2013.06.17
「今、転職すべき会社は?」エンジニアの求人動向をWantedly仲氏・萩原氏に訊く。

「今、転職すべき会社は?」エンジニアの求人動向をWantedly仲氏・萩原氏に訊く。

アベノミクスの影響は?注目を集める業種は?どんなスキルが必要?そして、転職すべき会社って…?エンジニア・クリエイターなら誰しも気になる「求人マーケット」の動向を、ソーシャルリクルーティングサービス『Wantedly』CEOの仲暁子さんとCOOの萩原学さんに訊いた。

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求人市場の最前線から見る、WEB・IT・ゲーム業界の現在。

リーマン・ショック前の水準まで株価が回復した、2013年。“WEB・IT・ゲーム業界”でも、さまざまな変化が進行している。

「大手各社」ではモバイル向けに開発体制のシフトが進み、爆発的な成長を続けた「ソーシャルゲーム業界」では、徐々に明暗が分かれてきた。さらに資金調達を果たし、成長を加速する「スタートアップ」が増加。めまぐるしい変化を続ける最前線で、求められている人材とは…?

多くのスタートアップをはじめ、WEB・IT業界の求人情報に精通する、ソーシャルリクルーティングサービス『Wantedly』CEOの仲暁子さん、COOの萩原学さんのおふたりに、WEB・IT業界の求人動向を伺った。

仲暁子さん/萩原学さん

CEOの仲暁子さん(写真:左)と、COOの萩原学さん(写真:右)

注目すべきは、「UI・UX」と「データマイニング」。

― “この領域・この職種”が注目といった、現在のトレンドを教えてください。


萩原:
端的に言えば、やはり「モバイル」です。スマートフォンアプリを作れる技術者は、ほとんど全ての企業でニーズがあります。以前だと、ブラウザかネイティブか、という問題がありましたが、ネイティブ重視の方向へと議論が収束し、スマホのネイティブアプリを作る人材は今、間違いなくニーズが高いと言えるでしょう。

あとは、「UI・UX」領域でのニーズが圧倒的に多いですね。スタートアップにおいて特に顕著だと思うのですが、エンジニアには、フロントエンドからバックエンドまで、領域を横断する“総合力”が必要とされています。UX、つまりサービスそのものを創りあげていける人材です。

そうした人材をどう表現するか、ネーミングが難しいのですが、例えば『サービスを丸ごと開発するエンジニア』などという形で求人が出るケースは多いですね。


― そのほかに“個別のスキル”で、注目されるものはありますか?


萩原:
個別の技術であれば、「データマイニング」でしょうか。既に大きなトラフィックを持っている企業やサービスにおいて求められるのは、大規模なログ解析を行なうエンジニアの存在です。

ソーシャルゲーム業界におけるデータの活用は広く知られますが、たとえば、《FreakOut》 などのアドテクノロジー分野でもデータ分析は欠かせず、ものすごい規模のトラフィックから発生したログを、エンジニアが日々解析しています。

さらに、オンライン広告の入札をリアルタイムで行なうRTB(リアルタイムビッティング)が一般化してきたことで、アドテクノロジーが、大規模な取引を一瞬で処理する“金融の技術”に近付いてきたとも言われていますよね。

この先は、未来予測のもとに広告を入札していくような“先物取引”の世界へと進化してくのでは、という話も耳にします。データやログがもつ重要性も、さらに増してくるでしょうね。

加えて、バズワードにもなっている“ビックデータ”関連。《トレジャーデータ》のような、有望な日本発の企業が出てきた影響もあり、『大規模なデータを扱う人材』に対する注目は、いっそう高まっています。各社、良い人がいればすぐ採りたい状況ではないでしょうか。

ソーシャルブームの後に、地に足がついた分野がのこった。

― 「モバイル」が大きなトレンドになっているということでしたが、特に注目している領域などありますか?


仲:
今年は「モバイル × EC」がきてますね。以前、CAREER HACKにも取りあげられていた《Origami》だったり、元・Zynga Japanの山田さんが新しく立ち上げた《コウゾウ》、それから《Wondershake》など、新規参入するスタートアップに注目が集まっています。

他には、《Coiney》や《WebPay》といった決済をカンタンにするサービス。昔だったら、大手企業が大規模システムでやっていたような領域にアタックしているスタートアップの活躍が目立ちます。



全体的に言えるのは、2011年頃から流行った「ソーシャル◯◯」みたいなブームが一巡して淘汰が進み、“地に足がついたサービス”だけが後に残ったこと。そして、BtoBだったり、生活インフラに近いようなシステムを手がける企業が多くなってきたことが、現在のトレンドだと思います。

逆に、思ったほど勢いが出なかったのが「定期購入」系のサービス。アメリカで流行して、日本にも波がきたように思いましたが、いったん落ち着いた感じ。モノを選ばないと、なかなか難しいと感じました。


萩原:
最近、時代の移り変わりとして感じるのは、ソーシャルゲーム業界で求められる人材が、だんだんと変わってきたことです。以前は、WEB・IT業界のエンジニア・ディレクターを幅広く募っていましたが、現在では、特にディレクター・プロデューサーに関して、ゲームのクオリティを追求してコンシューマーゲームをがっちり作ってきた人が必要だという声をよく聞きます。

一方でソーシャルゲーム業界の人材が、別分野に移るという話も耳にしますね。業界が大きくなり、細分化された自身の仕事に物足りなさを感じてしまうのかもしれません。ソーシャルゲームという非常に高い技術レベルが求められる分野で活躍し、効率的な開発を進めるためのフレームワーク・技術基盤を作ってきた才能が多種多様なフィールドに行くことは、日本のWEBサービスにとって、絶対に良いことだと思います。今後にも注目ですね。

Wantedly 注目の企業は?

― 「いま、エンジニアが転職するならココ」という注目の会社を教えてください。


仲:
まず、《LINE》《NHN Japan》です。LINEがヒットする前からこの業界ではずっと言われていた話なのですが、同社は、フロントエンジニアを大切にする文化が強く根付いた会社として有名です。細かいところだと、一人あたりのデスク面積も群を抜いて広いですし、さまざまな面で働きやすい環境を用意しているなぁと。

あと、気になっているのが再注目されているスタートアップ。以前に一度話題になり、最近になってまた注目されるようになった企業です。《Conyac》や《Lang-8》なども、随分前からありましたが、再注目されていますよね。クックパッドやDeNAといった今では大きく育った大企業というのは、大体一度は凄く苦しい時期を乗り越えたわけで、そういった意味でも、再注目されている企業には可能性を感じます。今は資金も集まりやすくなっていますし、今後の活躍に期待です。

そして最近のイチ押しは、《Gunosy》ですね。ここは完全に技術者の会社で、“これからさらに勢いが増しそう”という感じ。めちゃくちゃ賢い人が集まっていて、かなりレベルは高いと思いますが、若くて優秀な方であれば、Gunosyを断然オススメします。


萩原:
Gunosyは良いですね。私自身、もともとエンジニアなのでよく分かるんですが、エンジニアにとって、人工知能って夢の響きなんですよ。彼等のビジョンはエンジニアの夢をものすごくくすぐりますね。

それから、技術とサービスが分離せず、まっすぐ芯が通っているという部分で、《クックパッド》は良い会社だなぁと思います。サービスと技術を切り分けるのではなく、エンジニアが技術をベースに、ごく自然にサービスを生み出している印象です。エンジニアにとって、非常に素晴らしい環境だと思います。

また少し違う観点の話なのですが、「エンジニアが採用担当になっている会社」は、これからその存在感を増してくるだろうと考えています。やはり、現場で活躍していたエンジニアが採用チームにいる会社のほうが、エンジニアやクリエイターへの理解が深く、面接などにおける納得感も高い。この違いは、転職市場でも大きな意味を持ってくると思いますね。


(つづく)
▼Wantedlyの仲さん・萩原さんに訊いたWEBデザイナーの求人動向はコチラ。
【WEBデザイナー必見】Wantedly仲氏・萩原氏に聞く、市場価値を高めるキャリアの創り方。


[取材]上田恭平 [文]黒川恵太 [撮影]梁取義宣


編集 = CAREER HACK


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