7/21(日)に控えた参議院選挙。今回、CAREER HACKでは“WEB/IT”というキーワードで、主な政党が公開しているマニフェストをチェックしてみた。一体、どんな政策が掲げられているのだろうか。
自民党が政権に返り咲いてはや半年。参議院選挙の投票日も、いよいよ間近に迫ってきた。各党・各候補者の政策・主張をチェックしている方もいらっしゃるだろう。
今回CAREER HACKでは、「WEB/IT業界の市場環境・労働環境」という観点で主な政党の公約・資料をチェックしてみた。ここでは、上記観点に直接関連しうる政策・ビジョンを、簡単にご紹介していきたい。
与党・自民党の公約で目をひいたのは、「世界最先端IT国家創造宣言」という文言。2020年までの政府のIT政策の指針となる新戦略であり、ビッグデータの活用や公共データの開放など、さまざまな方針が掲げられている。
「世界で最もイノベーションに適し、技術でもビジネスでも勝ち続ける国」を創るために、人材育成・予算・制度・研究体制を改革し、基盤を強化。
今後5年以内に世界経済フォーラムのイノベーション・ランキング世界1位を目指す、としている。
公明党の公約で気になったものの一つが、「NEWビジネスチャレンジローン」。起業準備期間の生活支援を目的に、貸与型生活助成金を導入するという施策だ。
また、「経営支援・行政手続簡素化と一体となった商業インキュベーション施設」の設置や、地域の経営資源を活用した起業支援も目指していくという。
「ICT技術を用いたイノベーションの推進」を目指すという民主党。起業を支援する投資ファンドの設立、若者・女性の起業支援なども進めていくという。
また、雇用問題で注目を集める『ブラック企業』についての内容も。「求人票に離職率を明記させることをめざす」という具体的な表記があった。
日本維新の会が掲げる経済政策で目を引いたのは、以下の競争政策三点セット。・補助金からバウチャーへ、供給者からの転換・新規参入規制の撤廃、規制緩和の促進・破産法・民事再生法の中小企業向け要件緩和の促進
また、法人税・所得税の減税や、新卒一括採用を改め中途採用を拡大する、といった点についても言及されている。
医療品販売に代表される過度な対面販売規制を完全撤廃し、ITビジネスを促進すると主張するのは、みんなの党。
「起業・事業発展のための資金調達手段を多様化する」という内容が目を引いた。具体的には、クラウドファンディングの法整備と、出資と融資の中間の資金提供手段であるメザニンファイナンスの推進が明記されている。
また、働き方の多様性を認め、「無期・直接雇用=善」という固定概念を捨てる、という雇用制度改革に関する言及も。
生活の党では、「中小零細企業の育成・再生支援」政策を掲げている。
中小企業に対する融資支援制度の拡充、税制上の措置などにより、新規事業への参入や事業の統合・再編などがしやすくなるよう、環境整備を進めるとのことだ。
また、金融機関の中小企業融資についての記述も。個人保証を撤廃し、連帯保証人制度の在り方を改善していくことにも踏み込んでいる。
労働者視点の政策を打ち出す日本共産党。興味深いところでは、“サービス残業”根絶法の制定を目指すという。
併せて、企業の持つ内部留保金を、賃金の上乗せや雇用の確保に使うよう働きかけていくとも宣言。
社民党の政策で目に止まったのは、国内のクリエイターの労働環境を把握・改善していくというもの。中小零細企業を主導としたクールジャパン事業の拡大を目的とした政策だという。
また、ブラック企業の改善についての言及も。「企業の採用サイトに、離職率や平均勤続年数の表示を義務付ける」と明言している。
「ワークシェアリングで、労働時間/収入/売上/仕事の分かち合いを促進する」という政策を打ち出しているのは緑の党。
さらに、「若者基礎年金」で30歳以下に年収200万円を保障する政策も掲げている。
「ベンチャービジネスの育成」や「事業者の視点にたった中小企業支援」を掲げるみどりの風だが、一方で目をひいたのは、多様な就労体系の実現を目指している点。
具体的には、「フリーランスの適正な収入・労働条件の改善(中間マージン規制)」や「同一労働・同一賃金の実現」等を掲げている。
以上簡単ではあるが、WEB/IT業界に直接関わりのありそうなこと、という観点で政党の公約をピックアップしてみた。
WEB/IT業界は、今後ますます成長を続けていく分野であり、これからの日本経済をリードする存在になっていくべきもの。
業界を支えるエンジニア・クリエイターの声がきちんと政治に反映され、よりよい制度や環境が生まれてくることを願うばかりだ。
編集 = CAREER HACK
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