サイボウズ株式会社 代表取締役社長の青野 慶久さんを迎え『[[DQ]]ギーク[[DQ]]な起業家を増やすには?』という、テーマで開催された第11回CAREER HACK MTG。ベストアイデア賞の発表とともに、その出題背景に迫ります。
サイボウズ株式会社 代表取締役社長の青野 慶久さんを迎え『“ギーク”な起業家を増やすには?』をテーマで開催した第11回CAREER HACK MTG。
出題の真意を青野社長に聞いてみると、「ソフトウェアを重んじる人が圧倒的に少ない。そのことに危機感を持っているから」だという。具体的にどういうことなのか?
青野社長曰く、
「今の世の中は『ソフトウェア』が動かしているといっても過言ではない。1億2000万人いる日本国民が日々暮らしている中で、彼らは何かしらの形で、ソフトウェアに触れている。例えば、スマホでゲームをしている時やソーシャルメディアを使っている時、切符を買って自動改札を通る時、テレビを観ている時など、日々当たり前のように使っているプロダクトやサービスの裏側では必ずソフトウェアが動いています。
沢山の人が『ソフトウェア』の恩恵を受けてサービスを利用しているにも関わらず、その素晴らしさを発信する”人”があまりにも少ないのが現状です。だからこそソフトウェアのことを分かっている『ギーク』が起業し、ソフトウェアの素晴らしさを世の中にどんどん発信することで、ソフトウェアを重んじる風土形成が醸成・加速するんじゃないかなと。そうすることでギークな人たちの地位がもっと向上すると思いますし、ギークが日本を変えやすいような世の中になってくるんじゃないのかなと思っています。」とのこと。
この問題提起を基にしたテーマで、青野社長に選ばれたベストアイデアとは?
▽ベストアイデア賞:(tombijpさん)
出島の様なエンジニア特区を作って、経済活動から地域政治までをエンジニアが設計し効率化し運用する。
コメント:
Googleの元エンジニアたちが提唱した、国際法しか及ばない公海上(サンフランシスコの近くの海岸)に巨大な人口島を作って、独自の憲法、法律を制定し、観光を中心とした収入源を持つ「新しい国」を建設しようとする構想と似ていますね。エンジニア特区と言わず「エンジニア国家」を作ってしまうくらいのことができたら面白いんじゃないでしょうか。実際に作りたいと思いました(笑)。ホントに作ろうかな!
▽次点:(吉本 敏洋さん)
会社設立書類や決算書をプログラム言語で書けるようにし、法律もAPI仕様書として記述する。
コメント:
これはギークを刺激する良いアイデアでした!!ギークな人たちとこのネタで2時間以上話せますよ(笑)。いざ起業するぞ!となっても会社設立の登記書類を目の前にするとどうしても書くのが億劫になるんですね。ところがプログラム言語でこういう記述をしてくれたら設立書類とかいりませんよ。ってことがもし実現したら、書くモチベーションになる。
役所手続きというのは未だに紙とペンの世界ですが、こういったことが可能になると、まさに「起業のソフトウェア化」が実現する。マネーフォワードやfreeeなんかも、お金を使ったら、クレジットカードや銀行のデータを引っ張ってきて、自動的に仕分けて家計簿や決算書類を作成してくれる。あの延長のイメージでしょうか。プログラム言語を用いて書類が記述できるようになると、ギークな人たちにとって起業の敷居が下がりますし、優遇される措置などがあるとギークにとって有利になるかもしれません。
▽次点:(小原 大貴さん)
国語の教科書に、しれっとゲイツさんやジョブズさんの伝記を入れておく。
コメント:
“しれっと”っていうのが面白い(笑)。学校の教科書にギークたちの伝記が入ったら「カッコイイ!」とか「こんな人になりたい!」って夢を持ってくれる若い世代が増える可能性はありますよね。ソフトウェアの素晴らしさを実感してくれる人が増えて、そういう人が技術を学んで起業するという流れになれば素晴らしいなと思います。
▽総括
沢山のユニークなアイデアを投稿をいただき、本当にありがとうございます。今回、アイデアを審査をしてギークな起業家を増やすには大きく3つの要素があるのかなと思いました。
1点目は、ソフトウェアに対する国民の意識を変えること。残念ながらベスト・アイデア賞には至りませんでしたが、「天才プログラマが世界を変えるドラマを月9でストリーム配信。」や次点だった「国語の教科書に、しれっとゲイツさんやジョブズさんの伝記を入れておく。」は、”マス”に対してソフトウェアの良さを広めていくことができるので、「ソフトウェアってかっこいい!」という意識を芽生えさせることにつながる。ちょっと前に月9で放送されてたドラマ「リッチマン、プアウーマン」なんかはこれにあたりますよね。僕もあのドラマ見て泣きましたし、ソフトウェアで世界が変えられるんだって思いました。
2点目は、国のインフラを作ること。アベノミクスの成長戦略の一つに国家戦略特区構想がありますが、エンジニア特区もその延長で実現できたらギークにとっては最高の環境が作れるのではないかと思います。
3点目は、教育ですね。先日アメリカのオバマ大統領が「プログラミングの学習を義務教育化しましょう!」というビデオによる声名を発表しましたよね?あの発表はとても衝撃的でした。既に日本よりも圧倒的な数のギークがいるアメリカが日本に先駆けてプログラミングの義務教育化をしてきたら、本当に驚異ですね。日本の安倍政権もいずれプログラミングの義務教育化を進めようという構想があるようなので期待したいと思います。
現在開催中の第12回CAREER HACK MTGの審査員はツイキャスを運営する株式会社モイ社長の赤松洋介久氏。《日本人エンジニアが、世界で通用するサービスを生み出すために必要なことは?》というお題です。
まだまだ、あなたのアイデアを受け付けています。応募は年明け1/15まで!
ベストアイデア賞に輝いた方には、日本未発売の【プレイステーション4 First Limited Pack】をプレゼント!
アイデア投稿は1人何回でも可能です!皆様からの沢山の投稿を、お待ちしております!
編集 = CAREER HACK
4月から新社会人となるみなさんに、仕事にとって大切なこと、役立つ体験談などをお届けします。どんなに活躍している人もはじめはみんな新人。新たなスタートラインに立つ時、壁にぶつかったとき、ぜひこれらの記事を参考にしてみてください!
経営者たちの「現在に至るまでの困難=ハードシングス」をテーマにした連載特集。HARD THINGS STORY(リーダーたちの迷いと決断)と題し、経営者たちが経験したさまざまな壁、困難、そして試練に迫ります。
Notionナシでは生きられない!そんなNotionを愛する人々、チームのケースをお届け。