ユーザベース主催で『HTML5』をテーマに据えたエンジニア勉強会。ヤフーやリブセンスなどのエンジニアも参加した本イベントの、プレゼンテーションやLTの模様をお伝えする。
去る6月某日、BtoB向け企業・業界情報サービス『SPEEDA(スピーダ) 』とBtoC向け経済ニュースサービス『NewsPicks(ニューズピックス) 』を運営するユーザベース主催のエンジニア勉強会が行なわれ、ヤフー、リブセンスを始めとした、技術に強みを持つWEB/IT企業から創業間もないスタートアップのエンジニアたちが集まった。
「HTML5」を勉強会のテーマ据え、ビール片手にフランクな雰囲気で行なわれたプレゼンテーションとLT(Lightning Talk)。今回のCAREER REPORTでは、その中でも2つのプレゼンテーションとLTの様子をお伝えする。
【安全なID連携のハウツー】
ヤフーのエンジニア、そしてOpenIDファウンデーション・ジャパンのエバンジェリストとして活躍する倉林さんのプレゼンテーションでは、最近問題が多発しているセキュリティ分野から「ID連携」がトピックスに。
「サイト構築ではそこまで難しいものではないが、ID/パスワードの管理はコストが高くつく」「リスクは分散させなければいけないが、ID/パスワードはひとつにまとめた方がいい」と語る倉林さんは、IDに関してはアイデンティティ・プロバイダ(IdP)に任せ、自社はコンテンツやサービスに注力すべきだと述べた。
発表資料:
http://www.slideshare.net/kura_lab/20140605-uzabase
【データビジュアライゼーション - dc.jsで遊ぼう】
HTML内にSVGを直接記述できる「Inline SVG」がHTML5でサポートされたことを受け、複数のチャートを連動させる多次元チャートライブラリ『dc.js』をテーマにプレゼンテーションを行なったユーザベース・SPEEDA品質改善チームの清水さん。
dc.jsは、かなり少量のコードで複数のチャートにまたがったフィルタ処理ができるのが特徴。終盤にはユーザベース社のSPEEDAから取得したデータを基に、デモが行なわれた。指定したチャートを操作すると、その他のチャートも動的に表示される動きは驚きだった。
参考サイト:
http://dc-js.github.io/dc.js/
【あなたのメンタルモデルあってますか?】
エンジニアたるもの、新しい技術などにはまず「試してみよう」と思うのが常だろう。株式会社シェルフの矢野さんは、Java 8でラムダ式を使用するコレクションAPI「StreamAPI」を試した際の経験から「メンタルモデル(認識の形)の重要性」を共有した。
矢野さんはStreamAPIを使って
「いくつかの関数のうち、戻り値が条件にマッチした際その最初の戻り値を返す」
という処理を志向した。しかしStreamAPIではsomeに当たるメソッドがないため、Javaのmap/filterを使って処理する方法を考えたという。
「ただそうすると、複数の値が全て評価されてしまうのではないかと思ったが、そうではなかった」と語るように、StreamAPIの実際の動きとは異なる認識をしてしまっていたという。
「根底から間違うと、それ以降全部間違う」という言葉に集約されるように、最初に正しい理解をする重要性を実体験をもって語るLTだった。
主催のユーザベースは、日頃の情報共有やエンジニア個々の外部勉強会への参加とは別に、数ヶ月に1度テーマを定めた勉強会を社内に限って開催してきたという。今回、初めて社外のエンジニアを招き、40名近くの参加者を集めた。
興味深かったのが、設定したテーマ・勉強会の雰囲気共に「ユルさ」があったことだ。
「HTML5」という大きなテーマを掲げることで、フロントエンドからサーバーサイドまで幅広い技術ネタで発表が行なわれていたのが印象的だった。また、プログラムの開始前から多くの人が用意された軽食とともにアルコールを飲み、登壇者もオーディエンスもほろ酔いになりながら、プログラムが進むことで、積極的に質問も各所で出ていた。
編集 = 松尾彰大
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