2019.11.08
40万再生突破、ギャル版恋リア『エグハ』の衝撃|egg 赤荻瞳

40万再生突破、ギャル版恋リア『エグハ』の衝撃|egg 赤荻瞳

2018年に復活したギャル向けメディア『egg』が躍進! YouTube、Twitter、インスタ、TikTok、リアルの雑誌…あらゆるメディアを横断してギャルたちを…いやギャルを愛する全ての人を夢中に!コンテンツ戦略のウラ側に迫った。

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恋愛リアリティーショー『エグハ』の衝撃

特に『egg』発で話題になっているのが、YouTubeにアップされている『エグハ(egg HOUSE)』ですよね。ギャル版の恋リア、めちゃくちゃおもしろいです。

ありがとうございます。ギャルに限らず、いろいろな人から「おもしろいね!」と感想をもらったり、楽しんでもらえていて。それこそ30代のおじさんとか(笑)

※注)取材者は30代男性

ヒットしている理由はどこにあると思いますか?

もちろん台本は無いし、恋愛もガチ。リアルさはありますよね。ちゃんとギャルのことがわかっている人がつくっているのも大きいと思います。

私含めて、携わっているのがほとんどギャルで。毎回、番組内でミッションを出すのですが、それも編集部ですごく考えていて。

ギャル以外の人たちにも楽しんでもらえている理由だと、どうでしょうか。

ギャル以外の人からすると、やっぱりギャルって特殊な存在だと思うんです。「こんな人たちがいるんだ!」という珍しさ、得体の知れないもの見たさがあるのかもしれないですね。

ただ、ギャル以外の人が見ても「潔さ」や「行動力」は見習うところがある気がして…。

そこまで考えたことはありませんでした(笑)ただ、確かに後先のことを考えずに行動しちゃったり、ズバッと言っちゃったり。自分の気持ちに素直だったり。そこは彼女たち、彼らたちらしさだと思いますね。

ギャル以外の人…特にサラリーマンは「自分」を押し殺して日々過ごしていているというか…もしかしたらギャルの奔放さ、ストレートな姿勢に憧れているのかも…。

わからないです(笑)ただ、そういった感想があってもいいのかもしれないですね!

【プロフィール】赤荻瞳(あかおぎ ひとみ)1996年生まれ、埼玉県出身。ギャルサークルに所属するために上京し、18歳でギャルサーを卒業。2015年、広告制作会社に入社。2018年3月にWEB版『egg』復活に伴い、編集長に就任。WEB版『egg』運営する「エムアールエー」代表も務める

リアルな雑誌は、みんなへのプレゼント

とくにYouTubeには力を入れている?

そうですね。いま若い子たちにとって紙よりYouTubeのほうが生活の一部みたいになってるじゃないですか。情報量が多いし、身近なのはやっぱり動画ですよね。

あともうひとつ。広告でマネタイズしやすいのが動画でもあるんですよね。そこで安定的な収益基盤をつくって、いろいろなメディアに展開していけるようにしています。

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最近だと雑誌も復活しましたよね。

そうですね。雑誌は年2回の発行を予定していて。位置づけとしては、ファンの方、モデルさんたちへの恩返し、プレゼントみたいなもの。やっぱり形に残るものってうれしいじゃないですか。もちろんうまくいけば話題づくりにもなります。

連動というところでいうと、雑誌のなかにQRコードでYouTube動画に跳べるようしたりはしています。

たとえば、メイクの企画があったら、雑誌ではどんな道具を使ってるか一覧を見やすく伝え、やり方は動画を見てもらう。そこからWEBで買ってもらう導線につなげたり。

ただ、すごく戦略的にやっているわけではなくて。それぞれできることが違うので、分けて使い分けられたらいいかなくらいの感じです。

Twitter、インスタ、TikTokの使い分け

メディア運営において「Twitter」「インスタ」「TikTok」ここをどう使い分けているか、気になります。

まず前提として、それぞれの良いところをうまく使っていく、それだけなんですよね。

インスタは拡散力が弱いけど、世界観を表現しやすいので「絵力」があるものを出すようにしていて。旬なことは、ストーリーで発信する。

Twitterは拡散力が強い。たとえば「雑誌を復刊させるのに何万リツイートいったら復活させます」というキャンペーンはTwitterでやりました。

1万RTで達成!とやろうと思ったんですけど、1時間ちょいで1.5万RTぐらいいって、すぐ達成しちゃったんですけどね(笑)

YouTubeは先ほどお話したマネタイズと、濃い発信。動きのある「最新のギャルメイク」や「生態」あとは「エンタメ」などの発信に使っています。

最後、TikTokですが、効果は見えづらいのですが「認知獲得」につながっているんじゃないかなと思います。インスタやTwitterと全然違って、TikTokってかなりランダムに動画が表示されるっぽいんですよね。

バズってるものが比較的バッて表示される。突然「なんだこのギャルは…?」みたいな(笑)『egg』やギャルと偶然出会ってもらえる。じつはTikTokが一番フォロワー数多いんですよね。

いま。31.5万ぐらい(2019年11月現在)。立ち上げた頃からずっとやっていて、「ギャルの認知」にじつは一番貢献してきてくれてたんじゃないのかなと思っています。

あとは、モデルさんをスカウトするときにもSNSは使っていますね。

インスタでファッションの世界観を見て、TikTokで動画配信ができるか見て。Twitterだと「どういう子なんだろう?」という内面を知るようにしています。

育児するママが、ギャルを楽しんだっていい

これだけ多岐にわたって少人数でSNSを運用できているのはすごいですね…。

あまり自分たちだと実感がないですね(笑)ただ、やっぱり『egg』の強みって「モデルとの距離の近さ」なのかなぁと思っていて。自分たちがおもしろいと思えるものをモデルさんたちと一緒につくっていく。モデルさんとの関係ありき。

で、編集部として大切にしているのが、ちゃんとそのモデルさんたちの「強み」や「差」を見てあげることなんです。

そもそもギャルの「普通」って、ギャル以外の人との「普通」と全然違う。自分たちがやっていることのユニークさにあまり気がつけないんですよね。

たとえば、化粧する時に「ポスカ」とか「マッキー」とか油性ペンを使ったり(笑)。「それ、おもしろいよ」を教えてあげる、引き出すのは編集部の役割かも。

メイクだったりとか、何を持ってるかとか。発想が豊かだし、自由ですごくおもしろいんですよね。

それと、見た目だけじゃなくて、「彼女たち自身」にフォーカスをしてあげる。たとえば、最近だと、現役高校生のギャルママで「せいな」というモデルさんがいて。

たぶん『egg』の歴史にもいなかったし、他のティーン向け雑誌にも「ギャルママで高校生」っていなかったんじゃないかな。

せいなは、子どもが産まれて育児がはじまったときに「このまま、生活が育児中心になっていくのかな」と思ったみたいで。

もともとあった芸能界って夢を「やっぱり叶えたい!」と『egg』のモデルにチャレンジしたいと言ってくれた女の子なんです。

彼女には「ママでもできるおしゃれを広めたい」という思いがある。若いママさんって「爪は短くなくちゃいけない」みたいな社会の「あたり前」ってありますよね。

でも、彼女が言っていたのは「ネイルをつけても、料理とか、掃除とかできるよ」と。もしかしたら新しいギャル、これからの時代のモデルになっていくんじゃないかなと思っています。

(つづく)

第2回目はこちらから!
>>>[2]「うじうじ悩むとかもったいない!」 egg 赤荻瞳に学ぶギャル精神



編集 = 白石勝也
取材 / 文 = 黒川安莉


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