結婚式場の日本最大級口コミサイトを運営するウエディングパーク。システム部門の男女比は1:1、社員総会で表彰されるメンバーの大半を女性が占めるほど、女性の活躍が目立つという同社の各職種女性メンバーに、「女性が活躍できるために必要なこと」について伺いました。インタビューから見えてきたのは、同僚男性の理解と配慮、そして個人個人を尊重し合う企業風土でした。
【 PROFILE 】(写真右から)
菊地 亜希 Aki Kikuchi ブランド推進室 ブランドマネージャー
山田 綾子 Ayako Yamada 社長室 フォトウエディング事業責任者
菅沼 幸子 Sachiko Suganuma システム本部 シニアマネージャー
栗山 茜 Akane Kuriyama システム本部 システムエンジニア
― 多くの企業でシステム部門は、男性が大半を占めるケースが多い印象です。そんな中、ウエディングパークでは女性が半数を占めているそうですね。
菅沼:
特に「女性を積極的に採用していこう」としてきたわけではないんです。女性がとっつきやすいブライダル業界で、テクノロジーと情報の領域を掛けあわせた事業にコミットできる仕事内容が大きいのではないかと。
栗山は新卒でエンジニアになったメンバーなんですが…なんでうち入ったんだっけ(笑)?
栗山:
菅沼がお話ししたように、ブライダルという「人の幸せのタイミング」に携わる仕事に惹かれたのがきっかけですね。ただ、私の場合はエンジニアになるというのが、最優先だったんです。
― おお!
栗山:
私が就職活動をしていた時期にエンジニア発のFacebookやスマートフォンアプリが流行りだしていて、ネットってすごい!自分で作ってみたいという思いが強かったんですね。共感できる事業と自分がなりたい職種にマッチしたので入社しました。
― なるほど。一方で菅沼さんは以前、SIerに在籍していたそうですね。SIer時代と比べると、男女比半々の開発現場というのはだいぶ雰囲気なり違うものなんですか?
菅沼:
たしかにSIer時代はほとんどが男性の開発現場だったので、いまとはだいぶ環境は違いますね(笑)。ただ、当時それが嫌だったとかではなくて。技術が好きな人たちが集まってガリガリコードを書くのがすごく楽しかったです。
ウエディングパークのエンジニアたちも技術に貪欲という点では同じですが、一番違うことといったら匂いかな…(笑)サーバーの発熱と男性っぽい匂いが合わさったなんとも言えない感じと、女性が多い職場は…比べるまでもないですね(笑)。
― ウエディングパークの男性エンジニアは女性からどう見えますか?
栗山:
疲れた顔をしてると、スイーツの差し入れとかしてくれたり、男性の方が女子力が高いです(笑)。むしろ女性のほうがサバサバしていて、ちょっと男性っぽいかもしれません。
一緒にプロジェクトを組んでも、細いところで気が利く男性エンジニアが多いです。それも相手が女性だからってわけじゃなくて、男性同士のコミュニケーションを見ていてもスムーズで。怒鳴りあうとか、大きな声を出す人がウエディングパークには少ないのかも。
― 他の部門は男女比ってどれくらいなんでしょう?
山田:
私は昨年まで営業本部に在籍していたんですが、新人の時に配属された際は先輩の女性が1人しかいない環境でした。男性の営業が比較的多かったのですが、よく質問や相談をしていただけていました。
― 新入社員が先輩に質問するのではなく、逆に質問されてたんですか?
山田:
というのも、ウエディングパークのメインユーザーは20-30代女性でして、ユーザーの気持ちを少しでも理解しようとよく質問していただけてたんだと思います。それはクライアントでもある各結婚式場の担当者様もそうで。
だから、社内でも女性が少ない部署だから肩身が狭いとか困ることがあるなんてことはほとんど感じなかったんだなと、今まさに気づきました(笑)。
― メディア本部はいかがですか?
菊地:
主に企画や編集業務を行なうメディア本部は女性の割合が一番高いチームなのですが、トップの男性がスゴく気配りができる人なんです。
毎朝、朝会があるんですが、彼は「朝、みんなを観察している」と言ってたんです。
どういうことかというと、女性は朝からお化粧して髪を巻いて服を選び、家族がいると子どもの世話や旦那さんの朝食、お弁当まで用意してから出社している。出社した時点でひと仕事終えてる女性たちが、どんなテンションなのか、表情をすごく見ているという話を以前していて。
そういう細いところから、気をつかってもらってるんだなって時々思います。そんなこと、普段はあまり感じさせないですが。
あとは成果だけでなく、プロセスをみて褒める風土がありますね。結果だけじゃなく、こういうやり方がよかったよねとか、やっている途中を見てもらえるというのが、割と女性としてはうれしいことで。
― なんだかウエディングパークの男性は仕事もできるし、気配りもできる。女性からもすごくモテそうな、完璧な男性像が私の中で浮かんできました。
菊地:
どうなんでしょう…実際に社外でモテていたら私たちも嬉しいんですけどね(笑)。
― ウエディングパークが男女の隔てなく、お互い切磋琢磨していける理由ってなんなんでしょう?
菊地:
ウエディングパークには「TRUTH」という9つの行動規範があるのですが、その一番最初に記されているのが、「幸せの追求」なんです。つまり、自分たち(社員、家族、クライアント)が幸せでない限り、サービスを通じてお客様(ユーザー)にも幸せを届けられるわけがないと。
菅沼:
幸せって人それぞれですよね。そうして社内でいろんな幸せを持っている人が集まることで、多くの人にサービスを通して幸せを提供できるんじゃないかとみんな思っていて。
結局のところ、男性だとか女性だとかじゃなく、一個人一個人がそれぞれ、仕事でもプライベートでもお互いを尊重しあえるかどうかなんだと思います。
男女関係なく意見を発信することが当たり前ですし、女性の私たちからみても、男性側が仕事において「女性だから」と違う部分で気にしているわけではないんですね。本当にお互いフラットな関係性を当たり前のように築けるかがもっとも大事なことなんじゃないかと思います。
― なるほど。ちょっと難しい質問かもしれないんですけど、これからもっと女性が活躍していくためにはどんなことが必要になってくると思いますか?
菊地:
女性一人ひとりのダイバーシティ化…なんかでしょうか。「女性はこう働くべきだ」とか「現代の女性は~」と言った感じで一括りにするのではなく、それぞれ個人個人が素敵に働いて充実できるようになるといいなと思いますね。
― 企業も働く男性も女性も、今後一層それぞれ多様な価値観、幸せが出てくる中で、ヒントが詰まったお話を伺えました。ありがとうございました!
[取材・文] 松尾彰大
編集 = 松尾彰大
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