2015.02.10
「WEBしか知らない人材は面白くないし、限界がある」Fogg 関根佑介が語る活躍人材の要件

「WEBしか知らない人材は面白くないし、限界がある」Fogg 関根佑介が語る活躍人材の要件

Fogg代表・関根佑介氏へのインタビュー第2弾。これまで発案してきたアプリは合わせて約4,000万DLを記録している彼に、サービスの企画術とWEB業界で活躍する人材の要件を伺った。

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▼Fogg代表 関根佑介氏へのインタビュー第一弾
発案したアプリは約4,000万DL!Fogg 関根佑介のキャリアとは。

まずはあらゆる情報を貪ること

― それではここからは、関根さんの手掛けたアプリの企画背景や関根さんが一緒に働きたいと思うような、WEB業界で活躍する人材の要件なんかを伺っていけたらと思います。

まずは「企画術」に関するテーマから。企画をするにあたって必要なことって何でしょう?


企画というものがアイデアなのか、それとも事業企画なのか、その2つに分けてお話させてください。

まず第一に、ユニークで全く新しいアイデアというものは、そう簡単には生まれないという前提はもっておいたほうがいいと思いますね。以前、ヤフーに事業売却・合併したコミュニティファクトリー創業者の松本さんが「新しいアイデアは、今あるアイデアとアイデアを足したモノ」という話をしていたのですが、その考えに僕も完全に同意です。

つまり企画っていうのは、既に存在する、または新しく発表された技術やモデルなどをどれだけ早く理解し、アイデアをストックしているか。そして、それらをいかに組み合わせられるか、次第なんじゃないかと思っています。

ただ、アイデアを思いついても事業に出来る人はすごく少ない。行動力もそうですが、アイデアだけあっても、作り方がわからない人って世の中いっぱいいます。

先程もお話したので繰り返しになりますが、まずは企画(アイデア)以外のところをきちんと理解・経験しているかというポイントはとても重要になるかと思います。これを作るにはこういった開発スキームが必要で…、モノを売るにはこんな営業プランが求められて…。結果こういったビジネスモデルでサービスが提供される…というような。


Fogg 関根

― 優秀な企画者は、まずはインプットの総量が圧倒的。そして実現する道筋まで描ける人物だと。


だと思いますね。僕は会社に出社してもマジで仕事してなかったですからね(笑)。とにかくいろんな情報ソースを当たって何でも頭に入れ込んで。あらゆる情報を雑食していました。

CocoPPaの企画背景とは?

― 続いて、関根さんがプロデュースしたアプリがどんな背景から生まれたのか伺いたいと思います。累計3,200万DLを超え世界中で利用されているCocoPPaは?


女性メンバーがメインの企画ミーティングに参加したときに、たまたまmixiの話になって、「mixiのコミュニティってやっぱり面白かったよね」という話になったんですね。

その話が膨らんで、メンバーの入っているコミュニティ一覧の画面を見せてもらったら、一貫性もないし、あからさまに興味のないコミュニティが入っているんです。で、「これ、何で参加しているの?」と聞いたら、「アイコンがかわいいから」って言うわけです。つまり、彼女のコミュニティに入るモチベーションは「自分のmixiトップページにかわいいアイコンを並べたい」ということだったんです。


― なるほど。そのミーティングでアイデアの芽を見つけて。


そうそう。その話を聞いた時に、iPhoneアプリのURLスキームという、URLをたたくとアプリを起動できるという仕組みがあることを思い出したんですね。

それを使うと「ショートカット」という形で、iPhoneのアプリを着せ替えているように表現できると。iPhoneのアイコンは当時変えることが難しかったので、これは面白いかもという思いから、じゃあ、こういった企画でこういうふうにしたら、基本的に着せ替えできなかったiPhoneのホーム画面を着せ替えできるようになると。そんな流れで初期の基本設計を提案しました。

ただCocoPPaがここまで大きくなったのは、メインユーザーに寄り添って開発してきたメンバーの頑張りなのは間違いないですし、コミュニティ機能なども当時のプロデューサーのアイデアなので、僕は本当に発案だけです。そのことはきちんとお伝えできればと。

もちろん、僕自身は着せ替えなんて全然興味なかったんですよね。でもニーズを知って解決策になるアイデアを組み合わせれば、新しい価値になった。プロデュースする人間は、種とか芽をどれだけ持っているかが勝負だと思いますね。

ウェブしか知らない人間は淘汰される!?

Fogg 関根

― 関根さんが立ち上げられたFoggにはWEBとは異なる業界・業種から来た方も多いと伺いました。何か理由があるんですか?


変に誰かを刺激するつもりはないんですけど、ウェブ業界の人間ってウェブで完結する事しかやろうとしないじゃないですか?だから僕、あんまり好きじゃないんですよね…(笑)。

最近はハードウェアなんかを手掛ける人も増えていますが、どうしても発想がウェブよりなんです。もちろんそれが良いとか悪いとかではないのですが、僕にとってそれは面白くないんです。


― もう少し詳しく伺えますか?


ウェブだけでできること、完結することって限界にきていると思っていて、結局リアルにどんどん近づかないといけないと思っているんですよね。インターネットのことしか知らない、ネット以外の情報ソースや経験を持っていない人間には仕事やパフォーマンスに限界があるんじゃないかと。

当たり前の話ですけど、人間が生きているのはウェブの世界じゃなくて、実世界。であれば、全く違うノウハウやリアルに紐づく経験を持っている人をウェブに引っ張ってきたほうが絶対面白いんじゃないかと思うんです。

もちろん、僕たちはインターネットを主軸においたサービスを生み出すので、プロダクトを作るエンジニアやデザイナーは必要。そこからリアルに繋げられる、例えばどんな規模のイベントでも実施できるノウハウや映像制作、サービスをマスやターゲットに効果的に届けるプロモーション手法など、そんな経験やコネクションを個人で持っている人間はウェブ業界やスタートアップで一層面白い仕事ができるはずです。

ウェブ業界って歴史がまだまだ浅いので、数年いたらだいたいのことは吸収できると思います。つまり、ある意味すごく怖い業界なんですけど(笑)。だったらもう、いろんな他業界で実績ある人を引っ張ってきたほうが、絶対いいですよね。最近は、料理人とか大道芸人とかと一緒に働いてみたいとホンキで思っていますからね。


― Foggがiamに続いて、なぜアイドル応援アプリであるCHEERZ(※現在特許出願中)を手掛けているのか分かった気がします。


ありがとうございます。まさに、エンターテイメント、芸能、音楽のバックグラウンドがあるメンバーがいるからこそ、CHEERZが生まれたし、大きく成長する兆しを見せられているんだと思います。

FoggがiamでもCHEERZでも目指しているのは、人の生活スタイルを変える飽きのこないプラットフォームの構築なんです。

僕たちのビジョンに共感してくれる人がいたら、WEB業界出身じゃなくても、大道芸人じゃなくても、ぜひ連絡ください。


― 異業種の経験がWEB業界では貴重というお話は、企業だけでなく働く人にも新しい示唆を与えられるんじゃないかと思います。ありがとうございました!


[取材・文] 松尾彰大


編集 = 松尾彰大


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