2020.02.03
サイトリニューアルで社内外から100件も猛反発が! リクルートPdM時代に学んだ「現場を知る」大切さ

サイトリニューアルで社内外から100件も猛反発が! リクルートPdM時代に学んだ「現場を知る」大切さ

カーセンサーでのPdMを経て、コーチングサービス『mento』で起業した木村憲仁さん。学生時代からWebデザイン、プログラミングを経験。「スキルのある新卒」としてリクルートへ。新卒で大規模サービスのリニューアルを任され意気込むも、リリース間際に社内外から反発の声が100件以上も届く! 彼が学んだのは「現場を知る」ことの大切さだったーー。

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全3本立てでお送りいたします。
[1]サイトリニューアルで社内外から100件も猛反発が! リクルートPdM時代に学んだ「現場を知る」大切さ
[2]良い上司に出会えなくても大丈夫? 自分で自分をマネジメントする方法|木村憲仁
[3]タフな仕事を楽しくにのりこえる!コーチングサービス『mento』木村憲仁流 ココロの健康法

「お前は中途採用だと思って扱う」

-もともと新卒1年目からPdMとして働いていたと伺いました。なぜすぐにプロダクトの企画や開発に携われたのでしょうか?

もともと学生時代からWebデザインやプログラミングスキルをある程度身につけていたんですよね。当時、リクルートも社内にWebやネイティブアプリを作れる人材を本格的に採用しはじめていて。配属された部署も専門性のあるメンバーが少ない状況。早々に「お前は中途採用だと思って扱う」と言われました。

リクルート出身者あるあるですが、例にもれず「リクルートは経験を積むための通過点」という意識が強くありました。なので、入社当時からとにかくたくさん打席に立ちたいと考えていました。究極、失敗してもいい。チャレンジングな仕事がしたい、と。

-どんな仕事を?

今っぽく言うといわゆるプロダクトマネージャー(PdM)のような職種に配属され、カーセンサーという中古車メディアの担当になりました。

当然新卒らしくミーティング設定みたいな雑用も多かったのですが、新機能の企画・画面設計・ワークフローをつくったり、プロダクトのKPIモニタリングをしたりが中心。その傍らでマスプロモーションの仕事なども含め、幅広くやらせてもらいました。

もう6年ほど前なので今は全くそんなことないんですが、当時フロアには毎日怒号が飛び交っていたりもして(笑)ツメられること多かったですね。とにかく熱かった。

ただ、すごくそれも含めて楽しかった。カルチャーショックはあれど、ガムシャラに働き、自分を適応させていきました。

【プロフィール】木村憲仁(きむらのりひと)|株式会社ウゴク代表取締役。1990年生まれ。大学卒業後、株式会社リクルートホールディングスに新卒入社。リクルートマーケティングパートナーズのUXデザイン部門にて、カーセンサーを4年半担当。2018年10月に退職して起業、人生を賭けるテーマを探す中でコーチングに出会う。2019年1月にパーソナルコーチングサービス「mento」を発表。

任された、売上3桁億事業のサイトリニューアル

-そこからリニューアルプロジェクトのリーダーに?

そうですね。入社半年くらいして、カーセンサーのWebリニューアルプロジェクトが進行していて、先輩から引き継ぎ、プロジェクトリーダーになりました。

売上規模としては3桁億円、500人以上の営業がかかわる事業の柱。当然大変なプロジェクトですが、カジュアルに「やってみる?」って振られて。「はい」と受ける感じでした。

-プレッシャーはなかったですか?

もちろんありました。ただ、自分がその時の全力でやって失敗しても「任せた側の責任」でもあるとタカを括っていたところはあるかもしれません(笑)

それに、危ないところはケアしてくれつつ、全力でバット振っていい、という環境があった。その懐の広さというか、心地よさに思い切り身を預けてフルスイングしました。

-なぜ、それだけの仕事を任せてもらえたと思いますか?

シンプルに、人が足りていなかっただけな気もします(笑)が、一番有り余るやる気が出ていたからかもしれません。「なんかおれに面白いことやらせてくれ」みたいな。自分の向上意欲、プロダクトを良くしたいという思い、成果へのこだわり。あとは持っていたスキルが噛み合っていたのかもしれません。

同時に意識していたのは、期待値を超えていくこと。

新人時代って「しょうもないな」っていう仕事も正直任されることがあるんですよね。そのなかでちゃんと他社事例を集めたり、エビデンスをとったり。できることはある。

その積み重ねが信頼の貯金になるのだと思います。教育担当の先輩から着任当初に「まずは半年で信頼貯金を貯めよう」と言われて、なるほどなと思った記憶があります。

また「社会人として、かくあるべき」みたいなのが、そのタイミングで上司から学ばせていただいた部分が多かったです。「手触りのある一次情報を取りに行け」「不確実なことにこそ徹底的に向き合え」と言い続けてくれたんです。そのアドバイスは、ビジネスマンとしての行動指針になりましたね。

「現場を知る」ことの大切さ

-失敗体験について聞かせてください。プロジェクトを進めていく中でぶち当たった壁はありますか?

ことプロダクトまわりに関してはうまく進行はできるイメージがあったんですが、営業やクライアントへの共有で大きな壁を感じました。

純粋にサービスを使ってくれるカスタマーのことを考えて「もっと使いやすくしよう」、それで問い合わせが増えればクライアントも営業も喜んでくれるだろうと安直に考えてリニューアルを試みたのですが…いざ直前になると全国のクライアントや営業担当者から100件近い不満が飛んで来たんです。

「こんな変更をする意味がわからない」
「これまでクライアントに説明してきた商品価値が破綻する」
「使いづらいから元に戻してくれ」

想像していなかった角度からマサカリがたくさん飛んで来て、狼狽しました。ちゃんと必要な決裁は通して丁寧に説明したのに...どこで怒りを買ったのか全くわからない。

一つ一つの声に答えていく中で、お客さまはインターネットやマーケティングの事に詳しくない方が多く、細かいことは抜きに営業担当者を信頼してお金を払っている人たちが多かった。そのつながりこそがビジネスを支えていたことに気づかされました。僕には圧倒的に現場のリアリティが足りていなかったんです。

とにかく理解を得るために、連日徹夜で資料を作り、全部丁寧に説明していきました。必要とあらば現場に足を運んで手触りを確かめたり。プロジェクト自体は成功に終わったのですが、それは自分の手柄というよりも、ほとんど現場で受け止めてくれた営業担当者たちのおかげ。

強いマッチングビジネスの本質は、需給両面の接点力であるということを実感を持って学ぶことができた経験でした。また大きな組織を動かすときに、拙速で上から情報を下ろすと現場がいかに混乱するか。板挟みに合って理解できたことは、経営者としてこれから組織を大きくしていく上で想像力を養う機会となりました。


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偉大なリーダーも誰しもが最初は普通の人だったという前提ではじまるこの本は、これからリーダーシップを発揮したいと考えている人にはうってつけの本だと思います。リーダーシップには「リード・ザ・セルフ」「リード・ザ・ピープル」「リード・ザ・ソサエティ」の三段階があり、社会をリードするにはまずは自分をリードする必要があるという考え方が特に好きで、意思決定に迷ったときは常にここに立ち返るようにしています。


編集 = 白石勝也
写真 = 長谷川純菜
取材 / 文 = 黒川安莉


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