エンジニアとうまくコミュニケーションがとれない...そんな悩みを抱えるPMも多い。メンバーと連携をとり、スムーズに進めていくために大切なこととは?LINEでプロダクトマネージャーを務める二木祥平さんに伺いました。
全3回の連載でお送りいたします。
[1]なぜ君は仕事を任せてもらえないのか。新米PMが最初に身につけたいマストスキル|LINE 二木祥平
[2]雑談することも、PMの仕事。メンバーと対立しないプロジェクトマネジメントの心得|LINE 二木祥平
[3]納期ってムリに引く意味ありますか?LINE 二木 流 プロダクト開発論
― 開発サイドと連携をとる上で、普段心がけていることはありますか?
エンジニアに限った話ではないかもしれませんが、信頼関係を築くためにも「分かったフリをしない」ようにしています。
たとえば、エンジニアから「できません」や「納期が遅れます」と言われたら、必ずその理由を聞くようにしています。「了解です」って鵜呑みにするのは簡単ですけど、向こうからしたら「なんもわかってないな」とか「知ろうとしてないな」って思われるだけですよね。
遅れる理由を聞いて、開発の専門用語が出てきたとしても、「そうなんですね」で終わっちゃダメ。分からない単語が出てきたら、メモって後で調べて、「こういう理解で大丈夫ですか?」って再度確認するべき。
開発サイドと同じ言葉でしゃべることってとても大事だと思うんです。向こうとしても、「ああ、この人はわかってくれる人だし、相談しよう」って思える。そうやって少しずつ信頼関係が築いていけると思うんです。
とくに最初のうちは、リアルなコミュニケーションからはじめるようにしています。メールやスラックで「なんでですか?」って聞かれたら、誰でもイラっとするじゃないですか。
席にふらっとよってみて、話をしてみるだけでも仕事の進み具合は大きく変わると思います。
― 対面でのコミュニケーション、大切だと思ってはいても、なかなか声がかけずらかったり、後回しにしてしまったり...。
いやいや、雑談は関係づくりにする最高のツールなので、やらないのがもったいないですね。
ぼくの組織定例では、ミーティングのアジェンダに「プライベートシェア」っていう雑談コーナーを入れるようにしています。業務報告だけだと、その人が何を考えているかわからない。「プロジェクト大変なんですよ」ってなかなか言えないし、雑談の中からプロジェクトの課題も見えてきたりする。
真面目すぎるPMほど、プロジェクトも堅くなりがち。カチカチで、お互いにけん制し合うみたいな。お伺い立て合うプロジェクトはお互い好きなことやれないし、うまくいかないと思います。
― 雑談も、プロダクトマネジメントのひとつと。その他にはありますか?
開発は開発、デザインはデザインって、職種によって業務の線引きしないことですね。もちろん、それぞれ役割が違って、タスクは割り振られていくと思うんですけど、それをそのまま放置するとかならず失敗します。
開発サイドの案件だと思ってたのに、開発では認識されてなかったとか。ボールを投げても、ボールの所在が不明になることはおこりがち。
進捗どうですか、なにか困ってることないですかと、PMが踏み込んでいく。細かいテクニックですけど、ミーティングで相づちをしたり、Slackでスタンプを押したり。そういうリアクションひとつもできるだけするようにしていますね。あ、見てくれてるんだなって、向こうにも伝わるし、相談もしてもらいやすくなる。
プロダクトマネージャーって、よく「グレーゾーンを埋める」役割といわれるように、どこのチャットのやりとりも、どのトラブルも自分が拾いに行くくらいのスタンスでいるのが大事だと思います。
(つづく)
>>>[3]納期ってムリに引く意味ありますか?LINE 二木 流 プロダクト開発論
取材 / 文 = 野村愛
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