クックパッドグループのホリデーでコミュニティマネージャーとして活躍する谷里穂さんに、コミュニティマネージャーという職種について、全国展開をスタートさせるワークショップについて伺いました。
おでかけプランの作成・共有サービスを手掛けるクックパッドグループのHolidayが、地元の魅力を発掘し、発信するワークショップを全国で本格的にスタートさせる。
今回お話を伺ったのは、コミュニティマネージャーとして全国で開催されるワークショップをたった一人で担当している谷里穂さん。新卒でクックパッドに入社し、現在はクックパッドグループ・ホリデーのコミュニティマネージャーを務める2年目のメンバーだ(なんと4歳から高校生までサッカー漬けの日々を過ごし、関西選抜、日本代表候補にもなったという一面も持つ)。
サービスイン以降、おでかけプランの投稿数を最重要視してきたHolidayはWEBやiOSアプリにとどまらず、なぜ「ワークショップ」というオフラインでの施策を強化するのか。学生時代にホリデーのメンバーに出会い、サービスコンセプトに共感したという彼女に、いまにわかに注目を集めるコミュニティマネージャーの仕事内容などについて伺いました。
― 谷さんはホリデーのコミュニティマネージャーとして、どんな活動をされているのですか?
地方自治体やNPO、有志の方々と「共催」という形でワークショップを開催しています。約半年間で16都道府県、30回近くワークショップを実施し、550名以上の方に参加していただきました。私自身は週末に全国を飛び回る生活を地道に続けています。
― インターネットでユーザーからの投稿を募るCGM型にもかかわらず、Holidayはなぜオフラインの「ワークショップ」を実施していこうと?
Holidayは「いつもの休日を楽しみに」というコンセプトを持ったおでかけプランサービスですが、集まっているプランは観光地だけではなく、日本各地、地域ごとの魅力を再発見するプランも数多く集まっているんです。
2014年の秋にHolidayのβ版をローンチしてから、地元の魅力を発信したい方は各都市にいらっしゃることがわかりました。でも、どう発信したらいいかわからないという悩みを持たれている方も多かったんですね。
そこでHolidayがワークショップのノウハウなどを提供する形で共催し、再発見した地元の魅力を「おでかけプラン」に落とし込み、投稿してもらおうと考えました。
― 小規模のオフラインイベントは手間と時間がかかり、なかなかスケールしづらい側面がありますよね。
Y Combinatorのポール・グレアムは「スケールしないことに取り組む」ことを推奨していたりします。
私たちは「積み上がった時にどうなるのか」の議論をかかさずやり続けているんです。たしかに1回1回の開催で見ると、「効率が悪い」という判断もあります。でも開催された後に残るプランや30回50回100回と、積み上がった時にできる持続可能な仕組みや流れ、そういった中長期的な価値を見出そうと。
具体的には、私たちが参加しなくても、地元の人たちだけでワークショップが定期的に開催された状態をつくることですね。今後は地元企業などとも連携して、多くの地元の方を巻き込んでワークショップを本格的に展開していきます。1年後までに47都道府県・計100回の開催を目指し、地元の力だけで継続するような仕組みづくりを行なっていきます。
― 谷さんの仕事から、コミュニティマネージャーという比較的新しい職業が生み出す価値みたいなものがわかった気がします。
私は社会人になる前まではロクにPCも扱えないし、できることがあまりにも少なかったんです。コミュニティマネージャーという職種名も名前から入ったりしていて(苦笑)
― 会社には同じ仕事をしている先輩・同僚もいない中、どうやって仕事を生み出し、コミットされてきたんですか?
これまでずっと自分ができることを愚直にやり続けるということだけに専念してきました。とにかくやってみることをすごく大事に、そして素直でいつづけられるように心がけています。 全く同じ職種ではありませんが、ユーザーを大切にする姿勢やコミュニケーションの方法などを、クックパッドの先輩方から多くのことを学ばせてもらっています。
― サービスのフェーズによって、コミュニティマネージャーとしての役割も変わってきそうです。
そうですね。コミュニティマネージャーって、コミュニティを設計したり何かと何かをつなげていく、ファンを生み出す職種だと思うんです。いまはHolidayというサービスと投稿していただくユーザーをつなげることにフォーカスしていますが、いずれは投稿者と閲覧者をつなげるといった役割に 変わってくることもあるのかと思います。
― 2年目の谷さんがHolidayに強くコミットできる理由ってなんなんでしょう。
Holidayをたくさんの人を幸せにできるサービスにしたいという思いが強いのでしょうか。私自身、高校まで女子サッカーのプロ選手になる夢を持っていたこともあり、大きな成功が人を幸せにすると思っていたんです。でもHolidayに出会って、実は幸せって日々の生活の中にあるんだな、と気づけたんですね。
単なるおでかけプランが載ってるサービスにとどまらず、おでかけを通してたくさんの人を本当に幸せにできるサービスを、コミュニティマネージャーとして皆さんと作ってけたらと思っています。
文 = 松尾彰大
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