2013.01.08
エンジニアが意識すべき“市場価値の高め方”―ビットセラー川村亮介のキャリア論[2]

エンジニアが意識すべき“市場価値の高め方”―ビットセラー川村亮介のキャリア論[2]

経営者の視点から、「ないものねだりをしない」「あきらめない」人材はベンチャーの適性が高いと語ってくれた川村氏。テーマを優秀なエンジニアの定義、そしてエンジニアの市場価値へと移す中で、「社内バリューを高めることが、市場価値を決める」という興味深いキーワードが飛び出した。

スタートアップで活躍するための2つの条件―ビットセラー川村亮介のキャリア論[1]
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優秀なエンジニア=問題解決能力の高いエンジニア

― ここからは、転職市場で評価されるエンジニアという観点から、話を聞かせていただければと思います。



私の考えでは、優秀な人材とは「問題解決能力が高い人材」。ですので、優秀なエンジニアとは「問題解決能力が高いエンジニア」だと言えます。

そして、エンジニアとして解決すべき問題は大きく2つ。つまり、優秀といえるエンジニアにも2つのタイプがあります。

一つはエンジニアリングスキルが非常に優れていること。難易度の高い技術的な問題を解決できる力で、プレイヤーとしての能力が高い人を指します。

もう一つは、ディレクションやマネジメントに長けていること。こちらはチームプレイをするにあたってのマネージャーとしての能力です。

最近の転職市場に限って言うのであれば、プレイングマネージャーのように、2つの要素を高いレベルでこなせるエンジニアが強く求められているように思います。

社内での価値を高めれば、自ずと転職マーケットでの価値も高まる。

― 色々なエンジニアの方とお会いする機会も多いと思うのですが、多くのエンジニアに共通する課題など、感じたことがありますか?


桂さん(リブセンス取締役 桂大介氏)のインタビューでも、エンジニアにとって、マーケットバリューを高めることが、今後のキャリア形成において重要だと言っていましたよね。



ただし、「マーケットバリュー = 社外の活動」というわけではなく、まずは目の前の課題、社内できちんと成果を出すことが大事だと私は思います。そもそもIT業界においては、“社内でしか評価されない能力”などほとんどありません。「マーケットバリュー = 会社で成果を残すこと」と言い換えることもできると思います。

私自身、優秀なエンジニアの方とお話をさせて頂くことも多いのですが、やはり皆さん“会社できちんと成果を出している人”ばかりですね。


― 選考で重要視するポイントという話ですが、転職を考えているエンジニアに何かアドバイスするとすれば?


目の前の課題を1つずつ解決し、いつも一緒に仕事をしている人からきちんと評価してもらうことが大切だと思います。私たちが選考で重要視するのは、テストと面接の結果、そして“リファレンス”です。いつも一緒に仕事をしている人から評価されているという事実は、転職活動においてもそのまま評価されます。あまりスタートアップっぽくないように聞こえるかもしれませんが、日々、きちんと努力を積み重ねていける人をこそ、どんな会社も求めているのではないでしょうか。

戦っているマーケットは間違っていない。とにかく、トライすればいい。

― WEBの業界の特性として、変化のスピードが早いというものがあります。つまり先が見えにくい、キャリアパスやビジョンも描きにくいということで将来に不安を感じているエンジニアも少なくないと思うんです。川村さんは、これからのエンジニアのキャリアをどう考えていますか?



日本のIT市場は、日本市場全体に元気がない中で、ほとんど唯一と言っていいくらい成長を遂げている市場です。先行きが不透明というわけでは決してありません。

ただこれまでと違うのは、労働力が流動化した点です。これだけ労働力が流動化している業界は、現在のところ、WEBの業界と外資系を中心とした一部の金融業界だけでしょう。しかし今後は、これらの業界以外でも同じような変化があると思います。

戦後、日本市場全体が伸びていた頃は、多くの企業が労働力を確保する必要に迫られていた。だからこそ、終身雇用のように、“売り手有利”な条件が成り立っていたのだと思います。

しかし、今は日本経済全体が成長を止めており、今までの条件を維持することが難しくなってしまった。労働力はどんどん流動化していくだろうと思います。

そんな中にあって、IT業界はそれ自体がまだ新しい産業であり、成長産業です。労働力はすでに流動的で、マーケットでもフェアな競争が成り立っています。そのためITに関して言えば、“社内”で発揮した価値は、そのまま“市場”でも評価される。

だから、今の会社できちんと成果を出すこと、まずはそこに取り組むべきだと思います。SNSが普及したこともあって、社内で成果を出している人のもとには、自分から動き出さずとも、“お誘い”のようなものが舞い込んでくることが増えてきているのではないでしょうか。


― WEB業界のトレンドは、この先どう動いていくと?


むこう5年はスマホとタブレットが本格的に普及してくる。ネットというものがより身近な存在になり、常にネットに繋がっている状態になる。人類は今70億人いると言われていますけど、ほぼあらゆる人が何らかのデバイスを常に持ち歩き、常にネットにつながっているという世界がすぐそこに来ています。

10年後ぐらいには、スマートフォンの普及もひと段落して、マルチデバイスが更に加速されるでしょう。ネットにつながるデバイスが多様化した世界になってくると思っています。


― ありがとうございます。それでは最後に、FxCameraの目指すべきところについてお聞かせください。


日本発で世界中で使われているサービスに成長させたいと思っています。目線となる数字は1億ユーザーだと思うのですが、現実的にそこに挑戦できるサービスはほとんどない。

NHNの《LINE》がもうすぐ世界1億ユーザーというところまで来ていますが、他の日本発のサービスで、その挑戦ができるのはFxCameraくらいではないかと思います。Google Playで2,000万ユーザー以上にダウンロードされているアプリは恐らく世界中で見ても100もないくらいでしょう。スマートフォンはこれからますます普及していくので、目線は高いですが、十分に狙っていけると思っています。

世界で1億人ユーザーがいるとなれば、見える景色も世界も変わってくる。そうした、グローバルで見ても主要なモバイルサービスの1つになることを目指しています。



(おわり)


編集 = CAREER HACK


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