東京国立博物館にアソシエイトフェローとして勤務し、iOS/Androidの国宝ビューワーアプリ『e国宝』をひとりで開発した佐藤祐介氏が選んだ、次の活躍の場は《Sumally(サマリー)》だった。彼は一体どんな分野での活躍を期待され、《Sumally》に入社したのか―。
▼《e国宝》アプリ開発者の佐藤祐介氏への取材レポート第1弾
国立博物館公式アプリ《e国宝》開発者・佐藤祐介氏に訊く ― 一人でアプリを開発して見えてきたもの。 から読む
― 佐藤さんは『e国宝』のアプリ開発をiOS/Androidともにどちらもひとりでやりきり、大きな自信を得られたんですね。そして、東京国立博物館でのアソシエイトフェローの任期は5年。転職を考えるのは必然だったと。
はい。ただ、自分は次にどういう道に進むべきなのか、誰に相談すべきなのかはじめは全くわからなかったんです。
というのも、東京国立博物館でプログラミングができる人は僕と上司しかいませんでしたし、大学の友人などは、どちらかというとデザイン関連の職についている人が多く、エンジニアとして働くにはどこがいいかなど、見当さえつかない状況で。
そこで、大学時代の講師でもあるTWOTONE.INCの茂出木さんに「なにかいいとこありませんか…?」とまずは相談したところ、《Sumally(サマリー)》というサービスと、CTOである北村を紹介していただいたんです。
― 他の選択肢は検討されてたんですか?
いえ、《Sumally》に出会って誘っていただけてから、ソフトウェアエンジニアとして入社をすぐに決めました。本当にこの縁には感謝しています。
― 決め手は何だったのでしょう?
《Sumally》のサービス自体が自分もすごく楽しめて、その可能性を感じられたのはもちろんですが、やはり『e国宝』アプリに関して、iOSとAndroidの両方を開発した経験を評価してもらえたからでしょうか。
いま《Sumally》ではネイティブアプリの内製化を進めているのですが、北村からも、そこでの貢献を期待してもらえたんです。僕自身、その領域では必ず貢献できるという確信もありました。
そして、スマートフォンやアプリケーションの可能性の大きさを感じ始めていたこともあります。日常生活でも、例えば電車に乗るといまではほとんどの人がスマートフォンを扱っていますよね。多くの人が使うデバイスに自分が携わるアプリが入っていてそれを使ってくれると考えるとすごく興奮して。
『e国宝』の開発を通して、アプリの可能性を非常に感じられましたが、《Sumally》はより人々の生活に密に入っていけるサービス。
そのネイティブアプリの開発を任せてもらえるなんて、これ以上無い機会だと。
― 入社を決めることに、不安はなかったんですか?
やっぱり不安が全くなかったといえば嘘になりますかね。前職はあくまでも“エンジニア”ではなかったのですが、今では名刺にもはっきり“ソフトウェアエンジニア”って書いてあって(笑)まだ経験したことのない職種・働き方、という観点では怖さみたいなものがありました。
でも、まだ26歳だし、こんな挑戦できるのは今しかないかもしれないという冒険心のほうが勝ったんですかね、どうなんでしょう(笑)
― なるほど。すごく個人的な印象なんですが、『e国宝』と《Sumally》ってなんだかちょっと似てませんか…?
最初の面接で、同じ事を北村から言われましたね。自分は全くそんなこと思ってなかったんですが…(笑)でも確かにどちらも、きれいな画像で、飽きがこない、いつまでも見ていられるサービスですよね。
そんな縁もあったのかもしれません。
― いま入社されて2ヶ月ほどということですが、具体的にどのようなことをやっているんですか?
今はスマートフォンサイトのフロントエンドを担当しています。入社後、また新しい言語としてPHPとJavaScriptをちゃんと学び始めて。
― 環境はいかがでしょう?
当然ですが、前職とは大違いですね。CEOとCTOが机ひとつ隔てたところにいるわけで。情報も基本的には全てシェアしていますし、スピード感はもちろん、一人ひとりに任せられる業務と責任がケタ違い。
そして、僕と同じようにいろんなバックグラウンドを持っている人がいて、それぞれが必ず何かの分野に秀でているんです。例えば、隣に座っている人はデータ解析分野にとても強い。前職にはデータ解析する人なんていなかったですから、彼の話すことはどんなことも新鮮ですね。
毎日自分の知らない技術や情報がいくつもインプットされる刺激的な仕事場です。そんな経験ができるのも、密なコミュニケーションができる少数精鋭のスタートアップだからこそなんじゃないかと思います。
― 一つのサービスに関わるという点ではいかがですか?
BtoCサービスの特徴ですが、デザインやUIの変更を少し加えるだけで、こんなにもダイレクトに効果が出るんだという実感はすごくあります。短い期間にできるだけ多くを試して、常に最適な解を探す。「次はココの部分を試してみよう」というようなPDCAのサイクルが社内でいくつも動いているんですね。
まさに今も新しい課題点を抽出して、改善策をいろいろと試してみたいと話していたところです。
今後は人員も拡大して、より成長スピードを高めていこうとしている時期ですし、アプリ開発の内製化にもいち早く取り組み、もっと貢献して自分自身、成長していきたいと思っています。
― 佐藤さんの今後のご活躍と《Sumally》のさらなる発展を期待しています!ありがとうございました!
編集 = 松尾彰大
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