3Dプリンタと専用ソフトウェアさえあれば、誰しもDIYでモノづくりが可能になる時代「MAKERムーブメント」は既に到来している。その時代に合わせるように誕生したのが“モノづくり”特化型コワーキングスペース“MONO”だ。日本のスタートアップが“モノづくり”する時代の先にあるものとは――。
MAKERムーブメントの真っただ中、「世界を代表するMONOづくり・コンテンツのHUBになる」と銘打たれ、3月1日にお台場・テレコムセンタービル内にオープンするのが、モノづくりを愛する起業家たちのためのコワーキングオフィス“MONO”。
3Dプリンタやレーザーカッターなど、モノづくりをするための基礎的な装置を配備し、ベンチャー企業や個人のための開発拠点となることが期待されている。
今回、“MONO”のプロデュースを行なう、サムライインキュベートCEO 榊原健太郎氏にハードウェアベンチャーへの期待とその戦略、そして、日本のスタートアップが“モノづくり”する時代の先にあるものを伺った。
― 榊原さん、“MONO”のオープンおめでとうございます。
榊原:
ありがとうございます。今回は、東京都や後藤建築事務所(株)さんと一緒になって、モノづくり系スタートアップを支援するためにプロデュースという形で協力させていただいています。
― スタートアップインキュベーターとして“MONO”を支援する目的を伺えますか?
榊原:
私たちは“MONO”を中心としたモノづくりのエコシステムを構築していきたいと思っています。
というのも、ハードウェア系のスタートアップで開発から製造、流通、販売まで全て自社で行なっていくのはかなり難易度が高いんですよ。
そこで“MONO”を、スタートアップと工場、そして大企業を結ぶ『ハブ』として機能するものにしたいと考えているんです。
スタートアップがサンプル開発や特許取得・ビジネスモデルの構築を行ない、大田区などを拠点とする工場に協力してもらって、プロダクトを製造していく。そして、世界中に販売網を持っている大企業とアライアンスを組むことで商品を流通させる。モノづくりに関わるプレイヤーそれぞれの強みを生かせるエコシステムを構築したいと思っています。
― モノづくりは日本のお家芸とも言われていますからね。
榊原:
そうですね。日本が戦後、経済的に急成長を遂げた要因として、ハードウェアメーカーのグローバルな成功が挙げられます。そして今でもグローバルにネットワークを持っているメーカーが多い。
ただ、皆さんご承知の通り、日本のメーカーは非常に厳しい状況にあります。その影響で国内工場の稼働も落ちている。大企業の下請けとなっている企業も、新たな道を模索しているんです。この状況を打破できるようなエコシステムを、“MONO”から創っていきたいと思っています。
― “MONO”には充実した工作機械が揃っていますね。3Dプリンタやレーザーカッターを見るとますます可能性を感じます。
榊原:
はい。日本のモノづくり系スタートアップに可能性が広がっているのは間違いないです。
ただ課題となっているのが、ビジネス的に成功している事例が少ないこと。最先端のモノを作る、というところで止まってしまっているケースも少なくないと感じています。
― 日本のハードウェアベンチャーの成功モデルはどのようなものになると?
榊原:
工場を自前で持たない、ファブレス型のビジネスモデルが前提でしょう。例えば特許だけ取得し、生産の委託をすることで商品売上の数%が入ってくるようなビジネスモデルを築けると強いでしょうね。
それを実現するためには、工場を持つ中小企業や販売網をもつ大企業、さらには資金面を支援する銀行やVC、経理や法務の専門家などとの繋がりを得られる“場所”が必要だと思うんです。
“MONO”は東京都や新銀行東京が支援するコワーキングスペースでもあります。行政や金融支援機関が味方であるメリットはとても大きいですよ。
事業モデルのアドバイスや営業支援はSSIが行なっていきますし、生産支援は大田区などの中小企業の振興関係機関との連携を、ミートアップなどを通じて推進していきます。
これから“MONO”そのものが日本のモノづくりを変えていく存在になるべく成長を続けていきます。 ご期待ください!
MONO Powered by Samurai Startup Island
住所:東京都江東区青海二丁目5番10号 テレコムセンタービル東棟14階
利用可能時間:24時間/365日(固定席・フリー席)|9時-17時/平日(1dayドロップイン)
24時間365日営業のコワーキングスペースで、充実の設備。3Dプリンタでの作業に慣れない方でも、スタッフと一緒に勉強しながら学んでいけるとのことです!1dayドロップインやMONO1日体験ツアーも開催中。少しでも気になった方は気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか?
編集 = 松尾彰大
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