ソーシャルリクルーティングサービス Wantedlyを手がける若手起業家 仲暁子さんを審査員にお迎えして開催した第4回CAREER HACK MTG。投稿された全96アイデアの中から、ベストアイデア賞に輝き、《Nike FuelBand》を手にするのは?
全てのアイデアに目を通した仲さん曰く、「新しい発見は少ないけど、共感できるアイデアはすごく多い!」。気になるアイデアにチェックを付けていったところ、全体の半数近くにチェックが付いたほどでした。果たして、その中で仲さんの心を最もとらえたアイデアとは!?
仲さんによる選出のポイント
選考のポイントとしてあったのは、それがイノベーションを起こすことを前提としたアイデアになっているか。
今回のお題の「生活の一部になるウェブサービス」とは、言い換えれば「絶対になくならないウェブサービス」ということです。投稿作品の中にも非常に多かったのですが、「すでに生活の一部になっているものを、WEBを使ってより便利にする」という発想は一つのやり方として、すごく正しい。というか、むしろビジネスとしては非常に賢いやり方。例えば《駅探》なんて、超「生活の一部」ですよね。
でも、それが「イノベーティブか」と言われると、やっぱり違うと思うんです。個人的な考えではあるのですが、ウェブサービスを作るのであれば、既存の何かの置き換えではなく、そこから新しい文化が生まれるような“イノベーション”を起こすものであってほしい。今回私がこのお題を出したのも、新しい価値を世に問うて、それが受け入れられて生活の一部になる、言わば人の行動を変える力のあるサービスを作るためのアイデアを聞いてみたかったからでした。
例えば、サンフランシスコでスタートした《AirBnB》というウェブサービス。ユーザー同士が自宅の部屋を貸し借りできるという旅行者向けの「空き部屋マッチング」サービスで、ものすごい勢いで成長しているのですが、これも単に「旅行を便利にするためのツール」「既存のホテルの置き換え」ではなく、「現地の人とのコミュニケーションや現地での生活を体験できる」という旅行の新しい楽しみ方を提供するものです。
タクシー配車サービスの《Uber》もそうですね。スマートフォンのアプリを使ってタクシー・ハイヤーを自分がいるところまで“呼べる”サービスなのですが、ある意味、今までにない新しい移動手段を提供しているサービスだと言えるでしょう。
前置きが長くなりましたが、《AirBnB》や《Uber》のようにイノベーティブなウェブサービスというのは、ニーズではなくウォンツ、つまり消費者の“強烈なデザイア”に訴えかけるものでなければならないと思います。「何かいい暇つぶしってないかな…」というような漠然としたニーズとは全く違う、「○○がしたい!」「○○が欲しい!」という強烈な欲求です。
私自身もWEBサービスを考える際には、
1. シンプルであること
2. コンセプトがしっかりしていること
3. ニーズではなくウォンツを捉えること
という3つのポイントを重視していて、特にこの「ウォンツ」はめちゃくちゃ意識しています。ただそれって簡単に見つかるものではないし、むしろ見つけた気になってしまうことのほうが多いんですよね。そうすると、ウェブサービスをリリースして多少話題になったとしても、結局は一過性のものとしてすぐ下火になってしまう…。
そういうことを考えたときに、この『 「使いたい」ではなく、「使わなければならない」必要性を考えぬくこと 』という回答がすごくしっくりきました。特に、必要性を”考えぬく”という言い回し。単に考えるだけじゃ足りないんですよね。もっと日常的な習慣として、考えぬかないといけない。基本的なことではありますが、イノベーティブなウェブサービスを志す人にとっては、とても重要な意味のある回答だと思いました。
受賞されたSwatweetzさん、おめでとうございます! FuelBand、使ってくださいねー!
第5回の審査員は、NHN Japanの田端信太郎さん。最近出版された著書『MEDIA MAKERS』も非常に話題になっていますね。
田端さんご自身がNHN Japanで《NAVERまとめ》《BLOGOS》といったWEBメディアの“マネタイズ”を担当されているとあって、WEBビジネスの“本質”をつく鋭いお題です。無機質な1クリックをいかにして気持のいいものにするか。ベストアイデアに選ばれた方には『Kindle Paperwhite 3G』をプレゼント!締切は12月20日。回答数に制限はないので、どんどん投稿してください!
編集 = CAREER HACK
4月から新社会人となるみなさんに、仕事にとって大切なこと、役立つ体験談などをお届けします。どんなに活躍している人もはじめはみんな新人。新たなスタートラインに立つ時、壁にぶつかったとき、ぜひこれらの記事を参考にしてみてください!
経営者たちの「現在に至るまでの困難=ハードシングス」をテーマにした連載特集。HARD THINGS STORY(リーダーたちの迷いと決断)と題し、経営者たちが経験したさまざまな壁、困難、そして試練に迫ります。
Notionナシでは生きられない!そんなNotionを愛する人々、チームのケースをお届け。