2013.06.18
【WEBデザイナー必見】Wantedly仲氏・萩原氏に聞く、市場価値を高めるキャリアの創り方。

【WEBデザイナー必見】Wantedly仲氏・萩原氏に聞く、市場価値を高めるキャリアの創り方。

絶えず進化を続ける、“WEB・IT・ゲーム業界”。その変化を人材の面から支え、ヒトとシゴトの“新しい出会いのカタチ”を創りだす『Wantedly』の仲さん・萩原さんに「クリエイターの求人動向」を訊いた。マーケットの最前線からみる、これからのWEBデザイナーに求められるチカラとは?

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▼Wantedlyの仲さん・萩原さんに訊いたエンジニアの求人動向はコチラ
「今、転職すべき会社は?」エンジニアの求人動向をWantedly仲氏・萩原氏に訊く。

市場価値を高める戦略を、求人動向から思考する。

誰もが知る大企業から注目のスタートアップまで、多くの支持を集めるソーシャルリクルーティングサービス『Wantedly』CEOの仲暁子さん、COOの萩原学さんに、WEB・IT業界の求人動向を伺うインタビュー。

エンジニアの求人市場では、『モバイル』『UI・UX』『データマイニング』その分野での求人が増えていると伺った。では、クリエイターはどうか?今回は特に「WEBデザイナー」に焦点を当て、求人市場の最前線からみたデザイナーの“市場価値の高め方”も含めて、お話を伺った。

仲暁子さん/萩原学さん

CEOの仲暁子さん(写真:左)と、COOの萩原学さん(写真:右)

業界全体で、WEBデザイナーが不足している。

― WEBクリエイターの求人市場を見ていて、気になるトレンドはありますか?


萩原:
WEBデザイナーの求人は多いですね。特に、UI・UXを担うデザイナー。 求人に対して条件を満たす人が最も足りていないと感じます。

人が足りない理由を考えると、教育機関がないんですよ。今、企業はWEBデザイナーに“領域横断的”なスキルを求めています。平面的なデザインではなく、UI・UXのデザインスキルです。

技術的にはIllustrator、Photoshopが使えることは当然として、HTMLも、CSSも全部使えて、JavaScript、フロントエンド全般が必要になっています。つまりエンジニアがカバーする領域と重なりつつある状況なのですが、そうした幅広いスキルをどこで身につければいいのか、という問題があります。

そもそもUI・UXをデザインするとはどういうことか?見た目を作りこむ、という意味でのインターフェースデザインをし、さらに認知科学や心理学、エンジニアリングの知見をベースに、サービス上で得られる体験を創り上げていく、ということになるかと思います。が、そこまで複数領域を扱える“総合格闘家”のような人材は、限りなく少ないですよ。


仲:
これまでは、最初からWEBデザインの領域でWEBデザイナーとしてのキャリアを積んでいた人が多かったと思いますが、最近のトレンドとして、グラフィック畑出身のデザイナーがWEB系に積極的に流れ始めていると思います。

美大出身者の就職先としては、いまでも広告制作会社が多いとは思うのですが、WEBサービスの世界では、WEBデザイナーの地位が急速に上がっています。そこに気付き、卒業後したらWEBへと考える学生も、少しずつ増えているようです。


萩原:
僕自身は、デザインの素養とかセンスって、WEBサービスの制作現場でも必要とされるものだと思っているんです。だから、いまグラフィック系の領域にいらっしゃるデザイナーの方々にも、「WEBの世界にくると、もっと評価されるよ」ということをぜひ知ってもらいたいですけどね。


仲:
一方で、シリコンバレーのトレンドをみると、グラフィック系の人材よりも、エンジニアがデザインを学び、UI・UXデザイナーになるのが新しいトレンドだそうです。タッチスクリーンの登場で、WEBデザインにもつまむ、ひっぱるなどといった立体的なUXが求められるようになっているので、技術的なバックグラウンドがあること自体、デザイナーとしての強みになるんでしょうね。

“ユーザーの体験”をデザインすることが、市場価値になる。

― 求められるWEBデザイナーになるためには、どんなことを心掛けていけば良いですか?


萩原:
まずは、「完パケをつくる」という意識を外すことが大切だと思います。WEBのデザインは、常に改善を重ねていくべきもの。ある意味、終わりがないわけです。デザインの良し悪しも、デザインの美しさで判断すべきではありません。AとBふたつのデザインがあって、明らかにAのほうがキレイだったとしても、ユーザーテストで「Bのほうがクリックされる」となったら、そちらが正解。“感性”を基準にしたデザインではなく、“数値”に基づいたデザイン。その部分に耐えられるかどうか、面白がれるかどうかが勝負でしょう。



仲:
WEBのデザインは、“面”のデザインではなく、“体験”のデザインです。「このボタンを押すと何が起きる?」「どのページに遷移する?」というユーザーの体験そのものをデザインすることが求められます。さらに、先ほど少しお話しましたが、タッチスクリーンへの対応も必要です。そうすると、ある意味プロダクトデザインに近い“立体的”な考え方も必要になってきます。

これまでグラフィックデザイン的な観点で仕事をしてきた方が、いきなりそれに対応するのは極めて難しい、というのが実情だと思います。採用する側の視点からみても、WEBならではのスキルや経験がないと採用が難しいのも事実。例えば、まずはWantedlyを通じて気になる会社に遊びに行ってみて、「何か手伝えることあります?」という感じで入っていくのもいいかもしれませんね。

Wantedly 注目の企業は?

― ユーザー体験のデザインを手がけて市場価値を高めたいという方に、オススメの会社はありますか?


仲:
やはり「LINE」ですかね。以前から業界では有名な話なのですが、LINEの前身であるNaver Japanの時代から、同社にはフロントエンドエンジニアを大切にする文化が根付いています。コーダーと呼ばれ、世間での扱いもまだ確立していなかった時代から、フロントエンドエンジニアと呼んで、大切にしていたんですね。UXデザインの専門部隊などもいち早く用意していて、そうした取り組みの結果、いまのLINEの成果があるんだと思います。


萩原:
そうですね、求人という視点からお話を伺っても、LINEは、カルチャーや組織体制などが明らかにスゴいと感じます。ソーシャルゲームのプラットフォーマーなども環境を整備していると思いますが、 LINE/NHNJapanは、WEBデザイナーにとって間違いなく理想的な会社の一つです。

反対に、いわゆる“下請け”のような仕事しかできない環境を選ぶのは厳しいでしょう。クラウドソーシングのような外部委託の仕組みは、今後ますます広がっていきます。自社雇用するWEBデザイナーに、より一層“ユーザー体験のデザイン”が求められるようになるのは、求人のトレンドをみていても間違いないですから。


― “自分の市場価値を高める”という視点が、今まで以上に重要になってきそうです。今日はありがとうございました!今後も定期的に求人トレンドを教えてください。


(おわり)


[取材]上田恭平 [文]黒川恵太 [撮影]梁取義宣


編集 = CAREER HACK


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