2018.12.27
ジェットコースターみたいな人生を。DMM 片桐孝憲のあくなき探究心

ジェットコースターみたいな人生を。DMM 片桐孝憲のあくなき探究心

釣り、自炊、サウナ…何事にもとことんハマるDMM.com 片桐孝憲さん。それって遊び?とナメてはいけない。片桐さんはいつだって本気だ。「とことんやらなきゃおもしろくならない」人生を楽しみ尽くす、 片桐孝憲のあくなき探究心を追った。

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片桐孝憲の人生を楽しみ尽くすための探究心
・ジェットコースターみたいな人生を
・積み上げ型の探求
・男子力の高さ=かっこよさ
・ブレない自分基準
・やるなら病的なまでに
・おっさんは若者に学べ
・ブランドになる事業を

家にこもらず、強烈な「体験」を追い求める

「ゲームもやらないし、Netflixもほぼ見ない」
「だってつまらないでしょ、家にいても」

こう語ってくれたのが、DMM.com社長の片桐孝憲さん。

テクノロジー企業の社長なのにそれでいい?

だったら、何にハマっている?

聞けば、釣り、料理、蕎麦屋めぐり、サウナ…と、アナログなものばかり。

片桐さんが大切にしているのは「体で感じてみる」「強烈な思い出をつくる」「楽しみ尽くす」という、日常からの冒険だったー。

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2016年9月にガイアナ共和国にて。釣りにハマりすぎてアマゾンの奥地まで足を運び、ピライーバという大ナマズを釣り上げた片桐さん。現地に赴くまでの長距離での移動、旅の道中も醍醐味だという。

ジェットコースターみたいな人生を

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まず習慣の話するとき、いつも言うのが、僕はランチを食べないんですよ。食べると眠くなっちゃうし、そもそもお店も混んでるし、時間がもったいないから。

だったら、ランチの時間をカットして、早く帰った方がいい。だらだら会社に居てもしょうがない。世の中の流れ的にもそうなってきているし。

で、土日も含めて自分の時間をつくり、有効に活用する。

ただ、何でもいいから、移動を伴うようなこと、記憶に残るようなこと、外に出て行くようなことをやった方がいいですよね。めっちゃ寒いとか、めっちゃ暑いとか、強烈な体験の方が思い出せる。そのテーマ設定が重要だと思っています。

会社が休みの日って「Netflixを見て、Uber eatsを食べてたら、普通に一日終わってました」みたいな人、めちゃくちゃ多い。いや、楽しいけど、その瞬間だけだよなって思ってしまう。あとで後悔すると思うんですよ。

そもそもジェットコースターみたいな人生を送りたいと思って起業したから。大成功でも、大失敗でもいい。裏切られたりとかもね、あるんですよ。思い通りにいかない。その瞬間は嫌だけどね。あとからすると「でもまあ良い思い出になったか」みたいに思えるような経験を増やしたいんでしょうね。

積み上げ型の探求

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ただ、何でもかんでもやればいいかっていうと少し違っていて。基準としてあるのが「積み上がっていくもの」であるか。

最近だと、毎日自炊しているんですよ。ずっと「ひとり暮らしで自炊してるヤツ」はバカだと思ってたんですよ。時間がもったいないだろって。だけど『一汁一菜でよいという提案』という土井善晴さんの本を読んで、感動しすぎてさ、変わりました(笑)バカは自炊してる人ではなく、自分でした。

味噌汁は「味噌を溶かして、あとは具をぶち込め!」みたいな。家庭料理なんだから別に美味しくなくてもいいし、何をやってもいいんだ、と。めちゃくちゃ良い本です。

なんかね、予約の難しい店に行くとか、美味いだの、まずいだの、ただそんな話しているのってダサいと思うようになってきて。食べログ4以上の店しか行きませんとか、コース料理ばっかりバクバク食ってるぜとか、なんか俺は違うな、と。

男子力の高さ=かっこよさ

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価値観が変わってきたということだと思うんですけど、どれだけたくさんのお金を持っているとか、地位があるとか、関係ないんですよね。体ひとつで、無人島とかで生き残れる人間のほうがかっこいい。

たとえば、野外で「あっ、箸を忘れた」という場面。いきなり近くの木をナタで切り始めたおじさんを見たとき、かっこよすぎると感じました。もう生物としてかっこいい。釣りや狩猟に行った時に男子力が高い方達に会うと「うわ、かっこいい!」と思うんですよね。

だから最近だと、普段の家の自炊からキャンプ用品で味噌汁をつくり、ご飯を炊くようにしています(笑)そろそろコンロもキャンプ用のバーナーでやろうかな。普段からキャンプ道具を使っていれば、本番で失敗しないし(笑)。

ブレない自分基準

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20代を過ぎて大人になっていく。それは自分なりのブレない価値観を持っていくことだと。だから、ただ何も理由なく「一番高いやつ買えばいいか」とか、会食場所を選ぶにしても「食べログ4以上だったらオッケー」みたいなことじゃない。

新宿にある、ものすごくクセのある韓国料理屋さんとか中華料理屋さんとかね、最高ですから。飲み物の持ち込み自由だったりしますからね、めちゃくちゃですよ(笑)。

余談だけど、埼玉県の川口市に『ひろいサウナ』っていうサウナがあって。たまたま時間があったから六本木から何人かで歩いて埼玉まで行ったんですよね。人によってはすごくムダに見える時間かもしれないけど、僕にとっては疲れてから入るサウナにはすごく価値がある。

…ただ、むっちゃ時間かかりましたよ。5時間くらいかな。

で、サウナに入ったら、全員と言っていいぐらい紋紋が入っている人たちだった。でも、みんないい人たちでよかったです。ひろいサウナ、最高なのですぐに行ってください。こんな記事なんて読んでないですぐに。

やるなら病的なまでに

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何をやるにしても、月1回とかぬるいことをやっていたら絶対に足りない。毎日詰め込みまくる。その方が成長スピードが絶対早い。やりまくれるかどうかで、成せるかどうかが決まる。

たとえば、学習というほどじゃなくても、とことんやりまくるプロセス、そのものが楽しいはずで。さっきの自炊、じつは玄米を炊くのに2回連続で失敗したことがあって、ご飯が炊けるまでに2時間くらいかかっています。水加減や温度、蒸らし時間など、かなり難しい。

ただ、失敗した時も写真に撮っておいて話のネタになったらいい。「焦げたー!」って言って、もう1回やったら「また焦げたー!」って。いつか誰かに話してやろう、みたいな。実際、友達に実況しながらやるんですけどね。相手としてはかなりウザいと思うんだけど(笑)

おっさんは若者に学べ

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やっぱりイケてる人って何にしても、言語化とか体系化されてような分野での解像度がすごく高いですよね。そういう意味でも、若手と話すほうが勉強になる。

この前、yutori社の片石貴展くんと話してたんだけど、彼の分野を持っていて「すげえなあ。勉強になるなぁ」って。「やっぱりこういうやつが成功していくんだな」っていう気持ちになりましたよね。ついて行こう、と。

ただ、彼らからすると、僕みたいなおっさんの話なんて、絶対に聞きたくないでしょ、普通に。だから、普段から自然に接点を持てるようにはしたいんですよね。できるだけこっちからアクセスをしたり、表敬訪問するようにしています。

あと、ちゃんと身銭をきってやってみる、知るってすごく重要だと思っていて。当事者になると差異がよく見えるし、自分たちに足りないものが分かる。いいものと、よくないものの差異も自然とわかる。じゃあその課題を解決するためにどうしたらいいのか?問いの精度が上がっていく。解像度が高めていける気がします。

昭和に「雀聖」と呼ばれた「阿佐田哲也」という雀士は、「金を張らずに見てるだけじゃ場の空気を読めない」と言っていて。「ちょっとずつでも賭けていかないと、次にこれ来るという大きい波が見えない」と。僕らはギャンブルではなく、事業ですが、事業の兆しを読む必要がある。小さくても何か近い分野でやっていく。そこに張っておく。当事者になる。まずやってみる。ここは間違いなく大事ですよ。

ブランドになる事業を

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インターネットで重要なのは、やっぱりブランドを作るってことだと思うんです。同じような事業が乱立したとしても、ブランドになる事業が強い。もしくは勝った事業がブランドになっていく。

僕はブランドになるような事業の作り方、運営の仕方はあると思ってて。そういう風にできた会社が生き延びていくはず。

ただ、「じゃあどうすればブランドになる事業が作れるか?」「どうやってイケてるかどうか見極められるか?」ここはホントに人それぞれすぎる。テクニック論は人それぞれ。ブランドになる事業をやる必要性は共通する。だから答えはなくて。そういう意味でも、自分なりの「価値観」や「軸」は必要なんでしょうね。

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文 = 白石勝也
編集 = 大塚康平


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