2013.10.10
良いアウトプットを続けるための方法―サイバーエージェント佐藤氏が目指すクリエイターとしての生き方。

良いアウトプットを続けるための方法―サイバーエージェント佐藤氏が目指すクリエイターとしての生き方。

サイバーエージェントへの転職を経て、公私共に充実した日々を送る佐藤氏。彼はどのようにして、その環境を手に入れたのだろうか。自ら手を挙げた部分と、他人から任された部分。そのどちらも、自らの哲学と自己研鑽の賜物であった。充実したキャリアを手に入れる方法とは?

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▼サイバーエージェント佐藤氏へのインタビュー第1弾
クリエイターがキャリアを思い描くとき、何をするべきか―サイバーエージェント佐藤洋介氏の場合。

キャリアを模索して飛び込んだ新天地は、新鮮な驚きに溢れていた。

株式会社サイバーエージェントのアメーバ事業本部で、チーフ・クリエイティブディレクターとして活躍する佐藤洋介氏。

クライアントワークを手がけるデザイナーとして経験を積み、2012年2月よりサイバーエージェントの一員となった。

入社1週間で藤田社長へプレゼンを実施するなど、同社の企業文化に驚きながらも、新鮮で斬新な刺激を享受。

早々に新サービスの立ち上げから携わるなど、転職で実現したかった仕事に就き、充実した日々を送っている。

クリエイターのキャリアを考えるためには、プライベートを含めた働き方を抜きに語れない。

佐藤氏の働き方やプライベートは、仕事と同様に充実感に溢れるものなのだろうか。

環境の変化が引き起こした、価値観の大転換。

― 多忙な日々を過ごしているかと思いますが、この先にどんな仕事をしたいとか、プライベートを含めて挑戦してみたいこととか、キャリアを見つめるきっかけや時間はありますか?



人との出会いの中で、考えたり気付かされたりすることが多いですね。例えば当社って、飲み会が多いんですよ。そういう場で、異業種から転職してきた人と話したりする。どういう経歴を歩んできたのかとか、サイバーで何をしたいとか、もっと将来も含めて、話を聞くことがありますね。

とはいえ、オンとオフがはっきりした会社なので、仕事の話よりもプライベートが多いかな(笑)


― 多くの人とコミュニケーションをとるというのは、以前はなかったことなんですか?


人と接するのは好きだったので、できるだけ多くの機会を持つようにはしていました。ただ、仕事に追われてしまうといえば、そういう時期もありましたね。

転職してからは、自分のペースをつくれるようになった。仕事の予定を立てるのは自分自身なので、締め切りを決めてそれを守ればいいというか。スケジュールの調整が自分主体でできるようになりましたね。

精神的にはもちろん、物理的にもプライベートの時間を取れるようになりました。


― 例えばプラベートで、新しい挑戦とかしましたか?


プライベートってことなら…大型バイクの免許を取りました。ずーっと夢だったんですよね。ハーレーも買っちゃって(笑)

仕事の帰りで教習所に通う時間がつくれたとか、好きなことに目を向けられるようになったというのはあります。

あとは、仕事にも関連しますけど、自分自身の感性というか、考え方が豊かになった。

独特な社風なので、そこから刺激を受けることが多いです。良い意味で、考えられないことが毎日起こる。人生に対する価値観が180°変わったと言えるかもしれません。

好きな事ができているというのは大きいかな。趣味に使う時間はもちろん、仕事だってやりたいことをできている。

今でいうと、クリエイティブディレクターとして、コミュニティの全サービスを見させてもらっています。クリエイティブの全体を見たいという思いがあったので、それが叶っていてやり甲斐がある。

佐藤氏のHARLEY-DAVIDSON。この愛車を走らせることで、頭の中を整理し、心を晴れやかにし、インプットを行なうとか。

佐藤流、自己研鑚の方法。

― 理想のポジションを手に入れたわけですけど、それはご自身が希望しての結果ですか?



両方ですね。

とにかく転職したばかりのときは、信頼されようと思った。そのためにも、良いアウトプットを誰よりも早く出す。社長の藤田が言ってるんですが、WEBビジネスは、最速か、どこにも負けない最高で出すしかないと。

手の速さには自信があったので、クオリティ部分でも信頼されるよう意識してましたね。


― ここまでは、当然苦労があったと思いますが、順風満帆な印象ですね。そして、これから先はどうしましょう。これからのキャリアについてとか、課題に感じていることとか。


全体を統括する立場になったので、自分で手を動かす部分が減りました。でもクオリティをマネジメントする上では、デザイナーとして説得力がないとダメ。反比例するんですが、実務は減りつつ、周りから信頼されるアウトプットを継続しなくちゃいけない。

そのためにも、インプットの仕方には気を使いますね。休日に仕事をすることはほとんどないんですが、自分のスキルや考えが陳腐化しないように、他人のアウトプットにたくさん触れるようにしています。

例えば僕は、読書が苦手なんですよ。ほとんど読まない(笑)それよりも、画集を見るのが好きですね。あとは現場に行って観察する。それこそ、念願のバイクに乗って遠方へ行き、一人でぼーっと見たりします。自分の気持がリラックスしたり、晴れていないと、良い物を見ても入ってこないんです。

目指すキャリアと哲学。

― 優秀なクリエイターってどんな人ですかね。きっと、それに近づくことが、佐藤さんの目指したいキャリアの方向なのかと思います。



クリエイティブとは全然関係ないんですけど、素直な人ですかね。どんな職種もそうでしょうけど、素直でいい奴って思われないことには、どんなに優れたアウトプットをしても認めてもらえないんじゃないかって。

アウトプットしてみてユーザーに刺さらなければ、それはマストでダメなクリエイティブなんですよ。頑固じゃなく柔軟に対応できることは、強みになると思います。

少なくとも当社では、それができないとやっていけない。このスピード感に対応できないでしょうね。


― やはりクリエイティブに対するこだわりは、相当強いものがあると思います。そこにずっと携わっていきたいということだと思いますが、そもそも、クリエイティブってなんでしょうかね。


難しいですね…。

答えはひとつじゃないというか。自分の中での答えを出すのは難しくないかもしれない。でも、他人とブラッシュアップして出していくものだと思うので、コミュニケーションが必要で、そこには柔軟性が必要になる。

結局、サービスには届ける相手がいるわけじゃないですか。その人に一番気持良く届けるためのものが、クリエイティブなんじゃないですかね。サービスを届けて、どれだけ満足してもらうか、みたいな。


― 言い換えると、クリエイティブはサービスの届け方であり、満足度を左右するものということでしょうかね。



わりとそこを見ている感じはありますね。手がけているのがコミュニティサービスなので、人と人がつながる導線を最適にしている。届き方が間違った時の怖さは、嫌というほどわかっています。

だから、クリエイティブの責任ってとても大きいんですよ。デザインをするのであれば、デザイナーの責任は大きい。時間に追われることはあるんでしょうけど、小さな妥協を積み上げていくと、言葉にできない使い勝手の悪さが出てしまう。積んで積んで使いにくいものになる。

だから、他人の意見を聞くことって大事なんですよ。自分とは異なる目で見てもらう機会が。スクラップ&ビルドって言っても、一人でやると、壊す角度を自分で決めている。残したいものだけ、残してしまうと思うんです。


― なるほど。いろいろお話を聞いて感じたのですが、佐藤さんにとってのキャリアというのは、他人と関わり続けることのように思います。


そうですね。一人でやるよりも、チームでやりたい。人に見せる勇気を持って、そういう意味でも柔軟性や素直さが大事なんですが、常に他人の目とか意見を意識していきたいですね。

独立をしたいとか考えていなくて、我々はチームサイバーエージェントでやっているので、他人と関わるなかで、良いアウトプットを追求したいです。

それが、自分の理想とするクリエイターとしての生き方だったりキャリアの積み方でしょうね。


― 貴重なお話をありがとうございました。多くのクリエイターが、自らのキャリアについて悩んでいると思います。その方々に対して、ひとつのモデルを示せたのではないでしょうか。


(おわり)

[取材]梁取 義宣  [文]城戸内 大介


編集 = CAREER HACK


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