2020.03.19
平日はMr. CHEESECAKEのマーケター、週末は写真家。川北啓加の仕事観

平日はMr. CHEESECAKEのマーケター、週末は写真家。川北啓加の仕事観

人気アナ 弘中綾香さんが連載するHanako.tokyoの撮影を担当しているフォトグラファー、「もろんのん」こと川北啓加さん(26歳)。じつは販売開始5分で売り切れると話題の「Mr. CHEESECAKE」のマーケターという顔も。平日は会社員、週末にフォトグラファー。彼女の仕事観とは?

平日はMr. CHEESECAKEのマーケター。週末はフォトグラファー。

Twitterのタイムラインを眺めていたあるとき、この写真に一瞬で心を掴まれた。

満開の桜の木の下でやさしく微笑むのは、人気アナウンサーの弘中綾香さん。

その表情は、「テレビの中の弘中アナ」とは異なる。優しく微笑んだり、無邪気に笑ったり。初めて見る表情、一つ一つに心惹かれた。私と同じように、弘中アナの虜になった人も少なくないはず。

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写真を撮影したのは、「もろんのん」こと川北啓加さん(26歳)。雑誌『Hanako』の人気連載『弘中綾香の「純度100%」』撮影をスタート当初から担当している。

2020年2月には『私が撮りたかった女優展』で、女優 田中真琴さんの撮影も担当。

フォトグラファーとして活躍の場を広げる彼女には、もうひとつの顔がある。販売開始5分で売り切れると話題の『Mr. CHEESECAKE 』のWebマーケターだ。フルタイムの社員として、平日週5日働いている。

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彼女は、「マーケター」としての仕事、そして「フォトグラファー」としての活動を、どのように捉えているのだろうか?

「どちらも私の中でのモチベーションは同じなんです。チーズケーキも本当においしいので世界中の人に食べてほしいし、写真は人や企業の魅力の発信に役立てられる。自分の好きなものを世の中に届けられることが、私のやりたいことなんです」

こう語ってくれた、川北さん。「自分の好きなもの」を大切にし、届けることに情熱を注ぐ。そんな彼女の生き方は、「パラレル」や「副業」のロールモデルというほど仰々しいものではない。とても軽やかで、しなやかな仕事観に出会った。

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【プロフィール】もろんのん/川北啓加(かわきた・のりか) 1993年生まれ。Mr. CHEESECAKEのマーケターであり、週末トラベルフォトグラファー。大学在学中から旅と写真をフィールドに写真の仕事をスタート。2017年に株式会社Snapmartにクリエイティブディレクターとして就職。2019年からMr. CHEESECAKEへ。2019年に撮影した弘中綾香アナウンサーの写真で話題を集める。

「Mr. CHEESECAKE」で頭がいっぱいです。

── フォトグラファーとしても活動しながら、Mr. CHEESECAKEではマーケターとしてお仕事されていると伺いました。Mr. CHEESECAKEでは、具体的にどんなお仕事をされているのでしょうか?

主にWebマーケティングを担当しています。Mr. CHEESECAKEをもっとたくさんの方に知っていただくことが私のミッションです。具体的には、オウンドメディア「Mr. CHEESECAKE JOURNAL」やSNSの運用、その他限定フレーバーが出たときには認知最大化のための設計しています。

写真をきっかけに私のことを知ってくださった方は、「フォトグラファー」として認識しているかもしれないのですが、平日週5日はWebマーケターとして働いています。平日は「Mr. CHEESECAKE」のことで頭がいっぱいです(笑)。

ー キービジュアルの撮影なども担当されているのでしょうか?

基本的には撮らないですね。いつもお願いしているカメラマンさんがいるので、ディレクションをするのが私の役割です。ただ、この前のホワイトデー限定で出したフレーバーは発売が急遽決まったので、日程も間に合わないためカメラマンさんにお願いできず、自分で撮りました。ただ、写真を撮ることはメインの私の業務ではないんです。

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写真の仕事、マーケターの仕事も、欠かせない存在

ー両立は、大変じゃないんですか……?

両立という表現が難しいですが、前職のSnapmartの頃から写真のお仕事も続けていましたし、「副業しよう」と意気込んだわけではないんですよ。もちろん「仕事」という意識はありますが、旅行や友達の写真を撮ることが大好きで、撮影することが私にとって日常なんです。だから平日も週末も、どちらの仕事も思いっきり楽しんでいます。

それに、マーケターとしてもフォトグラファーとしても常に学びがあって、どちらかの学びをもう片方の仕事に活かせます。例えば、自分の写真や友達と一緒にやってみた施策をMr. CHEESECAKEに活かせたり、Mr. CHEESECAKEで開催したイベントのノウハウを自分の写真展に役立てられたり。

私にとっては両方とも「自分がいいと思っているものを自分の目線で世の中に広めること」が仕事だと思っています。どちらも楽しいですし、今の私にとって欠かせないものです。

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趣味からはじまった、フォトグラファーの道

── 川北さんは、いつから写真の仕事をしていたんですか?

大学在学中からですね。ただ、最初から仕事にしようとは全く思っていなくて。写真を撮るのが好きな普通の大学生だったんです。カメラ好きの友達と一緒に写真を撮るためにお出かけして、Instagramにアップするのが日課でした。そのうちフォロワーさんが増えていき、お仕事をいただけるようになりました。

ー Instagramをきっかけに、仕事をもらえるようになったんですね。

私自身としては好きな写真を撮るのに夢中で、趣味として楽しんでいただけで...いま自分が写真のお仕事をいただけるのは本当にありがたい限りです。

いま振り返ってみると、「自分の色」を見つけたことが大きかったかもしれません。たくさん写真を撮ってアップしながら、少しずつ自分の好きなテイストがポップで明るい感じだなと分かってきて。Instagramの写真も統一感がでてきたんだと思います。「もろんのんといえばこういう写真だよね」「こんな世界観の人なんだな」と認識してもらいやすくなったのかもしれません。

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あとは、自分の得意ジャンルを知ってもらえるように、「トラベルフォトグラファー」と名乗り始めたことも大きかったかもしれません。当時、クライアントさんだった方が「ただフォトグラファーとだけ名乗るよりも、得意なジャンルがはっきりしていたほうがお仕事をお願いしやすい」とアドバイスをくださって、たしかにそうだなと思ったんです。

写真のスキルだけを見たら自分より上手い人がたくさんいる。そのなかで、相手が私に依頼するには、明確な肩書があったほうがわかりやすい。もともと旅行と食が大好きだったので、「トラベルフォトグラファー」と名乗るようになりました。

新卒からフォトグラファーで生きていく自信はなかった

── 在学中からすでにお仕事されていたのに、大学を卒業するときにフォトグラファーの道を選ばなかったんですか?

そうです、「Snapmart」という写真プラットフォームを運営するスナップマート株式会社に就職しました。正直、就活するのかフリーランスになるのかすごく悩みましたね。

普通の大学生だったので、普通に会社に就職するんだろうと思っていたんです。フォトグラファーとして、雑誌のHanakoやるるぶなどで連載をいただくようになったものの、新卒で仕事として写真一本でやっていく決意はできなかった。私の写真を好きだといってくれるのはとても嬉しいけれど、趣味の延長線上でした。

それに、写真が撮れることしか強みがないことが逆にコンプレックスでもありました。写真以外のスキルも身につけたい。もともとは東京理科大学でプログラミングを4年間学んでいたのですが、在学中に写真やSNSマーケに興味が湧いていて、広告業界を中心に就職活動をしていました。

── Snapmartに決めたのは、どうしてですか?

大学3年生の2月に、Snapmart創業社長の江藤美帆さんに「ユーザーとして登録しませんか?」とInstagramから連絡をいただいたのがきっかけです。SnapmartはWEBサービスが、クリエイターにお金を支払い、写真を使うことができるプラットフォームで、無断転載ではなくクリエイターに正当に利益を還元したいと、写真を大切に扱おうとする江藤さんの姿勢に共感しました。

そこから、to Bの営業ディレクターとして、クリエイターの活躍の場の提供と企業商品のコンテンツ収集と魅力発信をしていました。例えばメーカーさんのSNSマーケティングの支援をする場合、企画出しから、Snapmartに登録してくださっているクリエイターさんに声をかけ、撮影依頼と納品まで、一通り担当していました。

自分の担当した企業の魅力をクリエイターを巻き込んで発信できるのは非常にやりがいがあってとても楽しかったです。

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大好きなものを、あらゆる方法で届けたい

── その後、どんなきっかけでMr. CHEESECAKEに?

Snapmartに入社して2、3年経った頃、「写真・SNS以外でも頭で考え手を動かしたい」と思う機会が増えてきたのがきっかけです。

ちょうどそのタイミングで、個人で受けていた写真の仕事で、ロクシタンの取材と撮影で南フランスにいったとき、ロクシタンの生産者さんに寄り添う哲学やブランドストーリーに感銘を受けて。有形商材の魅力やストーリーを届けることに興味をもつようになりました。

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せっかくなら自分の好きな食の領域で、魅力を届ける仕事がしてみたいと考えていたとき、Mr. CHEESECAKEの田村浩二に会う機会がありました。彼のヒストリーや、誰もが感動する「美味しい」をつくりたいという情熱とチーズケーキの美味しさに惚れて、Mr. CHEESECAKEの美味しさを広めるマーケティングに挑戦したいと思い転職の応募をしました。

そういった意味だと、マーケティングも写真も同じ。自分の好きなものを、「世の中にはこんなに素敵なものがあるんだよ」と誰かに届けることがモチベーションなのかもしれませんね。

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文 = 菊池百合子
取材 / 編集 = 野村愛


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