2020.04.16
「書ける人」はリモートに強い。Goodpatch が考える、アフターコロナ時代のマストスキル

「書ける人」はリモートに強い。Goodpatch が考える、アフターコロナ時代のマストスキル

2018年からフルリモートチーム「Goodpatch Anywhere」を立ち上げ、リモートを推進してきたGoodpatch。新型コロナウイルス感染拡大を受け、2020年2月中旬から3月にかけてフルリモートへ。リモート時代に求められるスキルとは? 代表の土屋尚史さんに聞いた。

全2本立てでお送りいたします。
【1】 君たちが主役の時代だ ーー Goodpatch 土屋尚史が「オンライン入社式」で新入社員に語ったこと
【2】「書ける人」はリモートに強い。Goodpatch が考える、アフターコロナ時代のマストスキル

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2018年から試してきたリモート

「リモートに切り替えるなら早いに越したことはないと思いました。何より、意思決定が遅くなって社員に万が一のことがあってはいけない。早い意思決定が、社員の安心につながると思いました」

こう語ってくれたのが、Goodpatch代表の土屋尚史さんだ。

UI/UXデザインカンパニーとして知られるGoodpatchは、2020年2月中旬から3月にかけて全社員をリモートへ。また、従業員がリモートワーク環境を整えられるよう上限2万円の「リモート手当」支給を決定した。

実は、1年半前から『Goodpatch Anywhere』というデザインチームで、フルリモートによる働き方を模索してきた同社。

「リモートワークのナレッジが蓄積されてきた。だからこそ、全社をリモートに切り替えても大崩れはしないだろうと予測できました」

そんなGoodpatch 土屋さんと、来る大リモート時代、活躍するために重要なスキルについて考えた。

+++フルリモートデザインチーム「Goodpatch Anywhere」
フリーランサーをチームとして組成した、ギルド型組織。クライアント企業の新規事業やUX改善などを、フルリモートで行っている。メンバーは日本の地方や海外から参加している。

ベースは「心理的安全性」

「Goodpatch Anywhere」では、1年以上にわたりフルリモートでクライアントワークを手がけてきたと伺っています。チームづくりや業務の進め方で工夫したことはあるのでしょうか?

初期メンバーたちが「心理的安全性の高いチームづくり」を心がけてくれていました。

その1つが、「何かを発言しても否定されない」という雰囲気づくり。

どうしても文字でのやり取りだけだと、時に "キツい伝わり方"をしてしまう時がある。だからこそ、伝え方の部分を工夫したり、ZoomやSlackを使って、対面で仕事をしているときと同じような心の距離を保てるよう心がけています。

また、フリーランサーゆえ一人ひとりの活動時間帯が違うという状況もありました。海外にいるメンバーだと、時差の問題も。だからこそ、メンバー同士の理解や配慮を前提にした上で、仕事ができる仕組みを作っていきました。

+++(「Goodpatch Anywhere式リモートコミュニケーションマニュアル」より)

リーダーに求められる、テキストコミュニケーションのスキル

コロナウイルスとの戦いが長期化することで、私達の働き方も変わってくると思います。リモートでのコミュニケーションが前提になった中で活躍を続けるには、どんなスキルが求められると思いますか?

とくに経営者をはじめリーダーは、長文やチャットも含めたテキストコミュニケーションスキルが必須になると感じています。

実際に、多くの日本企業が今後ChatworkやSlackなど、チャットツールを導入せざるを得なくなると思います。その中でリーダーには、テキストで組織をまとめることも必要になってくるはずです。1:n のコミュニケーションも増えるかもしれません。

そういった中、どうコミュニケーションを取るのか、どんな伝え方をするのかで、メンバーの感情は大きく変わってくると思うんです。

たとえば、誰でも1回は経験があると思うのですが、メールやチャットの文章を見て「怒られたかも…」「呆れられたかも…」と、勝手に傷ついてしまったことってありませんか?ただ、直接本人に会って喋ってみると全然怒ってなかった、ということって少なくない。

相手の表情や声色がわからない分、テキストだとどうしても伝わりづらくなってくる。だからこそ、そういった誤解を生まない配慮が求められるんです。

逆にテキストコミュニケーションが上手くできる人は、リモートワークが当たり前になっても事業を加速させられると思います。 




「書ける人」はリモート時代に強い

実際、テキストコミュニケーションではどんなことを心がければいいのでしょうか?

ほんの少しのことでも、相手に与える印象は変えられると思うんですよ。

・言葉尻に絵文字や「!」をつける
・即レスする
・チャットで長文は送らない

これだけでもテキストから「配慮」を伝えることができる。また、文章の丁寧さよりも、レスポンスを早く返すことも重要ですよね。もしかしたら、スタンプ1つ送るだけでも十分かもしれない。

+++「Slackのスタンプでのリアクションの例。誰かの発信に対してスルーという状況を生み出さない意識を大切にしている。」(「Goodpatch Anywhere式リモートコミュニケーションマニュアル」より)

昔のメールだと、「お世話になっております。○○の○○でございます」という挨拶から文章が始まりますが、あれをチャットでやると完全にNGですよね。そういった"テキストコミュニケーションリテラシー"はさらに重要になるはずです。

"飲みニケーション"で商談をまとめたり、マネジメントしたり…という対面の時代から大きく変わろうとしている。そういう中で「書ける人」は強いし、「書ける人」がいる会社は伸びていくと考えています。

結局は、ダーウィンの言葉ではないですけど、変化に対応する力なのかもしれない。既存のルールや価値観が変わる中で、柔軟に変化できる人こそが、活躍し続けられるのだと思います。



【1】 君たちが主役の時代だ ーー Goodpatch 土屋尚史が「オンライン入社式」で新入社員に語ったこと
【2】「書ける人」はリモートに強い。Goodpatch が考える、アフターコロナ時代のマストスキル


文 = 田尻亨太
取材 = 平野潤


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