iOS、Androidアプリのソースコードを売買できる国産のグローバルマーケットプレイス《MeetSource》がローンチ。開発を手がけるi3DESIGNの芝陽一郎さんに《MeetSource》の概要やアプリ開発者に与える影響、そして彼らが抱える課題などをメールインタビューで伺いました。
MeetSourceは、スマートフォンアプリのソースコードを売買するためのグローバルマーケットプレイス。販売者は自分が開発したアプりを保持したまま、サブライセンスという形でアプリのソースコードを販売することができる。一方、購入者側はアプリをゼロから開発する必要なく、例えばデザイン部分の変更などを行なうだけで新規のアプリを公開することが可能になる。
Q.MeetSourceの開発背景は?
iOS、Android共にアプリマーケットが氾濫状態になり、新規アプリでヒットを出すのが難しくなってきています。その結果、アプリビジネスは大きく2つの方向性が残されました。一つは資本投入に伴うメガヒットアプリの開発、もう一つは複数アプリでポートフォリオを形成しながら、メディア運用的にアプリを投入していく手法です。
後者の場合、全てのアプリをゼロから開発をしていたのでは、莫大な費用がかかりますが、アプリのソースの権利を購入し、デザインし直すだけであれば開発費用を抑えてアプリのポートフォリオをもつことができます。
Q.開発者自身のメリットは?
開発者側も一度作ったアプリのソースを販売したり、その際に受託を受けるかどうかを登録しておくことによって、ビジネス機会を得ることができます。MeetSourceはアプリ開発者のエコシステムの発展にも寄与できると考えています。
Q.ソースコードの単価の決まり方は?
一つは販売者が希望する単価設定、もう一つはMeetSource独自の計算ロジックから算出される単価です。MeetSourceは全てのアプリにコードレビューをかけているため、期待される販売数とレビュー原価から、独自の計算ロジックを持っており、それに適用して計算しています。
ただ、現実的なオペレーションとしてはセール等の対応もあるので、この計算ロジックは適宜見直しを行なっていくと思います。
Developer Economics Q1 2014によればモバイルアプリ開発者は全世界で約280万人にものぼる。当然だが、ソースコードはボーダーレスなものであり、それだけグローバルに市場が拡大する可能性がある。
MeetSourceは来年末の時点で3万人の登録者の獲得を目指すという。モバイルアプリ開発者にとって、受託開発や個人アプリのリリースだけでない、新しい「マネタイズ手法」が生まれてくるのは歓迎すべき流れ。
開発者の働き方や生き方を大きく変える可能性があるソースコードのマーケットプレイスに今後も注目していきたい。
[取材・文] 松尾彰大
文 = 松尾彰大
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