2017.04.18
ピクシブ最大級のチームビルディング|重松裕三が語るディレクションのコツ

ピクシブ最大級のチームビルディング|重松裕三が語るディレクションのコツ

ピクシブ(pixiv)のディレクター 重松裕三 氏。大規模チームのチームビルディングについて語った。正社員やアルバイトなどさまざまな雇用形態、さまざまな職種のメンバーが混在するチームをどのように束ねているのか?

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大規模なチームビルディング|ピクシブ 重松裕三

※2017年3月に開催された「DIRECTORs' SCRAMBLE vol.1」よりレポート記事をお届けします。


重松氏は、担当している『BOOTHpixivFACTORY』チームのビルディングについて語った。同チームはアルバイトを含め20名ほど。これは、社内でも最大級の規模だと言う。EC領域ゆえに1日の問い合わせ件数も多く、エンジニアとスピーディーな連携が求められるため、カスタマーサポートもチーム内に3名ほど在籍している。重松氏はチームをいったいどのように束ねているのだろうか。

チームビルディングにおいて、大切にしていることが3つあるという。


「スクラムを基本とした開発。メンバーと毎日ちゃんとコミュニケーションを取る。定期的に1on1する。この3点を心がけています。特にスクラムを実施するにあたって、大人数になると言いたいことも言いづらくなりますし、スクラム開発では3~9名くらいの規模が適切とされています。そのため、担当しているチームをWeb・アプリ・運営・CSの4つにわけて、チームごとにデイリースクラム(朝会)を実施しています」


チーム全体が大きくなっても、担当分野ごとにチームをわけてデイリースクラムを行なえば、一人ひとりの声も吸い上げられるし、管理もしやすい。自立的なチームをつくる上で、頻繁なコミュニケーションは重要と言えるだろう。

続けてプロジェクトで使用しているツールについても重松氏は語った。


カンバン


「ツールに関しては、カンバンとTrello、あとバーンダウンチャートを使っています。まず、カンバンには、各メンバーが担当している案件の進捗状況などをざっくり書いて、進行中の案件を可視化。さらに細かく案件をタスク化しTrelloに登録、ポイントで見積もって、ベロシティを測っています。

そしてバーンダウンチャートですが、夕会後に自動的に日々のチャートがSlackに投稿されるようになっています」


次に、各チームでどのようにチームビルディングをしているのか。アプリチームの例を挙げて重松氏は続ける。


「まずアプリチームなんですが、現在『BOOTH』というアプリのリリースに向けて絶賛開発中です。リソースは少なくて、「iOS→1:Android→1:API→1:デザイン→0.5」みたいな感じですね。リリース前なのでKPIは特に持っていません。1日のスケジュールで言うと、朝会でその日のタスクを共有し合って、夕会でTrelloを見ながらその日にやったことを確認しています。最後にスプリントごとに振り返りをして、上手くいったことや改善点を整理しています」


こうしたテクニカルな面に加え、メンタリングも重松氏は意識しているという。例えば、ピクシブ全体でマネージャーと社員が週に1回面談する機会を設け、社員から吸い上げた内容を社長同席のもとマネージャー間で共有。社員の悩みを聞くと共に、仕事のフィードバックをする狙いもあるそうだ。

こうした場を設けることで、社員の悩みも迅速にキャッチアップすることができる。メンタリングの場はこれだけではない。マネージャーとの面談に加え、重松氏自らがプロダクト内で1on1を行い、どんなに忙しくても週に1回は必ずメンバーと話す機会を設けているそうだ。


「1on1の素晴らしい点は、メンバーが悩むことで発生する無駄をなくせるところ。相談しないで仕事を進めると、どうしても無限に悩んでしまいがちなので。あとは、タスクって放置しておくと無限に積みあがっていくので、なかなかその優先順位を一人だと判断して決められないと思うんです。ただ単に報告や相談の場になってしまいがちなので、意義のある場にするようには心がけています」


最後にチーム内におけるコミュニケーションの重要性をあらためて強調した。毎日の朝会夕会や1on1を習慣化し、KPI指標をしっかりと共有する。チームが大きくなればなるほど、こうした日々のコミュニケーションがより重要になっていくのだろう。

▼「DIRECTORs' SCRAMBLE vol.1」で、その他の登壇者が語った内容はコチラ
・LINE プラットフォーム事業はこうして生まれる!伊井壮太郎が語る開発ディレクターが持つべき想像力
・新卒だからと甘えていられない。クックパッド 松岡大輔が一人前のディレクターになるためにやったこと


※使用されたスライドはこちら↓


文 = 田尻亨太
編集 = 大塚康平


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