サムライインキュベートCEO 榊原健太郎氏を審査員に迎えて開催された第6回CAREER HACK MTG。投稿された全63アイデアの中からベストアイデア賞に選ばれたのは――。
「エンジニア中心のチームで面白いアイデアが投稿されれば、実行の支援も検討する」榊原氏も、相当の期待を込めて行なわれた今回のCAREER HACK MTG。日本から世界で通用する企業を生みだすための多種多様なアイデアの中でベストアイデア賞に輝き、任天堂Wii Uを手にするのは…。
▼ベストアイデア
榊原:
審査の軸は、「世界で通用する企業を“日本から”生みだすために、今の日本が抱えている問題の根本に焦点を当てたアイデア」であるということ。
アイデアの軸の中心となるものは―教育・英語・経営―、この3つの視点だと思います。
そして、私個人としても一番変えていかなければならないと考えている分野が『教育』だと考えています。
その評価軸から、「プログラミングを義務教育に入れる」をベストアイデアとさせて頂きました。投稿されたアイデアの中でも『教育』分野に焦点を当てたものが多くありましたが、なかでも重要なのが『プログラミング』だと思います。いま世界で通用する企業となるとウェブ関連が一番可能性が高いですし、一番直結するスキルとなるのではないでしょうか。
特に日本は少子高齢化が進行し、これから労働人口がどんどん減少していきますよね。そうなると、どれだけ少ない人数で効率よく生産していくかが問題となってくる。プログラミングは論理的な思考力の強化、さらには英語と触れる機会にもなるので、それを義務教育に取り入れて行うことは非常に価値が高いと思います。
榊原:
日本企業のサービス・プロダクトがなかなか世界で大成できない理由の一つとして、成熟した国内市場の存在が挙げられます。
つまり、「ドメスティックなサービスでもある程度の規模を持った利益を獲得できてしまう」というある種の弊害が生まれている。
その観点から考えると、次点として挙げられるアイデアはこの2つになるでしょう。
▼次点
私自身、日本が見習うべき国は韓国やイスラエルのような国ではないかと思います。
「日本語を捨てる」は「外国語(英語)を習得する」ということに換言できると思います。たとえば、韓国は英語教育が非常に熱心に行なわれており、国内市場がそれほど大きくないため、はじめから海外で利益を得ることを志向しています。業界は異なりますが、日本でのK-POPの流行、そしてサムスンの全世界での成功はまさにその戦略が活かされた好例でしょう。
多くの日本人にとって、英語が話せないというだけでなく、英語に対する苦手意識が海外と繋がりを持つ機会を逃す要因となっています。海外でコミュニケーションを取って、世界とつながらないと、マーケットにも出ていけないし、人脈も広がらない。お金も引っ張ってこれない。日本だけですよ、スタートアップで海外と人脈を広げる意識がこんなに低いのは。
また起業に関して言えば、イスラエルは本当にすごい。日本では報道などから、イスラエルに「戦争の国」のような印象をもっている方が多いかもしれませんが、人口700万のうち100万人が起業していると言われており、世界最先端の技術開発がベンチャー企業のレベルで行なわれているんです。
優れたテクノロジーを生む企業はすぐにアメリカ企業にM&Aされ、その技術は買収元の企業の製品に利用されています。
日本でも起業風土を生みだしていくためには、「必ず一人一回は起業させる」というアイデアのように起業を前提とした大学院を創設することも一つの手段でしょうし、法人税の減税化や海外のVC誘致、本格的なIT特区の整備などの、有効な制度があれば、起業を促進する後押しになると思いますね。
現在開催中の第8回CAREER HACK MTGの審査員はnanapi代表の古川健介氏。《プログラミングが出来る人を、5年で今の10倍にするためにはどんなことをすればいいか?》というお題です。
既に100を超えるアイデアが集まっていますが、まだまだあなたのアイデアを受け付けています。応募は来月6/15(土)まで!
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編集 = CAREER HACK
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