2013.07.31
nanapiけんすう氏が描く、プログラミング普及への展望は?―CAREER HACK MTG結果発表

nanapiけんすう氏が描く、プログラミング普及への展望は?―CAREER HACK MTG結果発表

nanapi代表 けんすうこと古川健介氏を審査員に迎えて開催された第8回CAREER HACK MTG。「プログラミングが出来る人を5年で10倍に増やすためには?」というお題に、全133回答が集まった。果たして、けんすう氏の心を捉えたアイデアとは?

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プログラミング人口を5年で10倍に、は実現可能か?

審査するけんすうさん

nanapi CEO 古川健介(けんすう)氏



以前より、プログラミングの一般化に言及しているnanapi代表の古川健介(けんすう)氏。


プログラミングが出来る人を、5年で今の10倍にするためにはどんなことをすればいいか?


という今回のお題に対して、まずご自身の考えを尋ねてみると、返ってきたのは「僕にも全然思いつかないんですよ」と一言。5年で10倍というのは簡単な数字ではない、というけんすう氏。しかし集まった回答一つひとつを手探り的にチェックする中で、ある意外なアイデアに目が止まった。これからの世界の動向を見通したような示唆に富んだそのアイデアを、早速ご紹介していこう。

プログラミングが、世界をフラット化していく。

▼ベストアイデア賞


ベストアイデア


けんすう氏:
この答えは好きですね。アイデアとして、他のものと比べて一つだけ全く別の地点にある気がしました。今回のお題では別に「国内」に限定してはいないので、世界で10倍に増やせればいいわけです。そうすると、5年もたてば10倍くらいにはなっているかもなあ、と。途上国のプログラミング人口の増加は、必然的に進んでいくと思います。


― 待っているだけでいいんでしょうか?


そうですね。プログラミングを覚えれば絶対に稼げる、というチャンスが目の前にあるので。発展途上国の人が、クラウドソーシングを通じて仕事を受ければ、国内で働くよりも稼げるわけですよ。 国境越えて出稼ぎになんていかなくてよくなるんです。


― 現地に講師を派遣するとか、そういったことは?一般教養であったり基礎知識であったり、プログラミングを学ぶための下地づくりが必要な気もします。


いやあ、いらないんじゃないですかね。食うために頑張らなきゃという中で、プログラミングできれば絶対に今より良い暮らしができると分かれば、そういう制約は超えちゃうと思います。

学習の環境もコードアカデミーやドットインストール的な無料のツールがどんどん整っていますし、開発ツールもいろいろ出てきています。無料で一番いい教育が受けられるというのも、プログラミングの特徴だと思います。

以前何かで見たんですけど、発展途上国にパソコン一台を放置して、現地の子どもたちが何をするか観察する、という実験をやったらしいんです。すると何も教えなくても、子どもは勝手にインターネットつなげて、いろんなサイトを見るようになったと。ネットで情報を得るようになると、そこからさらに深く入って学習するようになったそうです。


講評するけんすうさん



― なるほど、プログラミングを学ぶ動機の強さと、知識の吸収力が違うと。


一度何かの会議で出した案なんですけど、めちゃくちゃ安いAndroidのデバイスを作って、昔のBASICみたいな基本的なプログラミングができるようにする。で、そこでゲームとか作れるようにして、途上国の子どもに配りまくるとものすごくヒットするかもしれない。子どものころにBASICとか手打ちでやっていた人たちが、いま大御所のプログラマになっていたりするので、そういう可能性もあるかもしれないですね。


― それは面白いですね。一方で、日本にフォーカスするとどうでしょう?回答の中には「プログラミングを題材にしたマンガを出す」というものも多くありました。


プログラミングに対するイメージを変える、というアプローチですね。ドラゴン桜の方(三田紀房氏)に描いていただくような感じでしょうか。確かに「キャプテン翼」のおかげで日本のサッカーが強くなったと言われたりしていますし、「ヒカルの碁」が流行った当時、囲碁人口が増えたという話も聞いたことがあります。ただ、その後どうなっているのかは分かりません。個人的には、あまり好きなアイデアではなかったです。

余談ですが、最近「きっと、うまくいく」という大ヒットしたインド映画を観て、これがめちゃくちゃ面白かったんですね。インドの工科大学を舞台にした映画なんですけど、インドでは「子どもを良い工科大学に入れてエンジニアにする」というのが理想らしいんです。映画の中でも「 この子はエンジニアにする」というセリフが出てくるんですけど、それが日本でよく言われる「この子は大企業に入れる」と同じような感覚で使われていて。このままソフトウェアの重要性が高くなるとしたら、日本でもインドと同じようにエンジニアになるのが大企業に入るくらい一般的に目指す的なもの、となるとおもしろいかなあ、と思いますね。


審査用紙



現在、第9回が開催中!審査員はTech Wave編集長のマスキン氏!

現在開催中の第9回CAREER HACK MTGの審査員はTechWave編集長の増田真樹氏。
《地方都市で優れたITスタートアップを量産するには?》というお題です。

まだまだあなたのアイデアを受け付けています。応募は今月7/31(水)まで!

ベストアイデア賞に輝いた方には、南フランスのデザイン機器ブランド《Oree》が手がける、“木”で作られたBluetooth接続ワイヤレスキーボード『Oree board』をプレゼント!あなたからの投稿を、お待ちしております!



編集 = CAREER HACK


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