地方でのリアルライフを確かめる。

移住、Uターン / Iターンを検討する若者と、地方で活動する団体がリアルに交流する「移住フェス」をレポート。総勢100人の参加者と、盛況となったイベントで語られた雑誌や記事に載らないUターン / Iターン、移住のリアルとは?その模様をお伝えします。

良い話ばかりじゃない。リアルな声を聞き、人と繋がる「移住フェス」

都市部から、地方への移住を希望する若者が増えている。その数は、20代の4割近くという内閣府の調査結果もあり、「いつかはあくせくした都会を離れて…」と考える、WEB/IT/ゲーム業界の人も多いだろう。

しかし、移住や田舎暮らしは本当にハッピーなのだろうか。「スローライフ」、「田舎」という言葉のイメージは確かに魅力的。しかし、仕事はあるのか?受け入れられるのか?そもそも幸せなのか?

そんな疑問に答えてくれるイベントが、去る9月28日に開催された。その名は「移住フェス」。首都圏と地方の若者を繋ぎ、「自分らしいライフスタイルを実現する」 ことをサポートするエリアル ※(主宰 東信史さん)が主催。日本各地で活動する6つのNPO法人・地域団体が参加し、移住や地方暮らしのリアルを伝えてくれるというものだ。

当日の全参加者数は約100名。盛況だったイベントの模様をレポートすると共に、ハッピーな移住について考えたい。

※チームワークを発揮し、顕著な実績を残したチームを 毎年表彰するアワードを実施している「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会」。エリアルは、同実行委員会が昨年開催した「社会を変えるチームを創造するフューチャーセッション」から生まれたチーム。


参加したNPO法人・地域団体:

京都移住計画  NPO法人 東北開墾  NPO法人 グリーンバード
四国若者1000人会議  小布施若者会議  広島Shake Hands

日本各地で活動する団体・ゲストとの、リアルなセッション

●オンライン&リアルな交流
日本各地で活動を行う6つのNPO法人・地域団体がそれぞれのブースを持ち、参加者たちは自分の気になる地域の話を聞きに行く形式。対面での話はもちろん、現地にいる移住者とオンラインで繋ぎ会話をするブースも。地方出身、大学進学と共に上京して就職後にUターンした人や、首都圏出身で地方にIターンした人から、それぞれの経験を通した地方での暮らし、地域との繋がりについて語られた。

リアルな体験談は、もちろん良い話ばかりだったわけではない。ある地域で活動する団体では、「若者が今地元に戻っても仕事がない。町にいる自分たちの祖父母世代と交流しながら、活動を通して変えようとしているところ」という悪戦苦闘の様子が語られた。また、一度地元への移住に失敗したというゲストもおり、失敗した理由はなんだったのか、自分のようにならないためにはどうするかなど、移住関連のニュースや記事ではあまり聞けないような話がざっくばらんに交わされていた。

移住フェスの様子


移住フェスの様子


移住フェスの様子

対面やオンラインで参加者と交流する各ブースの様子。


●ワークショップ
約1時間行われたブースでのセッション。その後は、各ブースで聞いた話の中で印象に残ったことや言葉を全参加者に共有する場が設けられた。一つひとつのブースでの話が面白く、全ての地域を回った参加者は少なかったようで、他の地域の発表があるたびに笑いや驚きの声が。「移住が幸せにしてくれるのではない」、「一つの場所に定住することが移住なのではなく、多拠点で活動することもあり」。そんな発表も飛び出し、会場は当日一番の盛り上がりを見せた。


移住フェスの様子


移住フェスの様子

全参加者の前で、当日のブースで良かった話を発表。

それぞれの人が、生きたい場所で生きる

イベントの最後に、閉会の言葉としてエリアル主催の東信史さんからコメントが述べられた。

―自分たちは移住を増やしたいわけではなく、移住や地方での暮らしを『自分らしく生きるための選択肢』として考える会になればと思って「移住フェス」を開催しました。

今日集まった参加者の一人ひとりが、このイベントで地域や団体と繋がり、自分らしく活動することで、次はゲストとして参加してくれる可能性がある、そう思うと鳥肌が立ちます。これからも、雑誌やネットの記事で知った情報を、実際の地域の人を通じて確かめてみる場、各団体の横のつながりの場として「移住フェス」を発展させていきたいと思います。


移住フェスの様子


閉会後もしばらく交流が続き、盛況のまま幕を閉じた「移住フェス」。参加者同士はもちろん、参加者と地域、そして離れた地域・団体同士のつながりが生まれ、新たな展開がどんどん始まっていく。そんな予感を感じさせるイベントだった。

参加者の声

●35歳位までには移住したいと思って、情報集めのために参加しました。その中でも小布施若者会議の取り組みを聞けたことが良かったですね。いきなり定住ではなく、交流から始めているところが面白かったです。(20代男性)

●今日、「移住フェス」に参加したことで、日本の各地域で様々な活動が起こっているのを知ることができました。この繋がりを大事に、今後の移住を検討していきたいと思っています。(30代男性)

●地元にUターンというだけではなく、「それぞれが生きたい場所で生きる=移住」という考え方を聞けたことが良かったです。私自身上京して働きながら、地元活性の活動にも参加していますが、移住する際は地元以外の自分の生きやすい場所を選ぶこともありだと思いました。(20代女性)

編集後記

「移住、I・Uターンは本当にハッピーなのか?」

地方で活動をしている人たちのリアルな声を聞くにつれ、住む場所を変えただけ、憧れだけの移住ではハッピーにはなれない、と改めて考えさせられる一日となった。しかし、本イベントで考えたことはもう一つある。それは、この「移住フェス」のような機会があれば、都市部にいながら地方の人たちと交流でき、それをきっかけに地域活動にも携わることができるということ。結果、リアルな地方のことを知り、「自分の生きたい場所」を見つけることができれば、移住はハッピーなものになるだろう。


「移住フェス」は、これからも各地で開催される予定とのこと。もし移住について検討していたり、地方での活動に興味があれば、足を運んでみてはどうだろうか。人生の選択肢を考える、良いきっかけに繋がるはずだ。


[取材・文]手塚伸弥


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