2020.04.16
君たちが主役の時代だ ーー Goodpatch 土屋尚史が「オンライン入社式」で新入社員に語ったこと

君たちが主役の時代だ ーー Goodpatch 土屋尚史が「オンライン入社式」で新入社員に語ったこと

2020年4月1日、UI/UXデザインカンパニー『Goodpatch』には11人の新卒社員が入社した。入社式はオンラインで実施。Goodpatch代表 土屋尚史さんが彼ら、彼女らに贈ったメッセージとは。

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全2本立てでお送りいたします。
【1】 君たちが主役の時代だ ーー Goodpatch 土屋尚史が「オンライン入社式」で新入社員に語ったこと
【2】「書ける人」はリモートに強い。Goodpatch が考える、アフターコロナ時代のマストスキル

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2020年の新入社員は「リモートネイティブ」

2020年、4月。

11人の新卒社員を受け入れ、オンライン入社式を開催した『Goodpatch』。その日、参加した新入社員たちの日報にはこんな言葉が並んだ。

「私たちは新生活をリモートワークから始めた初めての世代になったはずです。近い未来に主流となるリモートワークを今から体験できていることは、間違いなく重要な体験であり、リモートネイティブになれるかもしれないと思いました」

「Zoomをつないで自宅での入社式になってしまったが、画面を超えて同期となる20卒、たくさんの先輩がいると考えると自然と背筋がのびた。良い緊張感。柔らかなムードの中にも、どこかキリッとする瞬間があって、とても居心地が良かった」

その声は「前」を向くものばかり。

Goodpatch代表 土屋尚史さんが彼ら、彼女らに贈ったメッセージとは。

+++新卒メンバーに贈られたウェルカムボード。メンターからのメッセージと自己紹介が書き込まれている。今年は直接渡すことができないため、急遽社内用のオンラインワークスペースツールを使って、作成された。

リモートネイティブが作る新常識

― まず「オンライン入社式」はGoodpatchとしても初ですよね。やられてみた感想は?

個人的には、オンラインの入社式にして凄くよかったと思います。

今までの入社式とすこし様子が違ったのが、新卒の子たちが式に備えて、前日までに練習をしてくれていたこと。当日スムーズな進行ができるように、人事担当者と一緒に準備してくれていました。

たとえば、リモートだと音声や画像が乱れたり、自己紹介のスライドがうまく反映されなかったり、いろんなリスクがある。それを踏まえたリハーサルなどもして。

何より、電車に乗って入社式会場に行く必要もなく、新型コロナウイルスに感染する不安も軽減できた。新卒社員のみんな自身が楽しんでくれてよかったですね。

感じたのは「入社式」ひとつとっても、まだ誰もやったことがないことをしているということ。こういった一つひとつから、未来の当たり前が生まれていくのだと思います。

特にGoodpatchにおける「新卒」は会社の文化に厚みをつくってくれる存在だと感じています。彼・彼女らが、会社の空気を大きく変えてくれるはずです。

+++入社式の一場面「CEOからのメッセージ」
新入社員向け研修もオンラインに切り替えて実施している。その中では、代表土屋さんによる研修も。「Goodpatchのミッション、ビジョンが、どういった経緯で生まれたのか。その裏にどういうストーリーがあったのか伝えました。一方的に話を聞くだけではつらいと思うので、新卒の子たちにも考えて発表してもらう場を作りました」

未曾有の状況だからこそ、君たちの力が必要だ

― そこまで新卒社員に期待する理由とは?

実は以前、Goodpatchには組織崩壊の危機があったんですよね。

(参考)カルチャー崩壊と再構築。 Goodpatchが取り組んだ組織デザインの2年間 - 前編
https://note.com/naofumit/n/n028df2984256

その時、会社が立ち直るきっかけを作ったのは、当時新卒だった17年卒のメンバーたちでした。今もまさに新卒社員が推進力を発揮するタイミング。こういった時期に新社会人になるのは、稀有なことであり、捉え方によってはチャンスにもなりえる、そう僕は思っているんです。

誰も正解がわからない、いままでの常識が大きく覆ろうとしている。どの会社にも多くの荒波が押し寄せている。その波を乗り越える、推進力になってくれるはずです。

+++新卒メンバーに向け、毎年土屋さんがプレゼントしている『ピクサー流 創造するちから』。「ピクサーは、Goodpatchがリスペクトし、目指している最高のチームです」「今後も読み返すなど大切な一冊になるようにと想いを込めて、Goodpatchらしいブルーのリボンでラッピング」(『Goodpatch Blog』より)

「仲間」「成長」「期待」

― オンライン入社式ではどのようなメッセージを贈ったのでしょうか?

前提として、リアルであってもオンラインであっても、本質は変わらない。ですので、今年も毎年の入社式で伝えていることを話しました。

伝えたことは、大きく「仲間」「成長」「期待」についてです。

まず、仲間について。新卒の同期は一生に1回しか出会えない仲間です。まだ自分が「何者でもない」ときに出会える人たちでもある。スキルのばらつきは多少あるかもしれないけど、みんなが同じスタートライン、その時点では全員がフラット。そういう時に出会える同期は、損得勘定なしで助けあえる存在であり、人生の宝になる。ぜひ同期を大切にしてほしいと伝えました。

次に「成長」についてはこんな話をしました。壁にぶつかった時、その人がどんな姿勢で壁と向き合うのか。同僚やクライアントは必ず見ています。だからこそ、ぜひ何度も挑戦し、失敗し、立ち直ってほしい。その先に一つの成長があるんだ、と。

そして最後に「期待」です。先ほどもお伝えしたとおり、この誰も経験したことのない状況を開拓していく当事者であり、主役になれるチャンス。Goodpatchという会社が描くストーリーの登場人物として、波を起こしてほしい。そういった覚悟を持ってほしいと伝えました。「あなた達がGoodpatchのストーリーの可能性を広げていくんだ」と。それがきっと、自分のストーリーにもつながっていくはずです。

<続く>

【1】 君たちが主役の時代だ ーー Goodpatch 土屋尚史が「オンライン入社式」で新入社員に語ったこと
【2】「書ける人」はリモートに強い。Goodpatch が考える、アフターコロナ時代のマストスキル


文 = 田尻亨太
取材 = 平野潤


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