2020.02.05
「くだらないこと」こそ、本気でやる。忘年会を盛り上げるために南アフリカまで飛んだPMの話

「くだらないこと」こそ、本気でやる。忘年会を盛り上げるために南アフリカまで飛んだPMの話

freeeには、忘年会を盛り上げるため、「おもしろ動画」に命がけで取り組む人物がいる。プロダクトマネージャーをつとめる岡田悠さんだ。昨年末は、撮影のためにわざわざ南アフリカへ。お金や時間、労力を決していとわない!? PMとしての資質がそこに!

0 0 3 4

全2本立てでお届けします!
[1]闇雲にバックログを追いかけてもダメ。タスク消化に追われ、成果が出せなかったPM1年目
[2]「くだらないこと」こそ、本気でやる。忘年会を盛り上げるために南アフリカまで飛んだPMの話

忘年会のために、絶滅危惧種を撮影しに南アフリカへ

「関わっている人たちがワクワクさせる」ことは、PMにとって大事な役目だと思っていて。あえてくだらないことにも率先して取り組むようにしています。

たとえば、全社員が集まる忘年会で、毎年のお楽しみコンテンツとして動画を作成しているのもその一つ。freeeは「ツバメ」がロゴのモチーフになっていて、会社の会議室の名前に様々なツバメの名前がついるんですけど、ひとつだけどれだけググっても全然詳細が出てここない鳥がいるんです。「クロハリオツバメ」というんですけど、めっちゃ調べたら論文がヒットして。絶滅危惧種で世界に800羽しかおらず、2年後に絶滅するって言われていたんです。

南アフリカの山に3匹だけ生息しているらしく、これを撮影して、忘年会の動画で流したら、盛り上がるんじゃないかと思ったんですよね。急遽1週間休みをとって、会社の仲間と一緒に、はるばる南アフリカまでいってきました。

+++実際に流した動画の一部

アフリカにいるのに他の動物とか一切目もくれず、双眼鏡を片手にただひたすら鳥を探して...そしたら奇跡的にみつけられたんです(笑)。日本に帰国して専門家に見せたら、「これは間違いなくクロハリオツバメだ」と。「日本で初めて撮影できた人物だ」って、めっちゃ驚愕してました(笑)忘年会でも、かなり盛り上がったのでよかったです。

お金も時間もかかるし、売上にもつながらない。無駄なことだといってしまえば、それで終わってしまうことでもある。でも、ただ効率的に仕事をこなすことって楽しくないし、つまらない。みんなが楽しく仕事をできたほうが、プロダクトに対しても常に前向きにいられるじゃないですか。

まあ、なにより僕自身がくだらないこと大好きで、勝手にいろいろやってるだけなんですけどね(笑)

+++忘年会で、動画を流したときの様子

新規事業は、小さな成果を積極的に拾いにいく

メンバーのモチベーションを上げたり、士気を高めていくのもPMの役目のひとつ。とくに新規事業のときは、成功事をどんどん集めて、共有するようにしていました。

特に新規プロダクトは、いきなり成果が出たら一番いいのですが、ほぼ出ませんよね。一個の大きなKPIを追いかけてしまうと、焦りや不安が膨らむだけ。

お客さんにこういう声をもらったとか、今まで売れなかった人がこういうやり方をしたら売れるようになったとか。売上はもちろん大事だけど、むしろ日々やっている試行錯誤の中からポツポツと出てきた小さな成功事例をちゃんと拾い上げて、みんなの士気をあげていくことのほうが大切です。

+++

【プロフィール】岡田 悠(おかだ・ゆう)
大学卒業後、投資銀行に就職。M&Aアドバイザリーに携わり、10ヶ月で辞める。その後1年ほど家業(イノシシ肉販売)を手伝う。freeeを知り、2014年6月に入社。入社後はマーケティング/サポート/バックオフィスなどを兼務。その後事業戦略を経てプロダクトマネージャーに。主に新プロダクトの立ち上げを担当。

どんなに忙しくても、くだらないことを全力でやる

メンバーよりも、誰よりも自分自身がプロダクトに対してワクワクできている状態が大事だと思っています。

1年くらい前から、副業で「オモコロ」とか「cakes」とかで記事を書かせていてもらっていて。近所の寿司屋のクーポンを3年記録し続けたりとか、『きかんしゃトーマス』全490話を2回みて事故の回数を調べたりとか。仕事に直接活きることはひとつもないけど、自分にとってはめちゃくちゃ大事な時間で。どんなに忙しくても、なんとしてでも時間を確保しているんです。

「freee」でいえば、業務効率化のためのツールだけど、ただ無駄な時間を減らしたいわけじゃない。時間が生まれた分、創造的な時間を確保できるような世界をつくりたい。究極は使っていて楽しいサービスにしたい。そこの理想は忘れたくないからこそ、自分自身も創造的な時間を楽しめるようでありたいなと思っています。

PM論に囚われず、七変化しよう

プロダクトマネージャートライアングルとか、「PM論」が少しずつ語られるようになってきていますけど、結局プロダクトマネージャーには正解がないと思うんです。だから、議論として盛り上がるわけで、「PMとはこうであるべき」というものにむしろ囚われてしまうと出せるインパクトは小さくなる。

たとえば、忘年会で流す動画のためだけに南アフリカいくのも、成功事例を拾い上げるのも、別にPMのやるべき仕事と決まってるわけじゃない。

一般的に要件定義はPMの仕事だといわれたりするけど、エンジニアで任せられる人なら任せたらいい。デザインもそう。

チームのメンバーの状況だったり、プロダクトのフェーズだったり。そういったものを踏まえて、一番インパクトを生むために自分がどう振舞うべきなのか。ここを問い続け、自分なりの正解を見つけていくのがPMの仕事だと思っています。

+++

>>>前編|闇雲にバックログを追いかけてもダメ。タスク消化に追われ、成果が出せなかったPM1年目|freee 岡田悠


取材 / 文 = 野村愛


関連記事

特集記事

お問い合わせ
取材のご依頼やサイトに関する
お問い合わせはこちらから