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3000円もするのに売れた、テキストエディタ「stone」企画プロセス

2018-04-12

3000円もするのに売れた、テキストエディタ「stone」企画プロセス

テキストエディタ『stone』にできることといえば「文章が書ける」ただそれだけ。そして3000円という強気の価格設定…にも関わらず売れた。こだわったのは、いかに書く気分を高められるか。企画プロセスを紹介する。

無駄のないインターフェース

Macのアプリを起動すると、真っ白な画面だけが映し出される。

2017年11月末にリリースされたテキストエディタ「stone」。

・入力した文字が美しく綴られる
・素のノートのような感覚が得られる
・清らかな気持ちで文章が書ける

これらをアプリ上で再現したのがstoneだと企画・開発を担当した北本浩之さんと横田泰斗さん(両者/日本デザインセンター所属)は語る。書く気分を高めるために機能を削ぐ。「stone」誕生のプロセスを紹介する。

※ 2018年3月に開催された「UI Crunch #12「伝える」を加速させる。書く、読むUI」のレポート記事 ※ 2018年3月に開催された「UI Crunch #12「伝える」を加速させる。書く、読むUI」のレポート記事としてお届けします。

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ライバルは文房具。原研哉氏が率いるデザイン会社がシンプルすぎるエディタ「stone」をつくったワケ
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アプリではなく、文房具として認知させたい

「stone」上で使えるのは文字入力、フォントサイズ変更、行間調節、行長調節、横書き、縦書きの選択のみ。レイアウトや校正などの機能はない。

ライターさんはWordで文章を書くことが多いと思いますが、入力する画面に、プリント機能、レイアウト、文字加飾などのボタンもあります。感じていたのは、必ずしも全ての機能が必要なのか?ということ。必要最低限の機能だけを搭載し、書くことに特化したアプリをつくろうと思ったんです(横田)

デザインのように複数のアプリが必要なわけではない、ライティング(文章作成)という作業。書くという作業だけに集中させる狙いだ。

書くことに対する楽しみ、書くことに没頭できる喜びをもう一度、見つめ直したい。この思いが原点にありました。編集することよりも、まずは書くことに対して没頭してもらいたい。モチーフにしたのは紙やペン。アプリケーションではなく文房具として認知されることを目指しました(横田)

文房具っぽさは、大きく分けて5つ。

stoneの文房具ぽっぽさ

ディテールへのこだわり

紙やペン、書籍といった静的なモチーフから得たアイデアをなぞるだけでなく、フォントサイズ変更、行間調節、行長調節といったイントラクションを加える。そうすることで紙やペン、書籍をアップデートすることを意識しました(北本)

stoneの組版については通常に「流す」だけではなく、約物を処理。ベタ組みで全角ダーシを繋げたり、欧文との混植を行なったりしている。文字組みは合成フォントを使用する。

ゴシックは游ゴシックとHelveticaを採用しました。さらにベースラインを少し下げるなど微調整を繰り返し、視覚的な美しさにこだわりました。明朝体に関しては、游明朝とTimes New Romanを採用。長文の読みやすさを意識しています(北本)

Times New RomanとHelveticaを採用、欧文フォントを使っているのは、将来的に海外リリースも検討しているからだ。

つまり静的なメディアにおける情報の見やすさに加え、レイアウトや文字組みを『文字を書く』という動的な環境に持ち込み、書き心地の良さを感じさせるといったアプローチ。そこに至るまでには試行錯誤があった。

読みやすさと書き心地の良さはとても近くにある。ただ、同じではありません。その2つを兼ねるユーザーインターフェースを探っていく。これはグラフィックデザインのノウハウがある日本デザインセンターだからこそ、できたと思っています(北本)

最後に「stone」の今後について。iPad版、Windows版の開発、海外展開の検討も進めていく。「書き出しに対して一番良いアプローチをするのがstone。その上で機能の拡張も考える」と両者は語ってくれた。



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