2018.07.12
インスタ攻略。広告費ゼロで13万フォロワー獲得までの施策|古着女子

インスタ攻略。広告費ゼロで13万フォロワー獲得までの施策|古着女子

『古着女子』のInstagram(インスタ)アカウントは、たった8ヶ月で約13万フォロワーを獲得。一体どうやってフォロワーを増やした? ポイントは「ブランドづくり」と「ストーリー」の活用にあった。

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[目次]
・コンテンツの質と量を担保する
  リポストでコンテンツ量を増やす
  投稿の世界観を揃え、ブランドの人格を形成する
・「このアカウントわかってる!」感がブランドになる
  公式アンバサダーを認定した
  「フルジョ」タグでの投稿推進
・「ストーリー」の活用   週間ランキング・今週のおすすめを投稿
  ストーリーのアンケート機能を活用する
  ライブ配信番組「フルジョTV」出演モデルを公募


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コンテンツの質と量を担保する

お話を伺ったのは、『古着女子』を運営する株式会社yutori代表の片石貴展さん。特にインスタの活用においてブランドのファンを増やしてきた。いかにブランドとして信頼を築いてきたのか。2017年12月に『古着女子』のインスタアカウントは開設された。当時の施策から振り返っていただこう。


リポストでコンテンツ量を増やす

『古着女子』は投稿する写真の多くをリポスト(※)によってまかなっている。古着を組み合わせたコーディネートを投稿しているユーザーに対し、リポストの許諾を得ていくことがメイン手法。投稿数が増えるにつれ、フォロワー数も増加。次第にアカウントへの信頼感が高くなり、リポストの許諾がとりやすくなる。すると、さらに投稿数が増えやすくなっていく。

※「リポスト」とは他のユーザーが投稿した写真を借りて自分たちのコンテンツとして再投稿することだ。(『古着女子』では全リポストにて許諾を得ている)


投稿の世界観を揃え、ブランドの人格を形成する

ただ、やみくもに投稿数を増やしただけでは『古着女子』アカウントほどの急成長はなかったはず。こだわったのは世界観。ターゲットユーザーの期待にあわせてブランドをつくっていく。

実践したのは、投稿する写真の世界観を揃え、アカウント全体に統一感を持たせること。具体的に意識していたことは、以下の4点だ。

・スウェットやパーカーなどのボーイッシュな雰囲気に特化する
・顔出しは一切行わない
・生足などの肌の露出が多いものは避ける。
・上半身のみが写っているもの(開始当初に限る)


古着女子さん(@furuzyo)がシェアした投稿 -


自分の身体的なスタイルに自信がない人でも、自分事に捉えられる没入感を演出するため。また、「古着が好きなユーザーだけを集めたかった」という。片石さんはこう補足する。

「かわいい人が顔出しすると、ある程度はフォロワーが増えると思います。でもフォローした人は、顔が好きだからフォローをしているだけで、本来提供したい価値とは異なります。ゆくゆくは離脱してしまう可能性も高い。本来のターゲットにとって居心地の悪いコミュニティにもなりかねません」

投稿の世界観を統一することを意識した運用を重ねた結果、アカウント開設初日から約500人ものフォロワーが増えたといおう。それ以降、1日に1000人フォロワーが増える日があるなど、「古着好きな人」に確実に刺さる世界観を構築していった。

「このアカウントわかってる!」感がブランドになる

アカウント開設から日が経ち、順調に投稿数とフォロワー数が増え、土台が整ってきた。

ここからは「公式アンバサダー」と「ハッシュタグ」の運用を開始。「このアカウントわかってる!」と、ユーザーに憧れられる場所に育てることを狙った。


公式アンバサダーを認定

古着女子公式アンバサダーの条件はこうだ。

・フォロワー数が多いインフルエンサーである
・古着好きな人から支持されているユーザーである
・プロフィールへ「古着女子アンバサダー」と記載してもらう

アンバサダー認定は「古着女子といえばこの人!」というイメージの具現化をしてくれる。

「古着女子に認められているあの人」
「憧れのあの人がアンバサダーをしている古着女子」

といったように、相互に効果が見込める。


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結果として、アンバサダーになったユーザーはストーリーで任命されたことを報告。波及効果として、『古着女子』アカウントへの流入数も過去最高レベルに。

気になるポイントとして、「古着好きな女子が憧れる存在」をどう見出しているか。片石さんに伺った。そこにあるのは、自身の目利き、編集力、センスといってもいいものだ。

「僕自身、めちゃくちゃ古着が好きなんです。だからどんなものが求められているのか自分もいちユーザーとしてわかるつもりです。フォロワー数はもちろん参考にしますが、独自の感覚で古着好きなインフルエンサーを判断していきました」


「フルジョ」タグでの投稿推進

また2018年3月には「#フルジョ」タグを本格的に運用しはじめた。ハッシュタグ活用の狙いは、ユーザー参加型のコミュニティにしていくこと。そして、もっと幅広い層に『古着女子』を認知してもらうことだ。

具体的には、

・公式アカウントのプロフィールや投稿において「#フルジョ」タグを付けた投稿を呼びかける
・リポストの投稿文に「#フルジョ タグからの紹介!」と記載
・ストーリーでもリポストした旨を告知する

単に「ハッシュタグつけてください」というだけでは、なかなか投稿は増えない。ポイントは「ハッシュタグをつけると拾ってもらえる」とユーザーに意識付けしたこと。

大きいのは、「古着女子アカウントにリポストされることがステータス」になる状態。『古着女子』にリポストされるためのエントリー手段として、ハッシュタグ付きの投稿が拡大した。

2018年7月現在、「#フルジョ」を付けた投稿は約3万4千にものぼる。


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「ストーリー」の活用

もうひとつ、アカウントが大きく拡大していった背景にあるのが、インスタのストーリー投稿。2018年3月から注力している。


週間ランキング・今週のおすすめを投稿

ストーリーで行っているのは、その週に人気だったユーザーのランキング発表。獲得いいね数が多い順にピックアップして伝えている。また、編集部が注目するアカウントのピックアップも人気のコーナーだ。


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▼リポストされる
▼いいね!数が伸びる
▼a,ストーリーでランキング表彰される
 b,ハッシュタグ「#フルジョ」をつけて投稿された中からピックアップされる

上記のように、「誰かに自慢したくなる」ための一連の流れができているわけだ。また運営側としてもインフルエンサーとより深い関係構築に期待ができる。

この施策がハマり、『古着女子』アカウントへの流入数も増加。要因として、ランキングに掲載されたユーザーたちは主体的に自らのストーリーでも拡散してくれた。「人気ユーザーたちと並ぶことができて嬉しい」と喜びの声もある。

「ランキング上位のコーディネートは多くの人にとって参考にしやすいようです。『古着女子』が行なうアンケートでは「参考になった」という意見がほかのコンテンツと比べて多いのも特徴です」


ストーリーにおけるアンケート機能の活用

もうひとつ、オリジナルコンテンツのストーリー投稿のおいて必ずやっていることが、アンケートだ。


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各投稿に対する反応をウォッチするのはもちろん。アンケートそのものが、気軽なコミュニケーションツールとして機能する。ユーザーとメディアの距離をより近いものになる。

「現在、多い時には1万人ほどがアンケートに答えてくれるようになりました。回答の内容はとても有意義です。例えば、最近リリースした古着女子EC事業の方向性は アンケートで寄せられた声を参考に意思決定しているんです」

yutoriが運営するもうひとつのEC「イチゴイチエ」のロゴも、ユーザーからの投票で決まった。ユーザーとの距離を縮め、参加意識をつくっていく。ここもポイントになっているようだ。


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ライブ配信番組「フルジョTV」出演モデルを公募

最後に伺えたのが「ライブ」をどう活用するか?ということ。

彼らは、ユーザーのお悩みを解決する生配信番組「#フルジョTV」を2018年2月にスタート。出演モデルをフォロワーの中から公募し、総勢約100名から応募があった。

その中から1人の女子高生「おもちちゃん」が選ばれ、『古着女子』初の専属モデルが誕生した。彼女は番組出演をきっかけに大阪の古着屋さんで働くことになったというサイドストーリーも。

「ユーザーの中からスターを発掘したいと考えていました。今後は『古着女子』でプロダクション事業をはじめることも視野に入れています。その仮説検証として行ないました」


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おもちちゃんが注目された効果もあり、いまでは毎回1.5万人超が見る人気番組へ。インスタをベースに新しい実験を行なう『古着女子』。今後の展開に注目したい。

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文 = 大塚康平


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