2020.04.30
お店で働けない「アパレル店員」をリモート雇用。ファッションブランド『foufou』のアイデア

お店で働けない「アパレル店員」をリモート雇用。ファッションブランド『foufou』のアイデア

「アパレル販売員でお店が閉まってしまった方!リモートでアルバイトしませんか?」。緊急事態宣言が発表された翌日、こんなツイートが駆け巡りました。発信したのは、D2Cアパレルブランド『foufou』デザイナー兼代表のマール・コウサカさん。その狙いとは?

全2本立てでお送りいたします。
【1】 愛おしい服が一着あれば「外出自粛の日常」も輝かしいものになる|foufou マール・コウサカ
【2】お店で働けない「アパレル店員」をリモート雇用。ファッションブランド『foufou』のアイデア

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「リモートアルバイト」を募集

D2Cのアパレルブランド『foufou(フーフー)』がユニークな取り組みをしています。

アパレル販売員の方を「完全リモートのアルバイト」として募集。日本全国から約500件もの応募が寄せられたそう。

この募集の背景にある、マールさんの考えを聞きました。

「出前館」がヒントになった

ー「リモートのアルバイト募集」、とてもユニークですよね。今回募集をした「新作リモートレビュアー」は、どんなお仕事なんでしょうか?

ありがとうございます。具体的には、『foufou』の新作をご自宅に送って、それを着ていただく。そして生地やサイズ感のレビューをしていただくというお仕事です。

募集の結果、さまざまな年齢・身長・体格の男女10人以上の方にレビュアーをお願いできることになりました。実際に着るとどんな風になるか、写真も撮影して送っていただきます。

実は『foufou』は緊急事態宣言が出たあとも、今まで通り営業していて。もともとECサービスなので実店舗がないですし、物流もすべて社内でやっている。だから現状、生産も止めていません。

ただコロナの影響で、これまで実施してきた試着会と、新作の撮影ができなくなってしまった。それで非常に困っていたんです。

オンライン販売を続けていく上で、どうすればお客さんにサイズや着心地をわかりやすく伝えられるか。そこで今回新しく「リモートレビュアー」をやることになりました。

しっかりお伝えしたいのは「業界を救いたい」とか「困っている人を助けたい」というイメージではなくて「僕らも困っているのでお互いに協力したい」ということです。

── この募集は、何がきっかけで思いついたのでしょうか?

実は、「出前館」さんのニュースを見て思いついたんです。"休業になった飲食店の従業員を、配達員として一時的に雇用する"という発表(*)があって。それを見たときに、これだ!と。

緊急事態宣言がでて、お店は5月6日までお休みが決まりました。ただ、今後もゆるい自粛は続くんじゃないかと思っていて。現に、緊急事態宣言の前から、休日にお店を閉めたり、時間を短縮して営業しているお店は多かったですよね。

そうなってくると、販売員の方は仕事ができないし、時間も生まれるはず。それに、物流は止まっていないからサンプルは送れる。それなら、リモートでお願いできるんじゃないかな?と思いました。

「服に関わりたい」とアパレルの仕事をしている方と『foufou』が出会えたなら、お互いすこしハッピーになれるんじゃないかと。それが今回の募集のきっかけです。

(*)出前館とライドオンエクスプレス、「飲食店向け緊急雇用シェア」を実施!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000110.000029254.html

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いま、僕らができることをやるだけ

── 反響はどうでしたか?

こんなにご応募いただけると思っていなかったのですが、500件近くの応募をいただきました。「大変な時期に、こういう取り組みをしてくれてありがとう」というメッセージもたくさん。

同時に、たくさんの販売員さんの現状を知ることができました。

中には、「契約満了を突然通告されてしまった」というアルバイトの方。正規雇用の方でも「5月以降の給与に関する知らせがなかった」という方も。

ある程度想像していたとはいえ、すでに現実はここまで厳しくなっているのか…という思いもありました。

アパレル業界って、小さなメーカーからビックメゾンまで生産ラインがつながっていて。僕らのような小さなメーカーが服を作るには、大きなメーカーさんがいないとダメなんです。いくら僕らが頑張っても、アパレル業界を回すことはできない。

やれることが限られているからこそ、できることをやるしかない。どうすれば、今まで通り生産を止めないでやっていけるかを、考え続ける。

大きく変わろうとしている「アパレル業界」の中で、僕たちは、新しい形の服屋を作っていきたいと本気で思っています。

だから今はじっと生産と販売をしてキャッシュを残し、その時が来るのを待つという感じですかね。今も、これからも、自分たちが信じる服の価値をお届けしていければと思っています。

【1】 愛おしい服が一着あれば「外出自粛の日常」も輝かしいものになる|foufou マール・コウサカ
【2】お店で働けない「アパレル店員」をリモート雇用。ファッションブランド『foufou』のアイデア


文 = 菊池百合子
取材 / 編集 = 平野潤


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