2015.02.04
スタートアップ6社が期待する若手エンジニアの姿って?@Developers career event

スタートアップ6社が期待する若手エンジニアの姿って?@Developers career event

「エンジニアによるエンジニアのためのキャリアを考える」をイベントコンセプトに、注目のスタートアップ企業6社のCTOが一堂に会して開催された『Developers career event』のイベントレポートをお伝えします。

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スタートアップCTOが考えるエンジニアのキャリア

・現在CTOを務める彼らはどのようなキャリアを歩んで、いまのポジションに立っているのか?
・変化の激しいIT業界の中でエンジニアとして生き残っていくために必要なことは何なのか?

そんな多くの若手エンジニアが知りたい、参考にしたいキャリアパスを、先輩エンジニアが伝えることを目的とした『Developers career event』。様々なキャリアを積んできた各社の開発責任者たちが考える、エンジニアとしてのキャリア、 必要とされるエンジニア像とは?


モデレーター
株式会社クラウドワークス 執行役員 CTO 大場光一郎氏

登壇者
株式会社nanapi 取締役CTO 和田 修一氏
株式会社ヒトメディア DeputyCTO 井村 元宗氏
BASE株式会社 取締役CTO 藤川 真一氏
カタリズム株式会社 取締役執行役員CTO 江部 隼矢氏
スターフェスティバル株式会社 CTO 加藤 彰宏氏
トークノート株式会社 開発責任者 藤井 拓也氏

いま新卒のタイミングで会社を選べるとしたら?

Developers carrer event


大場:
いまフラットに、何もしがらみがないという状態で、改めて新しいキャリアを踏み出すとしたら、みなさんどんな選択をされますか?例えば自分が新卒だったらとか、転職する場合ですね。

江部:
そうですね。僕はSIerからキャリアをスタートさせたんですが、まずはSIerに行く気がしますね。

なぜかと言うと、SIerで学んだことは、それなりに大きかったんですね。かっちりとした開発の工程管理だとか、プロジェクトのプロセスが一番よく見えた時期だったんじゃないかと。そういうSIで学んだベースを崩して、いまのウェブ開発やスタートアップでの事業開発のプロセスができるようになったと思います。

そういう進め方を学べたのが、SIerでの経験があったからじゃないかなと思うと、また新しいキャリアをゼロからスタートすると考えるとSIerというのを1回経験するのは、悪くないんじゃないかなと思ってます。

加藤:
僕も新卒でSIerに入社して、プログラミングなどの基礎ができたのはよかったと思っています。

ただ僕らの時代と違って、今では当たり前のように学生が大学でプログラミングを学べるような時代になっていますよね。だから、1社目からスタートアップでいいかなと思っています。

僕はスターフェスティバルに入社する前は楽天にいたのですが、楽天のような大きな会社とスタートアップを比較してもスタートアップの方がいいんじゃないかと思うんですね。

最近は大きなサービスもマイクロサービス化されてきたので、作成するアプリが小さくなってきて、そのうちの一つを自分で1から10まで構築することはできるんです。ただ、それでも大きな会社の場合、すごく大きな事業・サービスの中の歯車の一つのアプリケーションでしかないんですね。

そういう意味では、1から10まで、自分のサービスというのを、全体的に見れるという経験が、すごく面白みに感じるところであれば、やっぱり、スタートアップが1社目としても、すごくいいのかなと考えてます。

大場:
ありがとうございます。それでは、もともと小説家志望だった藤井さんはどうでしょうか?

藤井:
小説もいいんですけど(笑)。もう一度キャリアを歩み始めるとしても、やっぱりスタートアップですかね。

僕のスタートアップやっているモチベーションって、自分自身がまず物語に生きて、その体験を物語として書こうみたいなな思いが実はあって。まだ小説家になる夢は諦めてはいないんですよ。

人間のかたちを決めるのって、出会った人と、通り過ぎてきた景色だと思うんです。スタートアップって、本当に景色の移り変わりが激しいんですよね。「精神と時の部屋」みたいに。

一同:(笑)

藤井:
いいことも、悪いことも、すごくいろんなことが起こって、何かジェットコースターに乗っている気持ちになるんです。そういう経験を若いうちからして、いろんな景色に囲まれて。で、そのうえで、自分の中で、熟成して…。

大場:
成功して、自伝を出すみたいな?

藤井:
成功して自伝を出してもいいし、失敗したら失敗談を(笑)。

大場:
(笑)。ありがとうございます。和田さんはどうでしょうか?

和田:
もう1回キャリア選択できるなら、僕は昔、プロのギタリストを志していた時期があったので「プロギタリスト」を目指したいというのは、正直なところです。ただ、それは一旦おいといて。同業界で働くとしたら、私もスタートアップですね。

とくに、nanapiみたいなスタートアップがいいかな、と思うんですけれども。

というのも、CTOとして多くの方と面接でお会いして「働くために必要な最小限のスキル」と「エンジニアリングスキル」は歳を重ねても身につけられるなと感じたんです。当然、速度は落ちるんですが。

一方で、歳を重ねると絶対に身につかないスキルが「働き方」なんですよね。20代半ばくらいまでに染み付いた働き方って、なかなか変えにくいんですよ。

特に変えにくい働き方の例としては、新卒で大企業に入社して10年くらい経つと、誰かが設計した仕事をやるのが当たり前になってしまうんです。しかも無意識のうちに。

自分で仕事をつくり出したり、自ら課題を解決していくような筋力を鍛えられるのは、若いうちだけなんですよ。

そういった筋力をつけるのに最適なのが、根本的な課題が山のようにあるスタートアップだと思うんです。整備されたものや改善しなくてもいいものが少ない環境の中で「仕事できません」というのはスタートアップでは通用しません。大企業ほどのお膳立てはできないので「自分で考えて仕事できるように全部やって!」と言われるのが関の山。

それぐらい全部やれる環境で若いうちに多くの経験をしたほうが、後々どうにでもなれるんですよ。なので、スタートアップに身をおいたほうがいいと思いますね。

スタートアップと言っても、新卒採用してる会社は少ないと思います。ただ、nanapiも新卒採用はやっていないのですが、中途採用の求人に対して新卒でチャレンジしてくれる学生がいて、採用に至った実績があります。自ら行動し機会をつくったという姿勢を評価しました。

なので、学生の方でスタートアップに興味のある方は、募集していないからといってあきらめずに気になる会社にはコンタクトしてみるのがすごく大事かなと思っています。それぐらいアグレッシブに自分から食い込んでいく姿勢が大事なんじゃないかなと。

大場:
和田さん、すごいかっこいいこと熱く言ってもらいましたけど。楽屋裏では、サイバーエージェントに入って、キラキラ女子と…っていってましたよね?

和田:
言ってましたね。正直言いました。

一同:(笑)

大場:
えふしんさんはどうですか。

藤川:
僕はある程度、トラフィックのあるサービスを持ってるところに行ったほうが若いエンジニアにとってはいいかなと思います。トラフィックは技術者だけじゃ作れないので、毎日どたばたしてるところで、運用に責任を持つ経験を積んだほうが、いいんじゃないかなと思います。

各CTOが求めるエンジニア像とは?

大場:
それでは最後に、こんな人に来てほしい。こんな人と働きたいということを各社伺えますか?

藤川:
僕らがいま求める人材は、攻めることも守ることもできる人ですね。攻めるというのは、新しいものどんどんどんどん作っていきたい、ということ。守るというのは、現存するシステムを、1から10に成長していく中で、守っていきたいと思えることですね。地道な作業もこと好きでできちゃうというか。そういう二つの人材を求めていて、とくにエンジニアさんであれば、すごく大歓迎です。

ただ、守りの面で、「言われたことしかやれません」、だとなかなか難しい。攻めにも守りにもできる人が、一番理想だと思ってます。


Developers carrer event


井村:
求める人材としては、フルスタックもいとわないと言うか、「できます、できます」という姿勢を持っている人。加えて、自分が足りないことを、他人から指摘されたときに、素直に受け入れられる。そういうスタンスを併せ持つ人を求めてます。教育で世界をよくしていきたいので、エンジニアの方、よろしくお願いします。

和田:
nanapiが求めてるのは、変化できる人材ですね。やっぱり、3年後にもなるとこの業界はさらに変わってるはずなんです。だから、「これしかやりたくない」なんて言っちゃうエンジニアって、単純に生きていけないと思います。時代の変化がどうなっていっても、「僕は戦いますよ」って言えるエンジニアの方と、ぜひ一緒に働きたいと思っております。


藤井:
まあ、自分より優秀な人ですね。ぶっちゃけ。だから、何かしらこの人すごいな、俺よりすごいなと思える人でないと、自分としても、尊敬心を持てないので。やっぱり、そこは絶対に譲れないかなと。必ず自分と同格か、同等以上の人だと思った人を、ぜひ、来ていただきたいなと思いますね。

大場:
同格って、どの部分の格が、人間として?霊的なレベル?

藤井:
例えば、「こいつ俺より若いな」それでもいいかもしれない。

一同:(笑)

藤井:
僕は結構若いんで、僕より若かったら認めますね。

加藤:
スターフェスティバルで求める人材像としては、自分から動いて仕事を作るような人ですね。ITの流れは、すごく早いんですけど、そういう情報というのをしっかりキャッチアップできる人。あと、お弁当売ってる会社なので、グルメな人がよりよいですね。

江部:
カタリズムの場合は、何事に対してもポジティブに取り組める人ですね。スタートアップにはいろんな困難があるんですが、その困難を楽しめる、壁にぶち当ったときに、前向きにことに当れる人がいいかなと思います。

あとは、バランスのいい人材ですね。カタリズムはいまレジャーの予約サービスをやっていますが、チケット販売だったり、インバウンドだったり、いろいろな事業展開が考えられるので、ビジネスの観点でも興味を持って真剣にことに当れるか。

また、事業が、規模が拡大していくにつれて、システム規模も大きくなっていくので、インフラ周り等、技術に特化した人材は、今のフェーズに入ってから、だんだんと求められていくようになってきました。

大場:
ありがとうございます。これだけ、スタートアップの技術責任者が集まって色んなお話を頂いたんですが、本当にいろいろな道があることが伝わったんじゃないかと思います。自分の参考になるところが、少しでもあればよかったなと思います。本日はどうもありがとうございました。

資料提供:Developers career event運営事務局

文 = 白石勝也
編集 = CAREER HACK


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