2012年もいよいよあと僅か。一年を振り返る意味を込め、各業界のトップランナーの方々に「今年読んだ本の中で最もお勧めの一冊」を伺った。今回登場するのは、けんすう氏(nanapi)、井口尊仁氏、伊藤直也氏、岩上貴洋氏(LIG)、加藤隆夫氏(SCRAP)。彼らが選ぶ、2012年のベストブックとは?
残すところあとわずかとなった2012年。年末年始に長期休暇をとる方も少なくないでしょう。もちろんゆっくり休養するのもいいですが、新たな年にスタートダッシュをかけるためにも、本の一冊や二冊読んでおきたいところ。
そこで今回、WEB・IT・ゲーム業界で活躍する5人のトップクリエイター・エンジニアの方々に、「今年読んだ本の中で最もお勧めの一冊」を挙げていただきました。2012年の締めくくりに、あるいは2013年のスタートに、手にとるべき一冊としてぜひ参考にしてみてください。
[本をご紹介くださった方々]
1. 古川健介(けんすう)氏 (株式会社nanapi代表)
2. 井口尊仁氏 (起業家)
3. 伊藤直也氏 (エンジニア)
4. 岩上貴洋氏 (株式会社LIG代表)
5. 加藤隆夫氏 (株式会社SCRAP代表)
nanapi けんすうさんのコメント:
すべての製品やサービスはシンプルであるべき、という気持ちにさせられる本。もっともシンプルの杖を使いこなしているアップルの例をもとに、さまざまなエピソードを読むことができます。
井口さんのコメント:
MAKERS “アトムからビットへ!” から、“アトムがビットへ!” 製造業という20世紀のコア産業を、ビットの価値観で書き換えると世界のメーカー生態系は全く新たなものになる。個人の創意工夫が情報のみでなく、あらゆる道具的存在へ拡張できる。この堂々たる革命宣言を真正面から受け止め、それを実践する勇敢な起業家の出現を心から期待する。そして、自らもこの革命に参加しようと思う。
伊藤直也さんのコメント:
ことコミュニケーションが大事だ、前向きに生きろというようなことを言われがちな社会ですが、戦後最大の思想家と言われた故・吉本隆明はなんというでしょうか。「ひきこもれ」。ポジティブに考えろとか、自分を変えろとか、老黄忠はそんなことは一切言いません。詩人であり文学者でもある氏が、作家が作品を生み出すにあたっての一人の時間の使い方を論じるくだりは必読です。
LIG 岩上さんのコメント:
本のタイトルにもある、「let my people go surfing.社員をサーフィンに行かせよう」はパタゴニアの社内の非公式ルールです。平日の午前11時だろうが午後2時だろうが、いい波が来ているのにサーフィンに出かけない方がおかしいということです。バックグラウンドにある考え方は社員に、「自主性」「責任感」「協調性」「自主管理」を促す仕組みになっています。LIGで目指したい組織像と似ていたので、組織作りの参考にしたいと思っています。
SCRAP 加藤さんのコメント:
とても面白いゲームブックになっています。小さい頃に体験したことのある人が多いのではないのでしょうか?ゲームブックブームは去ってしまったのですが、ゲームブックにもう一度焦点を当てて、アナログ本に出来る限界を詰め込んだ一冊になっています。2012年がゲームブック復興のスタートの年になればいいなと思って作りました。
2012年を代表するベストセラーから、隠れた名作まで、とてもバラエティに富んだ5冊になりました。気になる本があれば、ぜひ手にとってみてください。
編集 = CAREER HACK
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