2013.10.16
小学生のプログラミング学習から考える業界の未来像|CA Tech Kids 上野朝大に訊く。

小学生のプログラミング学習から考える業界の未来像|CA Tech Kids 上野朝大に訊く。

小学生にプログラミングを教える肝を、楽しさと達成感を生み出すエンターテイメント性だと語るCA Tech Kids代表の上野朝大さんへのインタビュー第2弾。アクションを起こせる技術とマインドを持った若者が増えることで実現する、未来のWEB・IT業界の展望を伺った。

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▼CA Tech Kids 上野朝大氏へのインタビュー第1弾
ミニ四駆を作る感覚で小学生にプログラミングを|CA Tech Kids 上野氏に訊く。

小学生のプログラミング学習からみる業界の未来像

小学生向けのプログラミング教育事業を手掛けるCA Tech Kids。アルファベットのタイピングもおぼつかない小学生に、プログラミングを教える肝は、楽しさと達成感を生み出すエンターテイメント性にあると語るのは代表の上野朝大さんだ。

上野朝大さん

一見、サイバーエージェントグループのCSR活動の一環とも見える「小学生向けプログラミング学習」だが、上野氏いわく、「当然収益化を目指して事業を行なっている」とのこと。

設立から半年を経ず、既に300人以上の小学生を動員したCA Tech Kidsが目論む今後の展開と、小学生からプログラミング学習を行なうことで実現する未来のWEB・IT業界の展望を伺った。

プログラミングを“習い事”の定番に

― 「小学生にプログラミング教育を」というと、CA Tech KidsはサイバーエージェントグループのCSR活動的側面も持ち合わせているのでしょうか?


社会性のある事業ということは強く意識していますが、いわゆる、「CSR活動」として行なっているものでは全くありません。かといって、儲かる目論見が現時点であるわけではないのですが…。社会的に意義のある“事業”をまず始めてみて、ある程度のマネタイズの可能性を見いだせるように試行錯誤していこう。いまはそんな状態です。


― 夏休みや連休を利用したキャンプ形式だけでなく、今後はスクールも運営されていくそうですね。


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はい。プログラミングを真剣に学びたいという思いを持つ小学生を対象に授業を行なっていきます。まずこの10月から3ヶ月全6回に渡って、一つの言語に限らず、様々な技術を使ってモノづくりを経験する『Hello Stage』というプログラムを用意しています。

続いて来年1月からは『Create Stage』として3ヶ月全12回で、子どもたちの希望に応じた作品を完成させていく予定です。


― 小学生にとって、学習塾のような存在に?


学習塾というよりは、“習い事”の一つになってくるのではないかと。学習塾+αのアルファ部分。ピアノやスイミングのようなものですね。

プログラミングは、なにより投資対効果の高い習い事になるはずです。スキルに直結するし、義務教育化の流れも相まって需要はかなり大きくなると考えています。

日本でも自らアクションを起こすエンジニアが増える

― やはり、現在のWEB・ITエンジニアの供給不足といったことも問題意識として持たれているのでしょうか?


そこは順番が違うかなと思っています。

私たちが目指していることを端的に言えば、「自分で新しいアイデアを考え、その実現手段を持っている若者を増やす」ということ。プログラミングは、自分のアイデアを表現し世の中に輩出するための実現手段、ツールにすぎません。確かに、技術を養うことで職を得て、企業のサービスに貢献するという方向性だって当然あると思いますが、「将来的な労働力の創出」を直接的な目的として人材を育成しているわけではありません。


― それでは、技術を持った若者が増える将来はどのようなものになると?


自分のアイデアを形にできる、プログラミングという実行手段を持つ若者が増えるわけですから、小中学生でサービスを生み出して起業する、といったことも珍しくなくなるかもしれません。アメリカでは、エンジニア出身の経営者が大きく成功する例がドンドン出てきていますが、日本でも自らアクションを起こすエンジニアが増えるでしょう。

また、新卒一括採用というカタチも徐々に変わってきていますよね。もしかすると、企業に属さないフリーランスの技術屋がより若い世代で一般化するかもしれません。

事業家をより多く生むという将来像は、サイバーエージェントグループらしさが出ている部分ではないかと思います。



実はこの夏のキャンプに参加した女の子が夏休みの自由研究としてPowerPointで資料を作ってくれたのですが、こんな言葉がありました。

「小学生でもアプリを作れるような時代になって、これからのITの未来が楽しみなので、このような作業に携わることで未来を変えることは不可能ではない」(※原文ママ)

自分たちでもアプリを創れること身を持って経験したことで、大袈裟かもしれないけど、それによって世界の一部を変えられるかも、と感じてもらえた。これはすごく嬉しかったですね。子どもたちに一番伝えたいと思っていたことなので、かなり手応えを感じています。


― それでは最後に、CA Tech Kidsの将来的な展望を伺えますか?


いま参加していただいている小学生は、情報感度が高い親御さんやWEB・IT業界に近しい方をきっかけに来て頂けているんです。まずは、プログラミングという技術に“楽しい”という入り口を用意して、裾野を広げる活動を続けていくこと。2015年度に5,000人の小学生をCA Tech Kidsのイベントに参加して貰うことを目標にしています。

また、技術だけ学べる場ではなく、チャレンジャースピリットといいますか、自ら行動を起こすメンタリティも育める場にしたいですね。



長期的な話になりますが、CA Tech Kidsでプログラミングに初めて触れた小学生がFacebookやGoogleといった世界的なサービスを生み出す可能性だってある。やはりプログラミング教育は非常にワクワクしますね。


― 夢のある、そして今後よりいっそう注目を集める内容だったと思います。ありがとうございました!


(おわり)


[取材] 城戸内大介 [文] 松尾彰大


編集 = 松尾彰大


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